ダッチ・サンドイッチとダブル・アイリッシュ

「ダッチ・サンドイッチ」。米大手企業などで広がる国際的な節税は、こんな俗称で呼ばれている。例えば米国で生まれた特許などの知的資産をアイルランドの関連法人に移す。
これをオランダの法人を介しアイルランドの別の関連法人にライセンスする。第2のアイルランド法人は製造や電子商取引の事業会社。同社が払う特許使用料は逆の流れで最初のアイルランド法人が受け取る。
(日本経済新聞2012年7月3日17面)

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「この際、最初のアイルランド法人がバミューダなどの租税回避地と一定の関係があると、ライセンス収入が非課税になる。オランダの租税条約も絡めて非課税収益を作り出す手法で、米ネット企業などには、海外事業の実効税率が1ケタのところも珍しくない」(前掲紙)

所得がアイルランド法人からアイルランド法人に戻るので、「ダブル・アイリッシュ」、間にオランダ法人が挟まれるので「ダッチ・サンド」と言われます。グーグル、フェイスブック、マイクロソフト等多くの米国系企業がこの手法を利用し節税を行っています。

そしてもう1つ国際租税戦略上、重要なツールとなっているのが、「チェック・ザ・ボックス」。LLCやS法人といった小規模法人は構成員課税と法人課税のいずれかを選択することができます。これが一定の外国法人についても適用があることを上記スキームは利用しています。

グーグルのスキームは、

Bloombergの「グーグルの税率2.4%はアイルランド仕込みのダッチ・サンドイッチ」
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=al94.hCbCtFg

”Google 2.4% Rate Shows How $60 Billion Lost To Tax Loopholes”
http://www.bloomberg.com/news/2010-10-21/google-2-4-rate-shows-how-60-billion-u-s-revenue-lost-to-tax-loopholes.html)

が詳しく説明しています。

【リンク】

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