Jフロントがパルコ買収

大丸と松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングはパルコを買収する方針を固めた。まずパルコの筆頭株主で約33%を保有する森トラストから全株を買い取る。その後、日本政策投資銀行が抱える新株予約権付社債(CB)を取得するなどして過半に増やす。小売業界の垣根を越えた企業再編が今後加速しそうだ。
(日本経済新聞2012年2月23日1面)

【CFOならこう読む】

過去の経緯については、当ブログのエントリー

2010年9月4日「パルコと日本政策投資銀行の提携、森トラスト反」
2011年3月30日「パルコ委任状争奪の可能性」
2011年4月20日「パルコ、社長退任受け入れ」

をご覧下さい。

Jフロントによるパルコ買収のスキームは以下の通りです。

「Jフロントは24日に開く取締役会で33%分の株式の取得を決める。買取金額は1株1100円(23日終値は682円)で、総額は約300億円とみられる。その後、政投銀が保有する分も買い入れる方針。時期は未定だが、JフロントはTOBを実施する。CBは普通株に転換すると森トラストから取得した分は同27%に希薄するため、他の株主からも買い付けて50%超の保有を目指す」(前掲紙)

現在12%保有するイオンの出方が注目されます。私としては、対抗TOBに打って出ることを強く希望します。

金商法は、企業の経営権の移動は、TOBというルールのもと行われなければならないと規定しています。その前提には、高い価格を付けた買い手が、価値を創造する良い買い手であるという考え方が存在しています。したがって金商法はTOBに対し対抗TOBが実行されることを当然に予定してTOBルールを定めているのですが、これがなかなか行われません。

多くのM&Aを実行してきているイオンには、ぜひともここを好機ととらえ、新しい一歩を踏み出して頂きたいものです。

【リンク】

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