円のボラティリティ急低下
外国為替市場で、円相場が当面膠着するとの見方が強まっている。通過オプション取引で今後1ヵ月間の予想変動率(ボラティリティ)は約2ヵ月ぶりの水準まで低下した。
(日本経済新聞2012年4月18日15面)
【CFOならこう読む】
「円高修正が進んだ3月中旬にボラティリティは今年最高の10.85%まで上昇した」
(前掲紙)
現在は10%を下回る水準まで低下しています。ヘッジ取引を検討するには良いタイミングかもしれません。
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なし
外国為替市場で、円相場が当面膠着するとの見方が強まっている。通過オプション取引で今後1ヵ月間の予想変動率(ボラティリティ)は約2ヵ月ぶりの水準まで低下した。
(日本経済新聞2012年4月18日15面)
「円高修正が進んだ3月中旬にボラティリティは今年最高の10.85%まで上昇した」
(前掲紙)
現在は10%を下回る水準まで低下しています。ヘッジ取引を検討するには良いタイミングかもしれません。
なし
三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは、為替デリバティブで多額の損失を抱えた中小企業の資金繰り融資に乗り出す。金融庁の行政指導を受けた措置で、毎期計上する損失の穴埋め資金や、取引の途中解約の違約金に充てる資金を融資する。
(日本経済新聞2011年1月19日1面)
この為替デリバティブの多くは「クーポンスワップ」であると思われます。「クーポンスワップ」については、12月18日のエントリーでもお話ししました(2010年12月18日「クーポンスワップの会計処理」)。
為替レートが円ドルレートが120円程度のときに、5年から7年程度の長期のクーポンスワップ契約を取り組むことにより、100円を下回るレートでその期間に予定される輸入取引の為替レートを固定化することができたので、ヘッジ目的で多くの企業が利用していました。
ヘッジは将来の変動性を排除するという趣旨から行われるわけですが、固定化した為替レートよりも円高が進めば円高メリットを享受できなくなるという意味で損失を被ることになります。
私の感覚では、多くの経営者がそういった商品特性を理解した上で、100円よりも円高が進むことはないだろうという相場観のもと取引に応じていたように思います。
一方、契約直後の為替レートが有利になることを強調し、かなり荒っぽい売り方をしていた金融機関もあったように思います。
私が顧問をしている会社でも、リスクをよく理解しないまま「クーポンスワップ」の契約をしていた会社があり、私から商品特性をよく説明したうえで解約を決めたケースもありました。
しかし、
「金融庁の行政指導を受けた措置で、毎期計上する損失の穴埋め資金や、取引の途中解約の違約金に充てる資金を融資する」(前掲紙)
というのはいかがなものかと思います。
金融庁がやるべきことは、「販売時にリスクや商品の仕組みの説明を十分に尽くしていなかった」かどうかについて徹底的に調査することで、そこをあやふやにしたまま安易に行政指導を行うのは問題があります。
上述したように、非常に甘い相場観のもと、得だと思って「クーポンスワップ」に手を出した会社も少なからずあったわけで、その結果会社が傾いたとしても自業自得だし、そのような会社に金融機関が資金を融資するべきでもありません。
誤解して頂きたくないのですが、私は金融機関に全く責任がないと言っているのではありません。問題の根幹にふたをして、責任の所在を明らかにしないまま、安易に行政指導に走るのは望ましくないと言っているのです。
なし
コナカやニッセンホールディングスなど輸入商材を国内販売する小売企業で、長期の為替予約を取りやめる動きが相次いでいる。収益押し上げを狙った
デリバティブ取引が想定外の円高で多額の損失を出したためだ。経済環境の激変で為替相場は大きく振れやすく、今後は自らの販売戦略も見据えた為替リスクの管理体制が必要になりそうだ。
(日本経済新聞2010年12月17日1面)
「損失を広げたのは「クーポンスワップ」と呼ぶデリバティブ取引だ。企業と金融機関がそれぞれ扱う通貨を交換する通貨スワップの一種で、元本ではなく利息部分(クーポン)を交換する。企業は毎年、固定レートで円とドルを交換できる。通常の予約より契約直後の為替レートが有利になる性質があり、短期的な損益押し上げ効果が大きい。一方、金融機関は長期にわたって手数料を受け取れる。双方の思惑が一致し、将来の円安進行が予定された2003年~2007年ごろに販売が増えた」(前掲紙)
為替レートが120円程度のときに、5年から7年程度の長期のクーポンスワップ契約を取り組むことにより、100円を下回るレートでその期間に予定される輸入取引の為替レートを固定化することができたので、ヘッジ目的で多くの企業が利用していました。
記事に書かれている多額の損失とは、固定化した為替レートよりも円高に進んだことにより生じたもので、その意味ではどのようなヘッジからも生じ得るもので、特に小売企業が投機的な取引に手を染めたから発生したわけではありません。
しかしクーポンスワップのような長期のヘッジ手段は、現代のように短期間で経営環境が大きく変化する時代には好ましくないということは今日の記事の教訓として肝に銘じるべきでしょう。
なし
株価指数オプション市場でプットオプション(売る権利)の建玉が増加している。日経平均オプションでみると権利行使価格で6000円台での増加が鮮明で、この水準が下値のメドとして意識されつつあるようだ。投資心理を映すボラティリティー指数も上昇傾向。年度末を控えて、市場参加者は先行き警戒感を強めている。
(日経ヴェリタス2009年1月18日24面)
日経平均プットオプション 3月12日が最終売買日の日経平均3月物建玉(1/16時点)
権利行使価格6500円 1万3034枚(前週末比17%増加)
権利行使価格6000円 1万1835枚(前週末比20%増加)
3月末を控えヘッジ目的による機関投資家の買いが入っているものと思われます。但し、ボラティリティも1/16時点で53.3%(前週末比8.8%増加)と高い水準にあり、ヘッジのコストも割高になっています。
なし
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