イオンがREITを設立し、3000億円調達

イオンは大手小売業では初めてREITを設立し、保有不動産を活用した大規模な資金調達を始める。年内にもREITを東京証券取引所に上場。ショッピングセンター(SC)などをREITに売却し、上場時に最大3000億円、最終的には1兆円規模の調達につなげる考えだ。
(日本経済新聞2012年6月23日2面)

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「イオンはまず、投資家から資金を集めてREITを設立。このREITがイオンからSCなどの不動産を買い取る。イオンは売却したSCなどを賃借し、運営を続ける。不動産の所有が外部の投資家に移ることで、イオンは保有資産を増やさずに成長投資のための資金調達ができる」(前掲紙)

イオンの前期末(2012年2月期)の有利子負債(連結ベース)は1,335,186百万円、自己資本比率は23.1%と大きな負債を抱えています。REITを利用し不動産を流動化することで、固定資産と有利子負債がバランスシートから外れ、総資産を小さくすることができると同時に、今後出店するSCもREITに組み入れることができるので、負債を増やさず業容を拡大することができます。

ただし東証に上場するREITの平均利回りは5.5%であり、この原資はイオンがREITに支払う賃料であることを勘案すると資金調達コストは必ずしも低いわけではないことに留意が必要です。

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