西武TOB

米投資会社サーベラス・グループが、経営方針の変更を求めて西武ホールディングスに対し、今月末をメドにTOBを実施している。6月に開かれる西武の株主総会に向けては、筆頭株主として同社の推す8人の取締役の選任も要求している。TOBや株主提案の狙いを、来日したサーベラス・グローバル・インベストメンツのダン・クエール会長に聞いた。
(日経ヴェリタス2013年5月26日53ページ)

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「「我々サーベラスは一貫して西武経営陣に『話し合いの場を持ちたい』と言ってきた。条件を付けない対話は望むところだ。我々は西武の最大株主であり、2005年から2006年にかけて救済のために投資を依頼された経緯がある。総額1100億円と少なからぬ額の投資をしている。それだけに、昨年から西武側が話し合いを拒絶していることに困惑している。それは日本らしくないやり方だ。安倍晋三首相が掲げるアベノミクスの3本目の矢の成長戦略は、透明性、開放性、外国投資歓迎が柱になると理解しているが、西武の態度とはつじつまが合わない」」(前掲紙)

TOBは株主に経営権の異動を委ねるという意味で、フェアで透明な手法であるはずです。

しかし株主の多数が現経営者によって選ばれた者で構成されている場合には、TOBはうまく機能しません。西武の大株主に名を連ねる金融機関や事業会社のほとんどはTOBに応募しない見通しですが、その経済合理性はどこにあるのでしょうか? 大株主は、自らの株主に対し説明責任を負っていると私は思います。

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