繰越欠損金の利用制限検討

政府・与党は、企業がある決算期の赤字を翌期以降の黒字と相殺できる繰越控除制度の縮小を検討する。現行では9年の繰越期間を短縮したり、相殺できる黒字に一定の制限を設けたりする案が浮上。企業が出資先の子会社などから受け取る配当への課税強化も検討する。安倍晋三首相が意欲を示す法人税の実効税率引き下げにあわせ、課税ベース(範囲)を広げて財源を確保する狙いだ。
(日本経済新聞2014年2月4日1ページ )

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「財務省によると、実効税率を1%下げると4700億円の税収減が生じる。首相は減税規模に見合う当面の財源確保にはこだわらない考えを示しているが、財政健全化を重視する自民税調などには代替財源を求める意見が強まってきた。
具体策の1つが、欠損金の繰越控除制度の縮小だ。課税の対象になる所得を減らせるため、企業の法人税負担を軽くしている。」(前掲紙)

実効税率の引き下げは、何のため。諸外国との企業の誘致競争に勝つためでしょう。
誘致したい企業はどんな企業。研究開発型の企業等、イノベーティブな企業だと思います。
こういった企業は投資先行型で収益獲得まで時間がかかることも少なくありません。
もし繰越欠損金の利用が制限されるなら、こういう企業は日本を選択しないでしょう。
実効税率引き下げの目的を阻害するような財源は財源となり得ません。

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