貸倒引当金が減少

債権などの貸し倒れに備えて積み立てる貸倒引当金が減少している。2011年12月末に上場企業が計上した貸倒引当金は2兆138億円。四半期決算の開示が義務づけられた2009年3月期以降で最少で、リーマン・ショックで企業倒産が増えた同期末から2割減った。
(日本経済新聞2012年3月27日13面)

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貸倒引当金の流動資産の計上額と固定資産の計上額の内訳を見ると、固定資産の方が大きく減っていることがわかります。

「流動資産として計上している貸倒引当金は売掛債権や受取手形の回収可能性の向上で、8985億円と1年前に比べ8%減少。固定資産に計上する貸倒引当金は1兆1153億円と15%減少した」(前掲紙)

貸倒引当金の減少理由としては、一般債権の債権実績率の低下、売上減少に伴う営業債権の減少も考えられますが、固定資産計上部分が大きく減少したのは、貸倒懸念先の財政状態改善による個別引当の減少の影響が大きいものと考えられます。この他、取引先の法的処理等に伴い貸倒処理をしたというケースも少なからずあるものと思われます。

いずれにしても、サブプライム後のパニック状態から漸く脱したと言って良いようです。

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