ソフトバンクがイー・アクセス買収

国内携帯電話3位のソフトバンクは1日、同4位のイー・アクセスを買収すると発表した。株式交換方式で全株式を取得し、来年2月末に完全子会社化する。買収額は1800億円超になる見通し。買収後は携帯電話契約数で2位のKDDiに迫り、首位のNTTドコモを追撃する。
(日本経済新聞2012年10月2日3面)

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「ソフトバンクは株式交換に向けて新株発行を予定。イー・アクセスの普通株式を1株当たり先週末終値比3倍強の5万2000円と算定し、イー・アクセス1株に対しソフトバンク株16.74株を割り当てる。イー・アクセスは2月25日付で上場廃止になる予定」(前掲紙)

株式交換の日程は次の通りです。

2012年9月28日 取締役会承認決議(ソフトバンク)
2012年10月1日 取締役会承認決議(イー・アクセス)
2012年10月1日 本件契約締結(ソフトバンク、イー・アクセス)
2013年2月22日(予定) 最終売買日(イー・アクセス)
2013年2月25日(予定) (イー・アクセス)
2013年2月28日(予定) 本件株式交換の効力発生日

本株式交換は、ソフトバンクについては簡易株式交換の手続により同社の株主総会の承認を受けないで行われる予定です(イー・アクセスについては2013年1月に開催される臨時株主総会の承認を要します)。

本件交換比率は、イー・アクセスの普通株式の評価額を 1 株 52,000 円とし、これを契約締結日前日までの 3 ヶ月間の株式会社東京証券取引所におけるソフトバンクの 普通株式の普通取引の終値の平均値(1 円未満の端数はこれを切り上げるものとする。) である 1 株 3,108 円(以下「本件基準価格」)で除した数である 16.74(以下「本件交 換比率」)として決定されたものです。

但し、本契約締結日後の 10 取引日間の株式 会社東京証券取引所におけるソフトバンクの普通株式の普通取引の終値の平均値(以下「公表後基準価格」)が、本件基準価格 の 85%未満である場合には、本件交換比率は、52,000 円を公表後基準価格で除した数 に調整されます。これは株式交換により、ソフトバンク株式が大きく希薄化した場合、この影響を交換比率に織り込むことを目的としています。

ソフトバンクの財務アドバイザーである、みずほ証券(フェアネス・オピニオン取得)とプルータス・コンサルティングの株式交換比率の算定結果は、次のとおりです。

みずほ証券

採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価法 4.72~5.27
類似会社比較法 2.57~6.65
DCF法 15.55~22.71

プルータス・コンサルティング

採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価法 4.583~5.335
類似会社比較法 2.728~6.134
DCF法 13.502~19.072

またイー・アクセスの財務アドバイザーである、ゴールドマン・サックス(フェアネス・オピニオン取得)の株式交換比率の算定結果は、次のとおりです。

採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価分析 3.92~7.07
類似会社比較法 0.22~16.87
DCF法(永久成長率法) 6.42~15.60
DCF法(マルチプル法) 7.10~18.01

イー・アクセスは、UBS証券からもフェアネス・オピニオンを取得しています。

【リンク】

2012年10月1日「ソフトバンク株式会社による株式交換を通じてのイー・アクセス株式会社の完全子会社化に関するお知らせ兼ソフトバンクモバイル株式会社とイー・アクセス株式会社の業務提携のお知らせ」ソフトバンク株式会社 イー・アクセス株式会社 [PDF]