ゾンビ企業が何故存在するか?

・ゾンビ企業の存在が経済構造転換遅らせた。
・財政改革の明示や積極的な金融緩和も必要
・旧態依然の産業政策や外需依存姿勢改めよ
(日本経済新聞2012年8月23日24面 経済教室 星岳雄・アニルカシャップ)

【CFOならこう読む】

星氏等の「日本再生のための処方箋」のポイントは上記の通りです。
指摘のほとんどはその通りだと納得できます。
しかし、肝心な原因分析が表面的なところにとどまっているという感も否めません。
例えば、何故ゾンビ企業の保護が続けられるか、です。

これは日本の雇用形態が今もって終身雇用を前提にされており、いったん雇用したら企業は定年まで雇用を継続する責務があるとされていることにその原因があります。
人的資源が流動化することを前提とした仕組みになっていないので、ゾンビ企業をつぶしてしまうと、働く人たち(経営者も含む)の行き場がなくなってしまうのです。

新たな価値を創造するM&Aがなかなか生まれないのも、派遣切りも、IPOの準備でやたらと細かい労務管理が要求されるのも根っこをたどるとここに行き着きます。

環境変化に合わせ、人材も流動化するのが当たり前なのに、これを当たり前としない国に未来はありません。

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