ルネサステクノロジ・NECエレクトロニクス、統合比率1対1

ルネサステクノロジの赤尾泰社長は27日、日本経済新聞記者と会い、来年4月をめどに合意しているNECエレクトロニクスとの経営統合について「(企業価値ベースで統合比率は)1対1を基本としている」と述べた。仮に資産査定の結果、企業価値がNECエレを下回った場合は、日立製作所など主要株主からの増資も「可能性はある」とした。
(日本経済新聞2009年5月28日11面)

【CFOならこう読む】

今どきこんなことを言う人がいるんですね。

統合比率1対1に拘る企業再編が昔はたくさんあって、その度に、いかに統合比率を1対1にするかでアドバイザーが知恵を絞らなければいけませんでした。

それにしても赤尾社長は、増資をすれば株主価値をあげることができるとお考えのようですが、それは間違いです。

公正価値で増資を行う限り、1株当たり株主価値に影響を与えません。
もっとも日立製作所など主要株主が公正価値を上回る価格で増資を引き受けるというなら話は別ですが・・・

企業価値ベースでというのは、株主価値総額でという意味かも知れません。もしそうなら、統合比率1対1というのはミスリードですね。

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