知的財産の保護、退職後の秘密保持課題

主要企業の35%が技術情報など営業秘密の漏洩もしくはその疑いがあることが、日本経済新聞社が12日まとめた企業法務調査で分かった。今後の知的財産の防衛策として「訴訟など法的措置」が43%を占めた。新日鉄住金が鋼板技術を盗まれたとして韓国ポスコを訴えるなど、アジア勢との競争激化を受けて知財を巡る攻防が激しくなりそうだ。
(日本経済新聞2012年12月13日1面)

【CFOならこう読む】

「営業秘密漏洩の主な原因と考えられるのは、国内の退職者だ。1990年代半ば以降、企業リストラを通じてアジア企業への知財流出が進んだとみられるが、日本の対策は手ぬるい。経済産業省の調査では、退職後を対象にした秘密保持契約を従業員と結んでいる製造業は大手で6割、中小で2割にとどまる。」(日本経済新聞2012年12月13日11面)

終身雇用と自社への忠誠心が確固たるものであった時代には、従業員と秘密保持契約を締結することなど考えなくて良かったのでしょう。しかしもはや日本型経営の屋台骨を支えてきた終身雇用や年功序列といった制度を維持することは不可能です。時代が明らかに変遷しているにも関わらず、旧い時代に踏襲されてきたシステムを今もって維持していることから生じる綻びが日本のここそこに見られます。

新しい時代に合わせて、新たなシステムをゼロベースから組み立てることがすべての日本人に求められているのだと思います。

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