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バフェットからの手紙2012年度ー配当に否定的な理由 その2

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ウォーレン・バフェット氏が毎年恒例のの「手紙」を公表した。自らが経営トップを務める投資会社のバークシャー・ハザウェイの株主にあてたものだ株主以外も熟読する「バフェットからの手紙」を読み解こう。
(日経ヴェリタス2013年3月10日56ページ)

【CFOならこう読む】

昨日の続きです。

バフェットは手紙の中で、配当よりも部分売却方式が優れている理由を次のように説明しています。

「Aside from the favorable math, there are two further – and important – arguments for a sell-off policy. First, dividends impose a specific cash-out policy upon all shareholders. If, say, 40% of earnings is the policy, those who wish 30% or 50% will be thwarted. Our 600,000 shareholders cover the waterfront in their desires for cash. It is safe to say, however, that a great many of them – perhaps even most of them – are in a net-savings mode and logically should prefer no payment at all.

The sell-off alternative, on the other hand, lets each shareholder make his own choice between cash receipts and capital build-up. One shareholder can elect to cash out, say, 60% of annual earnings while other shareholders elect 20% or nothing at all. Of course, a shareholder in our dividend-paying scenario could turn around and use his dividends to purchase more shares. But he would take a beating in doing so: He would both incur taxes and also pay a 25% premium to get his dividend reinvested. (Keep remembering, open-market purchases of the stock take place at 125% of book value.)

The second disadvantage of the dividend approach is of equal importance: The tax consequences for all taxpaying shareholders are inferior – usually far inferior – to those under the sell-off program. Under the dividend program, all of the cash received by shareholders each year is taxed whereas the sell-off program results in tax on only the gain portion of the cash receipts.」(リンクのPDFの20頁-21頁)

要するに、

●配当の場合、特定の株主還元政策を強制することになるのに対し、部分売却方式であれば、個人のニーズに合わせ、自由に現金化することができる
●課税上、配当の場合受取額全部が課税所得になるのに対し、部分売却方式であれば、取得原価を差し引いた後のキャピタルゲインに対してのみ課税が生じる

という2つの理由から配当よりも部分売却方式の方が優れていると言っているのです。

但し、バフェットの言っていることを額面通り受け取ることはできません。バフェットの言う部分売却方式は、コーポレートファイナンスでは「自家製配当」と呼ばれています。そしてには株式売却には、取引コストや最低取引単位が存在するので、「自家製配当」を作り出すのは困難であるとされているのです。

バフェットのように大量の株式を保有していれば、取引コストや最低取引単位は問題にならないのかもしれませんが、一般投資家には大問題となり得るのです。

余談ですが、今回の手紙の中で、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」と「証券分析」の次に、投資家が読むべき本として、「フィッシャーの「超」成長株投資」をあげています。

【リンク】

「Berkshire’s Corporate Performance vs. the S&P 500」 [PDF]

 

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