トヨタ、3000億円規模のカイゼン効果

トヨタ自動車の2014年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が1兆8000億円と前期比36%増え、過去最高だった08年3月期の約8割の水準まで回復する。背景にあるのが継続的に生産コストを削減する「カイゼン」効果だ。
(日本経済新聞2013年5月9日3ページ)

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「体質強化の原動力はお家芸のカイゼンだ。金融危機が直撃した09年3月期に4600億円強の連結営業赤字に転落したのを受け、抜本的なコスト削減策に着手した。」(前掲紙)

カイゼンの具体的な内容は生産ラインの短縮と、調達コストの削減効果です。ラインの長さを半分にすることで、ラインに必要な設備や人員が減らし、固定費が絞りこまれ、部品数の削減と部品メーカーに毎年3%程度の値下げを要請することで変動費を削減するということです。

「北米、欧州から新興国と急速に戦線を拡大した結果、08年当時、利益を出すのに必要な採算ラインである「損益分岐点台数」は「800万台をはるかに超えていた」(幹部)。だが、年平均で3000億円規模のカイゼン効果により、損益分岐点は大きく下がり、極端な円高にならない限り「700万台程度でも黒字を出せる体質になった」(同社役員)」(前掲紙)

損益分岐点が下がったというより、損益分岐点を700万台まで引き下げるために、固定費及び変動費の削減目標を掲げ、これを「執念」で達成したということです。

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