大型増資後、株価底堅く

企業が新たに株式を発行して資金を調達する増資が相次いでいる。特に7月に入ってからは有力企業による1000億円規模の大型発行が目立つ。株式市場の環境好転に加え、今後の成長投資への資金需要が高まってきたためだ。これまでは「増資発表=売り」という反応が一般的だったが、成長戦略への評価を得た企業は株価が底堅く推移しているのも特徴だ。
(日本経済新聞2013年7月24日19ページ)

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最近の主な増資銘柄は次の通りです。

銘柄 発表日 調達額(億円) 発表翌日の株価騰落率
イオンモール 6月3日 507 ▲0.4%
インターネットイニシアティブ 7月2日 172 ▲8.9%
電通 7月3日 1218 ▲9.2%
大和ハウス工業 7月5日 1375 ▲9.4%
オリンパス 7月8日 1126 ▲5.4%

「背景のひとつが中長期でみた株式相場の先高観の強さだ。参院選後を見越して政府が積極的な経済政策に踏み切るとの期待や、国内企業の収益がさらに上向くとの見方を投資家は持っている。多少の大型増資でも需給が崩れない要因になっている。」(前掲紙)

エクイティシナリオが評価されているという面もあるのでしょう。

しかし、エクイティファイナンスが適正株価で行われる限り、株主価値には無差別なはずです。株価が下がること自体、調達した資金が成長につながるような投資に向けられないという疑念が、投資家の間に少なからず存在する証といえます。

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