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ソフトバンク、自社株買い119億円

ソフトバンクは28日、取得総額119億円を上限とする自社株取得枠を設定すると発表した。KDDIが米アップルのスマートフォン「iPhone」を発表すると22日に報じられたのを受け株価が急落しており、株主への利益配分を増やし株価のてこ入れを狙う。
(日本経済新聞2011年9月29日17面)

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ソフトバンクの株価が急落しています。

自社株取得枠設定の概要は次の通りです。

(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得する株式の総数 8,000,000株(上限)
(3)株式の取得価額の総額 119億円(上限)
(4)取得方法 信託方式による市場買付
(5)取得期間 2011年10月3日~2012年9月30日

「今月上旬に400万株の自社株買いを実施しており、今回は改めて自社株買いができる限度いっぱいの取得枠を設定した」(前掲紙)

【リンク】

2011年9月28日「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」ソフトバンク株式会社

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自己株の任意売却による100%親会社の変更 – アビバのケース

スリープログループは31日、連結子会社で資格取得支援事業を手がけるアビバの株式をリンクアンドモチベーションに譲渡することでリンク側と合意したと
発表した。譲渡額は9億8千万円。
(日本経済新聞2011年8月31日7面)

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「アビバは6月、スリープロへの貸付金の返済が滞ったことを理由に自社株を売却。スリープロはこの株式売却が無効だとしてアビバ、リンクと協議していた」(前掲紙)。

本件の経緯について、スリープロのプレスリリースより抜粋します。

「当社は、従来から、連結子会社である株式会社アビバより、グループ間の資金の有効活用の為、借入を行っており、当連結会計年度に入り、アビバの要請に基づき、同借入債務を担保するため、 当社保有のアビバ株式にアビバを質権者とする質権設定契約を締結しておりました。
このような状況の中、リンクアンドモチベーションより、平成 23 年 6 月 11 日付でアビバの全 株式を取得し、子会社化した旨が公表されました。
また、アビバより、同株式について質権を実行し同株式をリンクアンドモチベーションに任意 売却した旨の質権実行通知書が平成 23 年 6 月 13 日付で送付されてきておりました。
当社としては、質権設定契約に定められた質権実行事由が存在せず、上記の質権実行は無効で あり、依然として当社がアビバの一人株主であるとの認識のもと、当社はアビバ及びリンクアンドモチベーションに対し、アビバ株式の帰属に関し、法的措置も検討し協議を進めて参りました。

その後、当社は、平成 23 年6月 30 日付で当社平成 23 年 10 月期第2四半期報告書提出後、交 渉を長期化させることによる、双方の企業価値の毀損等を避けるため、また、早期の解決による 本業への経営資源の集中、費用の削減等の必要性を総合的に勘案した結果、和解協議を行うこと が合理的であると判断し、アビバ及びリンクアンドモチベーションとの間で、平成 23 年 8 月 30 日、当社保有のアビバ株式について、上記アビバによる質権実行により、リンクアンドモチベー ションが取得するに至ったことを共通の理解とする旨の合意に至りました。

かかる合意により、当社、アビバ及びリンクアンドモチベーションは、アビバによる質権実行 に伴いリンクアンドモチベーションがアビバの全株式を平成 23 年6月 11 日付で取得したことを 確認いたしました」
2011年8月31日「子会社株式(株式会社アビバ)の異動、特別利益の発生について及び通期業績予想の修正に 関するお知らせ」スリープログループ株式会社 [PDF]

つまりアビバは質権実行により自己株を任意売却し、貸付金の返済に充てたということです。
質権実行事由が存在したか否かで認識の相違があったが、スリープロとしては任意売却を認めたということです。

100%の親会社の変更のスキームとして使えるかもしれません。

【リンク】

2011年8月31日「子会社株式(株式会社アビバ)の異動、特別利益の発生について及び通期業績予想の修正に 関するお知らせ」スリープログループ株式会社 [PDF]

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自社株買い、日米高水準

日米の上場企業が自社株買いを増やしている。2011年上期は、日本が前年同期比2.3倍の7997億、米国が76%増の2916億ドル(約23兆円)と、半期ベースで2008年9月のリーマン・ショック後の最高となった。金融危機後、現金を積み上げ「守り」の姿勢を取っていた日米企業だが、余剰資金を自社株買いに振り向け、株価の下支えや資本効率の向上を目指す。
(日本経済新聞2011年7月21日1面)

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「金融情報サービスのアイ・エヌ情報センターによると、上期の日本企業の自社株取得額は2008年下期(2兆1945億円)以来の水準。キヤノンが500億円、NTTドコモが200億円を取得した。ベネッセホールディングスは2012年3月までに100億円を上限に自社株買いを実施する予定」(前掲紙)

自社株買いよりも国内外へ積極投資に打って出るタイミングだと思うのですが・・・。

【リンク】

2011年5月25日「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ (会社法第 165 条第 2 項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」キヤノン株式会社 [PDF]

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伊藤園の優先株、実態以上の割安水準?

伊藤園が、議決権がない代わりに配当額が多い優先株を発行して3年あまり。普通株より高い配当利回りに着目した個人を中心に株主の裾野が広がるなど成果は出ている。だが認知度は上がらず売買の流動性も高くない。
(日経ヴェリタス2011年1月24日14面)

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昨年12月27日に、伊藤園は優先株の自社株買いと消却を行うことをリリースしました。その内容は次の通りです。

◯取得に関する条項

取得に関する株式の種類 当社第1種優先株式
取得し得る株式の総数 300,000株(上限)
取得価額の総額 350百万円(上限)
取得する期間 平成22年12月28日から平成23年2月22日まで

◯自己株式の消却について

消却する株式の種類 当社第1種優先株式
消却する株式の総数 900,000株(予定)
消却後の発行済株式総数 34,346,962株(予定)
消却予定日 平成23年3月31日

「自社株買いや金庫株消却は株価の買い材料になるはずだが、翌28日の優先株は992円で前日比12円高どまり。最初に優先株自社株買いを発表した2009年12月のときに翌日の優先株の株価が8.2%も上昇したのと比べると反応は鈍い」(前掲紙)

記事では実態以上に優先株が割安になっている可能性があると、次のような分析を行っています。

「普通株の株価は1400円で優先株は1014円(21日終値)。普通株の1株利益は約53円でPERは26.6倍。配当が10円多い優先株の1株利益は約63円になり、PERが普通株と同じと考えれば優先株の理論株価は1675円になる。つまり実際の株価との差(661円)が議決権に相当する部分と考えられる。議決権部分が普通株に占める割合は47%。上場直後はこの比率が12%だったので、結果的に優先株の経済価値部分が大きく目減りしたことになる」」(前掲紙)

日本企業の議決権の価値は外国企業に比べ相対的に高いという分析も存在しますが(2008年7月19日「無議決権株の価格」)、後に続く会社が出てこない現状では、議決権の客観的な価値評価を行うことは出来ません。

したがって、伊藤園の優先株の価格形成の妥当性は良くわからない、というのが今日の記事の結論です。

【リンク】

2010年12月27日「伊藤園の優先株、実態以上の割安水準?」株式会社伊藤園 [PDF]

カテゴリー: 資金調達 タグ: ,

株主不明株、信託で売却

住友信託銀行は、所在が分からない株主の株式を企業が処分しやすくする信託の取扱いを始める。第三者が資産管理する信託の仕組みを使って、インサイダー取引規制などに抵触せずに円滑に株式を売却できるようにする。第1弾として旭化成と契約し、近く株式の市場売却を始める。
(日本経済新聞2010年11月29日5面)

【CFOならこう読む】

今日は備忘記録です。

「株式は信託を通じて売却されるため、インサイダー取引規制には抵触せず、短期間で大量売却を迫られる恐れもなくなる」(前掲紙)

旭化成の場合、これにより株式管理費用が2000万円節約されるということです。

【リンク】

なし

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ベンチャーキャピタル(VC)の出口

ベンチャー企業が株式上場を軸にした成長戦略を見直している。上場しても十分な成長資金を調達できず、上場維持にも多額の費用がかかるためだ。VCなど上場を迫る株主から買い取って経営の自由度を高め、大企業との連携強化などで成長を目指す。ベンチャーの非上場志向が強まれば、VCの経営にも影響しそうだ。
(日本経済新聞2010年11月24日11面)

【CFOならこう読む】

「成長資金の供給源だったVCからの「上場」要請は強まるばかり。VCは投資家から集めた資金を10年程度かけて運用する場合が多いが、2000年前後のベンチャーブーム時に設立されたファンドが相次ぎ償還期を迎え、資金回収を急いでいる。

上場はできず、償還期限を迎えたVCの保有株が知らない企業に渡るのも避けたい。一方、VCは「上場してくれ」と圧力をかけてくる。板挟みになったベンチャーがVCの保有株を別の企業に買ってもらうか、自社で買い取り、経営の自由度を高めるのは自然な流れといえる」(前掲紙)

上場を見送るのなら、方向性としては自社株買いか他社に買い取ってもらうかのいずれかになります。

今日の記事の中でいうと、九州大学発のバイオベンチャー、アキュメンバイオファーマは前者、株式をヤフーに売却した携帯電話向け広告のシリウステクノロジー、ジンガ傘下に入ったゲーム開発のウノウ(現ジンガジャパン)は後者を選択したということです。

【リンク】

なし

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自社株買い、増加基調

2010 年 11 月 4 日 コメント 1 件

上場企業の自社株買いが増加基調に転じている。取得額(普通株ベース)は今年9月に前年同月の2倍、10月は同10倍に膨らんだ。微増の8月を含め、3ヶ月連続で前年同月を超えたのは金融危機前の2007年12月~2008年2月以来、2年8ヶ月ぶり。キヤノンが10月までに約500億円分を買い入れたほか、KDDIや富士フィルムなど新たに取得枠を設ける動きも目立つ。
(日本経済新聞2010年11月4日3面)

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「自社株買いの枠を新たに設けた企業も、10月は67社と前年同月を上回った。KDDIは2010年4月~9月期決算とあわせ、発行済株式数の5%強、上限1,000億円で自社株買いを実施すると発表。「足元の株価は安い。『まだKDDIは伸びる』というメッセージを込めた」(小野寺正社長兼会長)」」

(前掲紙)

10月27日のポスト「自社株買い銘柄が堅調」でもお話ししましたが、シグナリング効果を意識してKDDIのようにトップが市場にメッセージを送ることが大切だと思います。

【リンク】

なし

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自社株買い銘柄が堅調

株式市場で自社株買いを発表した銘柄が人気化している。発表当日の株価はおおむね堅調で、自社株買いの規模の大きさと連動して株価上昇率も高い傾向がうかがえる。外国為替市場での円相場の高止まりが企業業績に与える影響や、米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要なイベントを見極めようとする雰囲気が広がる中で、数少ない好材料とみなされている。
(日本経済新聞2010年10月27日21面)

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10月に自社株買いを発表した主な企業の株価騰落率は次の通りです。(上限株数のカッコ内は発行済株式数(自社株を除く)に占める割合で単位%、
▲は下落)

社名 発表日 上限株数(万株) 発表の翌営業日株価騰落率(%)
KDDI 22日 23(5.2) 7.3
ユニオンツール 8日 60(2.7) 6.6
良品計画 8日 110(4.0) 5.8
富士エレクトロニクス 25日 150(9.8) 5.2
ポイント 4日 57(2.3) 4.9
ニトリHD 19日 100(1.8) 4.5
ドトール・日レスHD 13日 180(1.8) 4.5
リケンテクノス 25日 100(1.6) 4
ニッケ 8日 50(0.6) 3.3
中国銀行 22日 100(0.4) ▲0.9

(出所:前掲紙)

「自社株買いは株式市場で取引される株式数を減らし、需給を引き締める効果がある」(前掲紙)

短期的に株価が需給によって上下することは否定しませんが、中長期的にはファンダメンタルによって決まるものと考えるべきです。自社株買いが株価に影響を与える理由は一般に次のように説明されます。

■経営者が、株価が企業のファンダメンタルズ価値を下回っていることを確信していて、それを市場にアピールすることにより株価に影響を与える(シグナリング効果と呼ばれる)

■キャッシュが潤沢にあるが、当面資本コストを上回るような投資案件もない場合、株価形成上キャッシュの価値が無視される場合がある。このとき自社株買いまたは増配によりキャッシュを株主に還元することにより株価にキャッシュの価値を反映させることができる場合がある

■有利子負債により資金調達し、同時に自己株買いを実行し、WACCを引き下げることで、株主価値は上昇させる

CFOとしては需給引き締めのためではなく、株主還元策の一環として自社株買いを考える必要があります。

【リンク】

なし

(カテゴリー)
自社株取得

(リンク)
なし

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自社株買い、5半期ぶり増加(2010年4月~9月期)

株式相場の低迷などを受けて上場企業の自社株買いが膨らんできた。2010年度上期(4月~9月)の上場企業の自社株買いの実施額(普通株ベース)は2007年度下期以来、5半期ぶりに増加に転じた。低迷する株価にてこ入れの狙いがあるほか、業績改善で株主配分余力が増してきていることなどが背景にある。
(日本経済新聞2010年10月1日)

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今日は備忘記録です。

「4~8月は自社株買いの実施額が2990億円と前年同期を約1割下回って推移していた。ただ最近は、急激な円高の進行などで株式相場が軟調に推移。株価の低迷を受けて企業が自社株の取得枠を設定する動きが相次いだ。その結果、9月の実施額は815億円と前年同月の2.7倍に急増した」(前掲紙)

【リンク】

なし

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金庫株の放出3割減

企業が保有する金庫株の放出が増えている。2009年度(2月までの累計)に金庫株放出を表明した企業数は延べ140社と前年同期より3割弱増えた。設備投資資金の調達という成長戦略を描く必要がある一方、株式持ち合いに使う動きもある。株主配分として評価される自社株買いとは逆の動きで、需給悪化を懸念する声も出ている。
(日本経済新聞2010年3月10日19面)

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