M&A箴言集ー日本電産 永守社長

日本企業が海外企業を積極的に買収している。今年1〜6月の買収件数は丸紅が米穀物会社の買収に合意するなど、262社に上り、上半期で過去最高となった。円高を活用し国外に成長を求める傾向は強まる一方だが、成功の秘訣は何なのか。創業以来35社を買収した日本電産の永守重信社長に聞いた。
(日本経済新聞2012年8月9日15面)

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以下、M&Aに関する永守社長の言葉を抜粋します。

「・登山に例えれば、M&Aは契約の時点で2合目しか登っていない。残りの8合分は企業文化の違い
を摺り合わせる『PMI』という手間のかかる作業で、これがまた難しい
・円高だからお買い得というわけではない。売り手もこちらの状況を知っているから価格をつり
あげる
・任せられる人がいるかどうかがカギであり、大きな方針は示しても、オーナー株主という一歩
引いた気持ちで経営を委ねている
・小さな買収を重ね、ヒット、ヒットでつなぐ。私だってできればホームランを打ちたいが、身の丈
というものがある
・(ー経営不振企業も買収し、再生しました)
そうした企業の多くは買収金額がほぼゼロ状態で買うので、意外に自己資本を毀損する危険がない
・(韓国などアジア企業も)日本など先進国の企業を買いに来る可能性がある。そうしたら企業
買収で時間を買わないといけない日本とM&Aでも競うことになるだろう」

個人的には、今後日本企業が買われる場面が多くなっていくと思われる中、日本企業の経営者が、買われる企業の経営者として、新たな価値創造に向け、いかに自己の仕事を全うするか、に関心があります。

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