中小企業の成長に外部投資家の関与重要

みずほ総合研究所は中小企業の真の成長には、外部投資家によるエクイティ性資金の供給が重要だと指摘した。現在の中小・零細企業の収益性低下の主因は売上高の減少。加えて技術革新を促す点で重要とされる起業活動の水準が低い。金融面から見ても、金融機関に中小企業の経営改善を主導できるだけの経営資源が乏しいうえに、エンジェルなどエクイティ投資家の層も薄いという。
(日経ヴェリタス2013年3月17日48ページ)

【CFOならこう読む】

「既存事業の立て直しであれ、新規事業への進出であれ、「カネ」も「クチ」も出す外部投資家の貢献が欠かせないと見る。」(前掲紙)

以前にも書きましたが、個人商店の開業やフリーランスとIPOを志向する研究開発型のベンチャー企業を一緒くたにするのは間違っています。前者に「カネ」も「クチ」も出す外部投資家なんて必要ありません。一方後者に対するベンチャー投資額(特にアーリーステージまでの段階での)が日本はスペインやイタリア並に低いことは大問題です。

「中小企業の成長に向けた金融戦略 エクイティ資金をめぐる期待と課題」より

「中小企業の成長に向けた金融戦略 エクイティ資金をめぐる期待と課題」より

みずほ総研のレポートにもあるように資金の出し手の問題もありますが、それ以上に資金を必要とするようなベンチャー企業が少ないことが問題なのだと思います。

国籍を問わず、多くのベンチャー企業家が起業の場所として日本を選択してもらえるように徹底してインフラ整備を行う必要があります。

また日本で研究開発型の企業が上場すれば、高いバリューがつけられるように証券市場も努力する必要があります。大企業はベンチャー企業の技術を活かすべく目を光らせ、M&Aの受け皿となる必要があります。

そうしているうちに成功事例が積み上がって多くの企業家が後に続くようになるのだと思います。

【リンク】

2013年3月13日「中小企業の成長に向けた金融戦略 エクイティ資金をめぐる期待と課題」みずほ総合研究所 [PDF]