中期経営計画、当期純利益では75%もの企業が未達

・企業価値の長期低落の一因は経営能力低下
・資本市場からの信頼感低下も価値低落招く
・日本企業では中期経営計画の未達が恒例化
(日本経済新聞2012年9月5日29面経済教室 伊藤邦雄一橋大学教授)

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3番目の点について、伊藤教授は次のように指摘しています。

「横浜市立大学の中條祐介教授が昨年3月に日本企業の経営企画担当者を対象に実施した調査結果で証明されている。日本企業の約9割が中期経営計画を策定し、6割強がそれを外部に開示しているが、約15〜20%の企業が社内用と社外用で中期経営計画を使い分けている。驚くべきは、中期経営計画の達成状況である。売上高では20%、営業利益では約50%、そして当期純利益にいたっては75%もの企業が未達である」(前掲紙)

中期経営計画の未達の原因は、いろいろだとは思いますが、もともと計画を達成目標と位置付け、あえて達成が困難な水準に設定する会社も少なからず存在します。従って、この結果だけをもって、日本企業の経営者の経営能力に問題があるとするのは、少し言い過ぎだと思います。

この数値から見えてくるのは、売上目標だけは何としても達成させたいという経営者の意思です。

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