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デル、MBOで非上場 その2

11日のダウ工業株30種平均は5日連続で過去最高値となったが、浮かれたムードはない。むしろ市場では「経営者」と「株主」の対立による緊張が高まりを見せる。震源は米IT(情報技術)大手のデルだ。2月初旬に創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と米投資ファンドが共同で買収し、株式を非公開化すると発表。買収総額が約244億ドル巨額だったことが話題を呼んだが、話はこれで終わらなかった。
(日本経済新聞夕刊2013年3月12日3ページ)

【CFOならこう読む】

2月7日のエントリー「デル、MBOで非上場」の続報です。

「新たに登場したのが米国を代表する「物言う株主(アクティビスト)」のカール・アイカーン氏。3月に入って、まとまったデル株の投資を始めたことが判明。デルCEOが主導する株式の非公開化が株主から承認されなかった場合、株主に対して直ちに特別配当をするように要求した。」(前掲紙)

カール・アイカーン氏は株式非公開化の代わりにレバレッジド・リキャピタリゼーション(負債による資本再構成)と1株当たり9ドルの配当支払いを求めているとのことです。

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デル、MBOで非上場

米IT大手デルが大きな賭けに踏み出した。創業者でもあるマイケル・デル最高経営責任者と投資ファンドが組んだ総額244億ドル(約2兆2700億円)のMBOで株式を非公開にする。デル氏に権限を集中させ、事業構造の柱をパソコンから法人向けやITサービスに転換する狙いだが、市場から十分な資金調達できなくなる可能性もはらむ。
(日本経済新聞2013年2月7日7ページ)

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「デルは投資ファンドやマイクロソフトから資金を借り入れるなどしてMBOを実施する。「構造改革には時間も投資も忍耐も必要だ。長期的に支援してくれるパートナーと組むことが良いと信じている」。デル氏は5日、全世界の従業員にメッセージを送った。この発言から浮かび上がるのは、非公開会社にすることで、投資家への情報開示に縛られずに長期的な視点で構造改革を進める姿勢だ。」(前掲紙)

買収価格は1株当たり13.65ドル。この価格は、案件が公表された1月11日の株価10.88ドルに対し25%のプレミアム、1月11日までの90日間の平均株価に対し37%のプレミアムを付した水準になります(Dell Web Site:  http://content.dell.com/us/en/corp/d/secure/2013-02-04-michael-dell-silverlake-acquisition.aspx)。

マイケル・デルが組む投資ファンドは、シルバーレイク・パートナーズ、総額244億ドルのMBOになります。ロイター 2013年2月6日の記事によると、必要資金のうち、金融機関からのファイナンシングパッケージで150億ドルを調達、またマイクロソフトから20億ドルの融資を受けるとのことで、2007年以来最大のLBO案件となります。。

別のロイターのコラムによると、マイケル・デルがエクイティの約4分の3を拠出するということで、文字通りのMBO案件となりそうです。

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MBKパートナーズ、「コメダ珈琲店」買収

「コメダ珈琲店」を展開するコメダは15日、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズがコメダの株式を取得すると発表した。
(日本経済新聞2013年1月16日10面)

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「MBKが2月にアドバンテッジパートナーズ(出資比率78%)のほか、サッポロホールディングス参加のポッカサッポロフード&ビバレッジ(同12%)などから全株を取得する。買収総額は負債を含め約430億円とみられる。」(前掲紙)

ポッカ社(現ポッカサッポロフード&ビバレッジ)は、2008年4月に、アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンド(以下「APファンド」)が出資する、カフェチェーンを展開するコメダグループの株式を譲り受けた株式会社AP11(平成21年3月、株式会社コメダに社名変更。)に対し、カフェ事業を展開する連結子会社であります株式会社ポッカクリエイトとの外食事業面でのシナジー創出を目的として12%の出資を行いました。その際、APファンドがコメダ社株式全株を第三者に譲渡する場合、APファンドの請求に従いその全株を当該第三者に対しAPファンドと同一の条件で売却する旨の株主間契約を締結しています。

今般、この株主間契約に基づき、ポッカサッポロフード&ビバレッジその他の少数株主もMBKパートナーズにコメダ社株式を譲渡するものです。

サッポロホールディングスは、株式譲渡の概要を昨日次のようにリリースしています。

「資産の名称:株式会社コメダ株式558,240株
(コメダ社の発行済株式総数の12%)
帳簿価格: 559百万円
譲渡益: 約34億円
※譲渡益については譲渡に係る費用等の見込み額を控除した概算額を記載しております。」

5.6億円の投資が5年後に40億円の成果を生んだということです。IRRで50%近くのリターンになります。LBOが現代の錬金術と謂われる所以です。

創業者である加藤氏もこのディールに一口乗っているものと思われます。

ベンチャー企業にとってのExitはIPOだけでなく、このような形もあるということを、起業家は知っておく必要があります。

そして大きなリスクに果敢に挑むPEファンドの存在があって初めてこのようなディールが成立するという意味でも、PEファンドに多くの年金が投資しており、そこで普通の人の資産形成が行われているという意味でも、現代資本主義におけるPEファンドの重要性を強く感じます。

【リンク】

2013年1月15日「特別利益の発生に関するお知らせ 2013年会社情報」サッポロホールディングス株式会社

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半導体3社、事業統合交渉

ルネサスエレクトロニクスと富士通、パナソニックの3社が半導体の主力事業を統合する方向で協議を始めた。家電製品などに組み込むシステムLSI事業を3社が切り出し、官民ファンドの産業革新機構がが出資して半導体設計の専門会社を設立する。革新機構は半導体を受託生産する新会社を合わせて設立し、経営再建中のエルピーダメモリから広島工場を買収する方針だ。
(日本経済新聞2012年2月8日 1面) 

【CFOならこう読む】

こういうリスクの大きい投資を国のカネでやるのはどうかと思います。アメリカであればプライベート・エクイティ・ファンドがこの役割を担っています。

最近ブラックストーンという本を読みました(デビッド・キャリー&ジョン・E・モリス 東洋経済新報社)。

この本は秘密のベールに隠されていたプライベート・エクイティ・ファンドの実態を明らかにしており、必読書といえます。

プライベート・エクイティ・ファンドはレバレッジの利用により、濡れ手で粟のぼろ儲けをしているといったイメージが一般にありますが、この本ではレバレッジの貢献度は著しく低いとした分析結果を紹介しています。

「大手プライベート・エクイティ会社が成長できたのは、過去25年の大半において負債が調達しやすかったためだけではなく、柔軟性があったためである。すなわち好況期には投資先の負債を増やして配当に回すことで投資を回収したり、経営不振の会社の業務改革によって利益を捻出したりする一方、不況期には苦境に陥った会社の債務を売買したり、破産手続きを通じて経営権を握るなど、臨機応変な対応をしてきた。プライベート・エクイティ会社の最大の強みは、その変わり身のはやさであり、その手法は業種や市況に応じて変化する。

相場の変動を利用して儲けることは、企業内のムダを排除したり、研究に出資したり、企業を高付加価値製品の製造にシフトさせたりすることのように、新たな価値を生み出すわけではない。だがそうした行為は、年金基金、大学基金などの投資家に高い投資リターンをもたらしてきた。LBOが企業の価値を損なわないのであれば、プライベート・エクイティによる所有やその特徴である負債比率の高いしほんこうぞうには、上場株式に投資する以上の社会的弊害はないのではないか。

さらに不況期における底値買いにも、資本調達が難しい時期に企業に資金を提供したり、ほかに買い手がいない状況で売り手に流動性を提供するという機能があるーこれも一つの経済的・社会的貢献といえるだろう」(前掲書)

サブプライム後、さすがのプライベート・エクイティ・ファンドも動きを止めていますが、間もなく息を吹きかえし、日本でも活動を再開すると思います。そのときそういった民の活動を官が阻害することがないようにくれぐれもお願いしたいものです。

【リンク】

ブラックストーン
ブラックストーン デビッド・キャリー ジョン・E・モリス 土方奈美 東洋経済新報社 2011-12-09
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