TOBによる買収の不可能性

米投資会社サーベラスは17日都内で、西武ホールディングス(HD)に対するTOBの終了後
初めて記者会見した。
(日本経済新聞2013年6月18日11ページ )

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「同社の西武HD株の持株比率はTOBを経て35.48%になったが、買い取り上限である44%に届かなかった。「西武HD株主からの問い合わせの中には『(サーベラス主導の改革で)企業価値が向上するなら株式を持ち続ける』と当社に期待する声もあった」(サーベラス鈴木社長)という。」(前掲紙)

サンフォード・グロスマンとオリバー・ハートが1980年に発表した、「TOBによる敵対的買収の不可能性」という有名な論文があります。

この論文は、敵対的買収者の見通しが正しければ、その会社の株価は将来必ずそれ以上に上がることになるので、買収を仕掛けられた会社の株主はTOBに応じないのが合理的、と論じています。

この理論に従えば、サーベラスのTOBに応じなかった株主が必ずしも現経営陣支持というわけではないので、今後の動向はまだまだ不透明ということになります。

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