完全子会社を存続会社とする持株会社との合併ー日本製紙グループ本社(持株会社)と完全子会社日本製紙との合併

 

日本製紙グループ本社は25日、洋紙をつくる完全子会社の日本製紙と、2013年4月1日に合併すると発表した。日本製紙が存続会社となって上場し、2001年に導入した純粋持株会社の体制はやめる。
(日本経済新聞2012年4月26日9面)

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日本製紙グループ本社は、2001年に日本製紙と大昭和製紙が株式移転による共同持株会社方式で事業統合した際設立された純粋持株会社です。今回の合併により、10年以上かかって漸く経営統合が完了したということなのかもしれません。

合併の要旨は次の通りです。

「(1) 合併の日程
合併決議取締役会 平成24年4月25日 (水)
合併契約締結 平成24年4月25日 (水)
定時株主総会基準日 平成24年3月31日 (土)
合併承認定時株主総会(日本製紙) 平成 24 年 6 月 22 日 (金)(予定)
合併承認定時株主総会(日本製紙グループ本社) 平成 24 年 6 月 28 日 (木)(予定)
上場廃止日(日本製紙グループ本社) 平成 25 年 3 月 27 日 (水)(予定)
合併の予定日(効力発生日) 平成 25 年 4 月 1 日 (月)(予定)

(2) 合併方式 日本製紙を存続会社とする吸収合併方式で、当社は解散により消滅いたします。

(3) 合併に係る割当ての内容
会社名     日本製紙(※)        日本製紙グループ本社
 合併比率      1 1

(注)1 株式の割当て比率 日本製紙グループ本社の普通株式 1 株に対して、日本製紙の普通株式 1 株を割当て交
付いたします。本合併に伴い、日本製紙グループ本社の普通株主が受け取る対価は 188,332 百万円(平成 24 年 4 月 24 日における日本製紙グループ本社の東京証券取引所 での終値 1,620 円に発行済株式総数 116,254,892 株を乗じた額と同額)となります。 (※) 日本製紙は平成 24 年 4 月 24 日に株式併合を行い、発行済株式総数は116,254,892 株となっております。

2 合併比率の算定根拠
当社は公平性・妥当性の確保を第一義と考え、第三者機関であるみずほ証券株式会社 (以下、「みずほ証券」)に本合併が当社および当社株主が保有する普通株式に与える影 響の分析を依頼し、分析資料を受領しました。当社および日本製紙はみずほ証券から受 領した分析結果等を総合的に勘案して上記のとおり合併比率を決定しております。

3 当社が保有する日本製紙株式 当社が保有する日本製紙株式は、合併効力発生日において日本製紙が保有する自己株式となりますが、当社は本合併により、当該株式の全てを新株発行に代えて全て日本製紙グループ本社の株主(ただし、日本製紙グループ本社を除く)に割当て交付いたします。」
2012年4月25日「当社連結子会社日本製紙との合併契約の締結、ならびに日本製紙と 当社連結子会社日本大昭和板紙、日本紙パックおよび日本製紙ケミカルとの 合併契約の締結に関するお知らせ 」 株式会社日本製紙グループ本社   [PDF]

完全子会社である日本製紙が存続会社となるので、合併に際し日本製紙は日本製紙グループ本社が保有する日本製紙株式を自己株式として受け入れることになりますが、これを合併対価として日本製紙グループ本社の株主に交付するということです。

会計処理は、「企業結合会計基準」及び「企業結合会計基準および事業分離等会計基準に関する適用指針」に定める共通支配下の取引に該当します。

個別財務諸表上は、親会社から受け入れる資産及び負債は帳簿価額により計上し、親会社が所有していた子会社株式を自己株式として株主資本から控除します。また移転された資産及び負債の差額が純資産として処理されます。
(適用指針210項)

連結財務諸表上は、親会社が子会社を吸収合併したのと同様の処理になり、合併前の連結財務諸表の帳簿価額が引き継がれます。
(適用指針212項)

【リンク】

2012年4月25日「当社連結子会社日本製紙との合併契約の締結、ならびに日本製紙と 当社連結子会社日本大昭和板紙、日本紙パックおよび日本製紙ケミカルとの 合併契約の締結に関するお知らせ 」 株式会社日本製紙グループ本社   [PDF]

「事業統合(進捗状況)について」日本製紙株式会社 大昭和製紙株式会社