アイ・アール ジャパン 株主割当増資を発表

16日、株主関連業務を手掛けるアイ・アール ジャパンの第1回新株予約権のジャスダック市場への上場が、大阪証券取引所から承認されたと発表した。
(日本経済新聞2013年4月17日15ページ)

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アイ・アール ジャパンは、コミットメント型ライツ・オファリングを行うことを発表しています。

コミットメント型ライツ・オファリングとは、新株予約権を発行会社以外の全ての株主 に対し、保有する発行会社株式の数に応じて無償で割り当て、かつその新株予約権が上場され市 場で売買できるなど既存株主に対して配慮された資本調達手法であり、発行会社が証券会社との 間で引受契約(コミットメント契約)を締結することで、発行会社の資金調達額をコミットする資金調達手法です。

会社は資金調達の目的を次のように説明しています。

「当社は平成 24 年4月に証券代行事業への約 40 年ぶりとなる新規参入を果たしました。株 券電子化のメリットを活用した新しいサービスの提供や価格設定が奏功し、参入後1年間 で上場企業7社から証券代行業務の委託をご決定いただいた他、複数の企業からも当社へ の証券代行業務の委託を前向きに検討するとのお声をいただいており、当社の参入の意義とともに当社の競争力について、自信を深めております。今後更に証券代行事業を伸張さ せ、中長期的な受託シェアを拡大していくためには、株主数 4,000 万名まで取扱可能なシ ステム整備が必要と考えております。現行の総合株主データベースシステムは十分に稼働 しておりますが、このような状況に鑑み、今後の受託社数の増加に備えて取扱可能株主数 の拡張のためのシステム開発に踏み切ることとしました。
開発原資として手元資金及び銀行借入その他の資金調達手段を検討しましたが、当社は第 一種金融商品取引業者であることから金融商品取引法上の自己資本規制比率の規制を受け ており、かかる観点からは、設備投資に伴う総資産の増加に応じた、自己資本の増強も必 要となります。
そこで、自己資本の増強に向けてコミットメント型ライツ・オファリング(上場型新株予 約権の無償割当て)による資金調達を実施することとなりました。」

当スキームにより会社は942百万円を調達します。

【リンク】

2013年4月12日「コミットメント型ライツ・オファリング( 上場型新株予約権の無償割当て) に関するお知らせ」株式会社アイ・アールジャパン [PDF]

2013年4月16日「コミットメント型ライツ・オファリングにより発行される当社第1 回新株予約権の上場日等に関するお知らせ」株式会社アイ・アールジャパン [PDF]