3メガ銀、株減損が縮小

三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガ銀行の2013年3月期の業績が従来予想を上回る見通しだ。保有銘柄の株価上昇で業績の足を引っ張る株式減損額が大幅に減ったのが主因。なかでも三井住友フィナンシャルグループは06年3月期の過去最高益をうかがう勢いだ。
(日本経済新聞2013年1月29日5ページ)

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日経平均株価は昨年9月末の9000円弱から12月末には1万円台を回復。シャープなどの電機や鉄鋼、電力など3メガ銀の保有株も上昇した。4~9月期に3メガ銀合わせて6000億円超だった株式の減損額は2500億円程度減った。

有価証券の減損処理は、年度末においては切放し法のみですが、四半期ベースでは四半期切放し法と四半期洗替え法の選択適用が認められています(継続適用を条件とします)。

「四半期会計期間末における有価証券の減損処理にあたっては、四半期切放し法と四半期洗替え法のいずれかの方法を選択適用することができる。この場合、いったん採 用した方法は、原則として継続して適用する必要がある。なお、年度決算では、四半 期洗替え法を採用して減損処理を行った場合には、当該評価損戻入れ後の帳簿価額と年度末の時価等を比較して減損処理の要否を判断することとなる。」
(企業会計基準適用指針第 14 号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」第4項)

従って、洗替え法を採用している場合には、仮に第一四半期末に減損処理を行っていても年度末までに株価が回復している場合には通期では評価損が計上されません。

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