欧州進む消費税

フランス国民議会は2月29日、付加価値税(日本 の消費税に相当)の税率引き上げを含む 2012年予算案を可決、成立させた。大統領選を4 月に控えたサルコジ大統領が増税を発表 してからわずか1ヵ月でのスピード決着。債務問 題への危機感を背景に、欧州では増税の 痛みよりも財政再建の実行を優先する動きが目立 つ。
(日本経済新聞2012年3月2日3面)

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「予算成立に伴い、仏は今年10月から付加価値税 の税率を19.6%から21.2%へと引き上げる。 ギリシャの巨額債務が発覚し財政悪化への不安が 強まって以降、南欧諸国は相次ぎ増税に 踏み切っており、仏も追随した」(前掲紙)

フランスの付加価値税率は21.2%、英国は20%( 2011年1月に17.5%から引き上げ)、 ドイツは19%となっています。ただし欧州の多く の国では標準税率とは別に食料品などに 軽減税率が採用されています。

欧州では、1992 年の欧州経済共同体(EEC)第 6 次 指令修正指令において税率の接近が図られ、 標準税率を 15% 以上とすること、軽減税率は 2 本までとすること、軽減税率は 5% 以上とし、 その適用対象は指令の別表に掲げる財・サービス に限ること、軽減税率は 2 年毎に見直すこと、 が定められました。ただし、同指令では、経過措 置として、1991 年以前に適 用されていたゼロ税 率、 超軽減税率、中間税率等の継続も認められたた め、EU における税率構造と軽減税率の適用対象 品目は、 非常に複雑 な状況となっています。 (2008年10月「諸外国の付加価値税 (2008年版) 」 国立国会図書館調査及び立法考査局  [PDF]13頁)

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