ANA株、公募価格割れ

23日の東京株式市場でANAが一時前週末比6円(3%)安の179円まで下げた。公募増資で発行する新株の価格(184円)を割り込み、データの残る1980年以降では連日で最安値を更新した。大型増資による株式需給の悪化が改めて懸念されているようだ。
(日本経済新聞2012年7月24日17面)

【CFOならこう読む】

7月10日のエントリー「全日空(ANA)増資、財務強化に照準」の続報です。

「市場では「増資の必要性に疑問を抱く投資家も多い(バークレイズ証券の姫野良太アナリスト)との声もある。「787」などの設備投資は年2000億円規模。ANAの2013年3月期連結営業利益は過去最高を更新する見通しで、営業キャッシュフローで資金を賄えるとみられるからだ。」(前掲紙)

結果的に増資で調達した資金を単に寝かせておくことになるなら、ダイリューションが起き株価は下がります。

しかし、たとえダイリューションが起きても、近い将来の競争激化に備え今のうちに資金を手当したいという
事情も理解できます。

いずれにしても、このタイミングで明確な中長期のビジョンを、顧客や市場に対し示すことが不可欠だと思います。

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