テルモ、オリンパスに経営統合を提案

医療機器大手のテルモはオリンパスに対し、共同持株会社方式による経営統合を提案した。26日に発表する。財務基盤の強化を急ぐオリンパスは、ソニーから約500億円の出資を受け入れる方向で最終調整しており、内視鏡やデジタルカメラでの協業内容を詰めている。
(日本経済新聞2012年7月26日1面)

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「テルモはオリンパス本体に500億円出資したうえで、両社で統合を協議する委員会の設置を提案した。共同持株会社の下に事業会社のテルモとオリンパスを置く形を想定している。テルモは現在、オリンパスに2.1%を出資している。追加出資が実現すれば15%弱の筆頭株主となる。」(前掲紙)

オリンパス経営陣としては、経営の独立性を確保した上で再建を図りたいところでしょうが、もはやそういうステージではありません。
テルモ案は、共同持株会社の下に、オリンパスが従来通りの形でぶら下がるという点でおだやかな経営統合のように見えるかもしれませんが、その実はテルモによるオリンパスの買収です。

テルモの提案を受け、ソニーも資本業務提携にとどまるのか、経営統合まで踏み込むのか、より具体的な提案を行うことが求められると思います。

いずれにしても、オリンパス経営陣としては、自己保身に走らず、株主価値創造という観点から提案を検討する必要があります。

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