テルモ、オリンパスに経営統合を提案 – 続き

テルモは26日、オリンパスに対して共同持株会社方式による経営統合を提案したと発表した。医療機器メーカー同士が手を組むことで、日本の国際競争力を強化できるとアピール。あえて「劇場型」でオリンパス争奪戦に名乗りを上げ、先行するソニーに待ったをかける。
(日本経済新聞2012年7月27日11面)

【CFOならこう読む】

テルモは、統合の意義を次のように表現しています。

「日本の医療機器市場は輸入超過が続いており、貿易赤字は拡大の一途をたどっ ております。その原因は特に治療機器の大半が輸入品で占められていることにあります。 このような状況の中、両社の技術融合により日本発のイノベーションを起こすことで、 日本の産業活性化にも貢献できるものと考えております。」

国富創造の観点から統合のメリットを強調している点は評価できます。

テルモの提案は、統合提案というより買収提案であるため、オリンパス経営陣にとっては受け容れ難いと思われますが、経営陣の自己保身の観点ではなく、株主価値創造の観点から提携先を決定してもらいたいものです。

それにしても、これを「劇場型」と表現するのは、いかにも筋が悪い。「劇場型」とくれば、後に続く言葉で最初に思い浮かぶのは「犯罪」。
これじゃあ何だか悪いことをしているよう。

【リンク】

2012年7月26日「オリンパス株式会社への統合提案について」テルモ株式会社 [PDF]