資本業務提携の行方ーソニー/オリンパス

10月下旬の夕刻、東京都八王子市にあるオリンパスの医療機器部門の研究所。門から出てきた社員は記者にこう話した。
「ソニーと組んだのは良いことだったかどうか」。
長年の粉飾決算で上場廃止寸前まで追い詰められたオリンパスから今、こんな声が漏れるのはなぜなのか。
(日本経済新聞2012年10月30日2面)

【CFOならこう読む】

「「本来は自社単独で財務体質を回復すべきだ。ソニーから出資を受けるにしても最小限でいい」。内視鏡の技術者出身としては異例の社長として4月に就任した笹宏行や会長の木本奉行らオリンパス経営陣は9月末に決着したソニーとの資本業務提携の交渉でも、決着直前まで強気だった。笹は一貫して「経営の独立性が最も重要」と言い続け、医療機器事業への他社の干渉を避ける方策を探った。」(前掲紙)

オリンパスの粉飾は、経営陣の自己保身を端緒としています。笹氏の言動から透けて見えるのも、いかにシナジーを実現し価値を創造するかということではなく、自分の城を守ること、すなわち自己保身でしかありません。

こういう会社と資本業務提携で組んでもなかなか成果を出すのは大変だと思います。

ソニーとしては、テルモの提案のように経営統合で行くか、内視鏡事業全体をソニーが買収するという方向性で行くべきだったのではないでしょうか?

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