花王、カネボウを吸収

花王は8日、子会社のカネボウ化粧品と研究・生産部門を統合すると発表した。カネボウの美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑」被害が出た問題を受け、経営に深く踏み込む必要があると判断した。販売部門も一体化し、カネボウはブランドの戦略立案などを担うマーケティング会社になる。本格参入から半世紀以上続く化粧品の名門「カネボウ」は事実上、花王に吸収される。
(日本経済新聞2013年10月9日1ページ)

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「買収して7年たつにもかかわらず、花王はつい最近まで、公式の場でカネボウを「グループ入りしていただいた」と表現してきた。2003年に合意していた統合が、労働組合の反発などでいったん破談となった経緯や、化粧品だけに限るとカネボウの事業規模が大きかったことなどが背景にある。社長を送り込んだのも12年になってから。「独立性を尊重し、組織やマネジメントまで踏み込めなかった」(花王の青木秀子・品質保証本部長)。」(日経産業新聞2013年10月9日1ページ)

カネボウへの配慮から、花王とカネボウの連携は、物流拠点の統合や原料の共同調達にとどまっていたということです。経営統合のストラクチャー次第では、白斑問題が起きなかったかもしれません。

一般に、合併すると、簿外債務や偶発債務を引き受けることになるが、親子関係であればこういったリスクを限定することができると言われることがありますが、親会社の責任は法的責任の範囲を超える場合があることを知った上でグループ形態を決定する必要があります。

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