買収のプレッシャー

ドイツ銀行の資産運用部門で最高投資責任者を務めるアソカ・ヴァマン氏も、先週東京を訪れた一人。「夏以降、日本株を買い増している。日経平均株価は5年後、2倍になっていると思う」と強気だ。
理由の一つが、夏から市場で静かに進行している異常現象だ。長期の基準金利、国債10年物の利回りが実質マイナスに転じている。
(日本経済新聞2013年10月29日17ページ 一目均衡)

【CFOならこう読む】

「ヴァマン氏の読みはこうだ。「経営者は資金を眠らせておくのではなく、設備投資や企業買収に有効活用する圧力にさらされる。家計も大量の預金を目減りから守るために、株式などのリスク資産に移すだろう」。どちらのシナリオも、株高という結論に向かう。」(前掲紙)

資金を有効な投資に回せないのであれば、投資家は増配・自社株買いといった株主還元を求めることになるでしょう。これも余剰資金が株価に反映されていない銘柄については株高に向かうと考えられます。

そして、十分な施策を講じず株価が割安なまま放置されてるなら、そういった企業は買収リスクにさらされることになります。

これが資本市場の規律です。
わが国の問題の一つはこの資本市場の規律が十分に効かない仕組みになっているところにあります。

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