KKR、ルネサスの経営権取得へ

米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロ バーツ(KKR)は、経営再建中の 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの第三者割 当増資を1000億円で引き受け、 経営権を取得する方針を固めた。NECなど主要株 主3社と早ければ9月中にも 正式合意する。電機大手が母体となって発足した ルネサスの再建は、外資ファンド 主導で進む見通しとなった。
(日本経済新聞2012年8月29日1面)

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「KKRは28日、主3社と主力取引銀行にルネサス への出資案を提示した。ルネサスの株式時価総額 は約950億円、などの了解を取りつけ、発行済株式の過半を年内 にも取得して経営再建を主導する 方針だ」

KKRは、有力なプライベート・エクイティ・ファ ンド(PEファンド)の一つです。 私は、2月8日のエントリー「半導体3社、事業統合交渉」で、 ルネサスは、PEファンドの関与が望ましいという 趣旨のことを書きましたが、 その通りの展開になりそうです。

プライベート・エクイティ・ファンドには、資本 調達が難しい時期に企業に資金を提供したり、 ほかに買い手がいない状況で売り手に流動性を提 供するという役割があります。 日本では、この役割を国や役所が担いたがる傾向 がありますが、もとよりこのようなハイリスク・ ハイリターンの投資を税金で行うべきではありま せん。

「日の丸半導体」ルネサスの経営権が、外資ファ ンドの軍門に下ることを良しとしない向きも あるかも知れませんが、重要なのは誰が株主かで はなく、再建できるかどうかです。

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