シャープ株次期社長の会見受け、5.3%安
15日の東京株式市場で、シャープ株が前日比28円(5.3%安)の503円と急落した。
(日本経済新聞2012年3月16日15面)
【CFOならこう読む】
「14日午後4時に会見した奥田隆司次期社長は、事業構造改革を押し進める考えを強調したが、「具体的な成長戦略は改めて説明したい」と述べるにとどまった。これが失望売りを誘った面もありそう」(前掲紙)
先行き不透明な電機業界の今後について、明るい展望を新社長の口から聞きたかったのにそれが聞けなかったということで、失望売りにつながったのでしょう。
リーダーは、誰にも見えない未来を見据えて、明確なビジョンを提示し、これが多くの支持を獲得するからこそリーダーなのです。
ところが民間企業に限らず、日本の組織のリーダーは、政治手腕に長けた調整型の人材であることが多く、そういう人は新任の挨拶で、”今後については皆と相談してこれから考える”的なことを宣うわけです。
しかし、今の日本に必要なのは前者のリーダーです。しかも大きな赤字を出している電機業界の長であるなら、なおさらです。そういった期待をもって新社長の言葉を聞くわけですから、せめて具体的な成長戦略を今説明できない理由といつどのような形で説明するかを明言すべきでしょう。