銀行の保有国債の損益分岐点低下

米国の経済指標の改善をきっかけに、投資家のリスク回避の姿勢が緩んできた。前週末の米株高に続き、6日の日経平均株価は上昇幅が一時100円を超えた。投資家のリスク回避が緩めば、通常は債券から株式に資金が流れる。それでも6日の新発10年物国債利回りは小幅な上昇にとどまり、0.965%で取引を終えた。長期金利の安定ぶりは際立っており、10年債利回りは昨年8月以降、ほぼ半年にわたって1%前後の低水準にある。
(日本経済新聞2012年2月7日4面)

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しかしこれは嵐の前の静けさかも知れない、というのが今日の記事です。国内銀行の保有債券の損益分岐点が低下しているため、邦銀がいっせいに債券売りを行なう可能性があるということです。

「この2年間、国内銀行は国債売買で大量の「益出し」を進めており、国債の含み益は減少している。みずほ証券の試算では、10年物国債の損益分岐点は半年で1.4%弱から1.2%に下がった。長期金利がわずかに上昇しただけで、巨額の損失を恐れる銀行勢がロスカットに動きかねない」
(前掲紙)

CFOとしたは危機感を持って有事に備える必要がありそうです。

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