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‘金利’ タグのついている投稿

良い金利上昇?

米長期金利が1.7%台後半と、5月以来約3ヵ月ぶりの水準をつけている。米経済指標の改善が続いていることで米景気への悲観的な見方が薄れ、安全資産である国債が売られリスク資産である株式などに資金が流れているためだ。日米の長期金利は水準こそ異なるものの連動しやすく、日本の長期金利も米金利と時を同じくして上昇に転じている。
(日本経済新聞2012年8月16日5面)

【CFOならこう読む】

右のチャートを見ると、日本の長期金利が上昇しているのがわかります。

「米景気の本格的な回復が鮮明になれば、日本経済の先行きにも好材料だ。日本国債を大量に保有している金融機関などが先行きの景気改善を見込み、金利低下の過程で生じた含み益を確定しようと国債の売却に動けば、日本の長期金利が米金利に伴ってさらに上昇する可能性もある」(前掲紙)

景気回復に基づく緩やかな金利上昇は、「良い金利上昇」であるというのが今日の記事
です。

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ドイツ国債「札割れ」・利回り上昇

財政悪化国の国債相場が軒並み大きく下げているユーロ圏で、ドイツ国債への投資意欲の低下が目立ち始めた。23日には入札で募集額に投資家の需要が届かない「札割れ」が発生。24日には独国債利回りが一時、2年半ぶりに英国債の利回りを上回った。財政が相対的に健全で安全資産とされてきたユーロ圏「最後の砦」の独国債の変調で、ユーロ圏に対する市場の不安心理が一段と強まっている。
(日本経済新聞2011年11月25日3面)

【CFOならこう読む】

「最上級の格付けを持つドイツ国債の入札が不調だったことを受けて、24日の国内債券市場では売りが優勢となった。日本国債の格下げ観測も浮上し、財政不安による「悪い金利上昇」に警戒が広がった。金融危機に備えて手元の流動性を確保するため、債券市場で益出しの売りが出始めているとの見方もある」(日本経済新聞2011年11月25日17面)

独国債下落が続くと、日本国債に資金が向かうとの観測もあり、予断を許しません。
来週の日本での10年債の入札が注目されます。

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日米独で長期金利低下

世界経済の減速懸念は、日米独の長期金利の低下要因にもなっている。5日の日本の債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが低下。一時約1週間ぶり
の低い水準である1.010%を付けた。
(日本経済新聞2011年9月6日4面)

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「「世界経済の失速に投資家の不安心理が強まった」(ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト)ため、日米独で投資家が株式を売って国債を買う動きが強まった」
(前掲紙)。

米10年債利回りは1.99%、独10年債の利回りも1.9%前後と過去最低となっています。

日米国債は格下げされたばかりだし、ドイツ国債も引き下げがウワサされる中、ここまで買われる理由はないように思うのですが・・・。

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長期金利が上昇、一時1.195%

6日の債権市場で長期金利指標となる新初10年物国債の利回りが一時、前週末比0.050%上昇(債券価格は下落)し、1.195%をつけた。約2ヶ月半ぶりの高水準。米景気の二番底懸念や追加の金融緩和観測が後退。小沢一郎前幹事長の民主党代表選出馬に絡んだ国内財政リスクの拡大も引き続き意識されている。
(日本経済新聞9月7日5面)

【CFOならこう読む】

「超長期債の売買で主に意識されているのは日本の財政リスク。小沢氏が首相になればマニフェストにのっとった政策がとられるとの見方が強い。国債が増発されるとの懸念から、短期売買目的で超長期債を買っていた銀行などが手じまい売りを膨らませている」

歳出入改革が不可避であるとのマーケットのメッセージのようにも思えます。CFOにとっては、長期金利上昇は資金調達コストのみならず、会計や事業価値評価に直結するところなので、とても気になるところです。

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長期金利1%直前

日本の長期金利の低下が止まらず、1%に接近してきた。指標である新発10年物国債利回りは3日、1.020%に低下(債券価格は上昇)し、連日で約7年ぶりの低水準を記録した。日本に加え、米欧もデフレに陥る懸念が浮上し、安全資産とされる国債に資金が流れ込んでいる。長期金利の低下は住宅ローン金利や企業向け貸出金利の引き下げにつながるが、景気の先行き不安から経済の刺激効果は限られそうだ。
(日本経済新聞2010年8月4日1面)

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今日は備忘記録です。

「金融危機後、米欧では家計や企業が過剰な負債を抱えて新たな需要が生まれにくくなっており、バブル崩壊後の日本型デフレに陥る懸念がくすぶり始めた。「日本型に歴史上で最も近づいている」(米セントルイス連銀のブラード総裁)との警戒感も出ている。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和を強化する」との観測が浮上するなど、債券が買われやすくなっている。
米国の10年債利回りは3%割れの水準が定着。ドイツの長期金利は一時よりも上昇しているが、東西ドイツ統一後の最低に近い水準だ」(前掲紙)

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日銀総裁、景気「自律回復の芽」

日銀の白川方明総裁は7日の金融政策決定会合後の記者会見で、景気について「自律回復の芽がいくつか見られる」と語り、「二番底の懸念がかなり薄れた」との認識を示した。景気・物価見通しを見直した1月時点と比べて「景気は明らかに良い方向に動いている」とも指摘。4月末に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で見通しを上方修正する意向も示した。
(日本経済新聞2010年4月8日3面)

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財政の規律が緩む中、インフレリスクを白川総裁がどのように考えているかが注目されますが、この点について記者会見で直接的には言及されなかったようです。

ただし金利リスクが銀行経営に及ぼす影響について次のように述べています。

「金利リスクが実際の銀行経営に影響を及ぼすような場合には銀行を取り巻く金融環境も相応に変化している。仮に長期金利の上昇が景気改善を反映したものである場合は、金利リスクが顕在化する一方で、貸出量の増加や貸し出しのりざや拡大が同時に起きる。したがって、金利リスクの評価は、金利リスクだけでなく、銀行経営全体に及ぼす影響を評価することが大事だ」(日本経済新聞2010年4月8日5面 日銀総裁会見の要旨)

要するに良い金利上昇であるかどうかを見極める必要性があると言っているのだと思います。

昨日の長期金利は(新発10年物国債利回りは前日比0.01%上昇し、1.405%でした。

「買いが先行したが、日銀が景気判断を先行させたことなどから次第に売りが優勢になった」(日本経済新聞2010年4月8日17面)

見極めはとても難しいと感じます。

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長期金利上昇

政府が郵便預金の預入限度額の引き上げを決めてから初めての取引となった31日の債券市場で、長期金利が上昇した。限度額引き上げを「財政規律の緩みにつながる」と判断した一部の外国人が売りを膨らませたことが背景だ。
(日本経済新聞2010年4月1日19面)

【CFOならこう読む】

”外国人、売り膨らむ”という見出しが目を引きます。

国債の現物市場で外国人にスポットが当たるということは、今まであまりなかっただけに気になります。

「米長期金利は低下し、国内株式市場も反落。本来ならば債券買いが膨らみやすい状況だった。その中で売りを主導したのは外国人投資家だ。「中期財政目標の作成などで改善に向かうと期待されていた日本の財政問題が再び悪化することへの警戒感は強い」(クレディ・アグリコル証券の加藤進氏)といい、長期金利の押し上げ要因として意識された」(前掲紙)

野口悠紀雄氏が、文芸春秋3月号の「ついに国債破綻が始まった」は、国債が国内だけで消化できなくなると、インフレと円安が大きく進む可能性を指摘していますが、今日のニュースから、遠からずそのような日が来るということをリアルに感じました。

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長期金利1.3%割れ

25日の債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債利回りが心理的な節目の1.3%を割り込んだ。終値は前日比0.020%低い1.295%。1.3%を下回るのは12月末以来、約2ヶ月ぶり。市場関係者の間には、日米の景気の先行き不透明感がじわり浸透。安全資産とされる国債に資金が流入している。
(日本経済新聞2010年2月26日4面)

【CFOならこう読む】

「日本経済は二番底のリスクは回避しつつあるが、景気の持ち直しの動きが鈍くなる可能性がある。先行きの不透明感から民間・個人向けの貸し出しが伸びない銀行勢が、国債に余剰資金を振り向ける構図が続き、金利低下を促している。
世界の金融・資本市場では、国債増発に伴う財政悪化で、金利上昇を警戒する声が強まっている。日本も巨額の長期債務を抱えているが、国内投資家層の資金で国債を消化できていることから、足元では金利上昇につながっていない」(前掲紙)

国債の消化が順調に進んでいる理由を、文芸春秋3月号の「ついに国債破綻が始まった」で、野口悠紀雄氏は、「民間の投資支出が激減したため」であるとした上で、設備の更新が進まなければ生産力が低下し、財政は今後ますます細ると述べています。

さらに国債を国内で消化できる状況はそう長く続かない可能性があることを次のように指摘しています。

「国際通貨基金(IMF) は、昨年7月に発表した「カントリー・レポート」のなかで、このままのペースで日本の政府債務が増え続ければ、2020年頃に国債を国内で消化しきれなくなると予測している。
10年後だと遠い先のような気がするかもしれない。しかし、これより速いペースで国内消化が行き詰まることは、十分にあリ得る」(前掲誌)

国内で消化できなくなったときに何が起こるか。
野口氏はインフレと円安である、と断言しています。

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10年債利回り1.340%に低下

長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.030%低い1.340%。米長期金利の低下や債券先物相場の上昇を受けて、買いが優勢だった。
(日本経済新聞社2009年11月14日19面)

【CFOならこう読む】

長期金利の動きが気になります。

「2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」のスタートなど財政健全化に向けた動きも出ていることで、上昇傾向にあった長期金利(新発10年物国債利回り)がここ数日急低下。」(前掲紙)

国債発行額が見えない現状では、今後の上昇リスクが消えてなくなったわけではないことに注意が必要です。

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長期金利上昇

長期金利が上昇を続けている。財務省が5日実施した新発10年物国債の入札は不調に終わり、10年債利回りは約3ヶ月ぶり高水準となる1.440%をつけた。背景のひとつは民主党新政権下での財政膨張への不安。予算編成の柱である新規国債発行について、政府内の方針がぐらついていることも金利上昇に拍車をかけている。
(日本経済新聞2009年11月6日3面)

【CFOならこう読む】

金利上昇リスクが高まってきました。
10月28日のエントリー(2009年10月28日「長期金利 2ヵ月半ぶり1.4%台」)で、良い金利上昇と悪い金利上昇の話をしましたが、今回の入札におけるテールの広がりは、

「最終的には肝心の歳出削減が暗礁に乗り上げ、国債発行にしわ寄せが来るのではないか」(前掲紙)

という市場の不安を裏づけています。

「テールは、入札参加者が希望する価格のばらつき具合を示し、入札の好不調の判断材料になる。今回のテールの拡大は、もっと安ければ(金利が高ければ買ってもいいと思う条件付きの投資家が多かったことを映す。」(前掲紙)

CFOとしては、長期金利上昇リスクを十分考慮したうえで、資金調達のタイミング及びヘッジ方針を決定することが肝要です。

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カテゴリー: 資金調達 タグ: