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「昨日の企業」に資本が流れる日本

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日本のハイテク企業コバレントマテリアルの社債保有者は近く同社の運命について決定を下す。社名が東芝セラミックスだった2006年以降、競争激化と技術的優位性の低下で利益は半減した。業績が好調な時には借金は大きな問題ではなかったが、今では長期のゼロ金利政策にもかかわらず、大変な重荷となっている。
(日本経済新聞2012年9月6日6面英フィナンシャルタイムズ特約)

【CFOならこう読む】

日経新聞のタイトルは、”「明日の企業」に資金を”、と前向きな応援記事のように見えますが、
英文のタイトルは、

”Japan, where capital flows to yesterday’s companies”、

つまり「昨日の企業」に資金が流れる日本、について悲観的に分析を行っている記事です。

最大の問題点を、次のように的確に指摘しています。

In most countries, robust restructuring and bankruptcy processes are an inherent part of a healthy economic ecosystem. But that fundamental point still isn’t really accepted in Japan.
大胆な企業再編と破産手続は健全な経済システムに本来備わっており、多くの国では実践されている。しかし、日本ではその基本的なことがいまだにまともに受け入れられていない。

的確に指摘はしていますが、何故そうなのかという根源的な部分にまでは言及されていません。

このブログで何度も書いていますが、日本の病巣の根源は次の部分にあります。日本の雇用形態は今もって終身雇用を前提にされており、いったん雇用したら企業は定年まで雇用を継続する責務があるとされています。

人的資源が流動化することを前提とした仕組みになっていないので、働く人たち(経営者も含む)の行き場がなくなるような企業再編や破産手続に進むことができないのです。

「昨日の企業」から「明日の企業」に人的資本が流れる国に変わらなければなりません。そうでないと、「昨日の企業」に資金が流れ続けることになるでしょう。

これは政治主導で解決すべき最優先課題です。

【リンク】

なし

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