個人向けは社債の発行が急増している。2011年の発行総額は前年より約7割増加。今年に入ってから募集されている個人向け社債は予定分も含めて7銘柄にのぼる。発行企業は金融機関や電鉄、商社など多様な業種に広がる。
(日経ヴェリタス2012年1月22日58面)
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最近発行された社債は以下の通りです(予定分も含む)。

劣後特約を付けて金利を高めに設定しているものが散見されます。
「りそな銀行が2月22日に発行予定の個人向け社債は、デフォルト(債務不履行)したときの返済順位が通常の社債よりも劣る「劣後特約」付き。金利は1.2~1.8%の範囲で決める予定。信用リスクが相対的に高い分、金利を高めにする。常陽銀行も個人向け劣後社債の発行を予定している」(前掲紙)
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なし
国内で唯一上場する伊藤園の優先株が、普通株との価格差を縮小している。2009年には普通株より4割安かったが、足元では約2割と3年3ヶ月ぶりの水準まで差を縮めた。
(日本経済新聞2012年1月21日13面)
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「同社の優先株は議決権がない代わりに配当は普通株の25%増し。今期は普通株の年38円に対し48円で、配当利回りは普通株より1.6%高い」(前掲紙)
伊藤園の優先株の価格が普通株の価格を大きく下回る理由として、以前次のように説明されているのを紹介したことがあります(2008年7月19日「無議決権株の価格」)。
①無議決権優先株が東証株価指数に採用されていないため流動性が低い
②普通株にあって優先株にない議決権の価値が大きいから、価格差が拡大している
さらにイタリアや韓国の会社が伊藤園と同様に優先株の価格が普通株の価格を大きく下回る理由として次のような分析がされていることを紹介しました。
「国の法制度や市場のルールが未整備で、企業経営に対する規律付けが弱いと、株主は自ら議決権を握り、株主の利害に背かないよう経営を監視する必要性が増す。その場合、議決権の価値は増大し、結果として無議決権株と普通株の価格差が広がる。」
((日本経済新聞 2008年7月19日 14面 無議決権株を追う㊦))
だとすると、伊藤園の優先株の価格の上昇は、オリンパスや大王製紙の事件を受けて日本企業のガバナンスが今後改善するという期待を反映したものなのかもしれません。
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なし
洋風居酒屋KICHIRIを運営するきちりは、店舗を借りる際に差し入れる保証金の流動化に乗り出した。金融機関が代わりに現金を不動産業者に差し入れる「保証金代預託契約」を導入し、保証金を7割圧縮する。捻出した資金は出店や運転資金に充てる。
(日本経済新聞2012年1月20日12面)
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外食産業の場合、差入保証金という形で多額の資金を寝かさなければならないため、どうしても資金効率が悪くなります。そのため、ROAやROEといった資本効率を示す財務指標も他業種と比較して低い水準になりがちです。
そのため差入保証金を資金化したいというニーズは昔からあります。それを可能にするスキームの一つが保証金代預託契約です。

「代預託契約を活用すれば、借入金の金利を上回る水準の手数料を金融機関に支払う代わりに保証金を長期間固定しなくても済む」(前掲紙)
ひらまつがこのスキームを利用して店舗保証金を流動化している旨、貸借対称表注記に記載しています。注記によるとひらまつの場合、約4億円の保証金について金融機関と代預託契約を締結しています。契約期間は10年から15年となっています。
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米国が金融規制や税法などで独自のルールを打ち出し、国際的な影響が広がる可能性が出てきた。日本でも金融機関の資金運用や個人情報の保護などで対応を迫られそうだ。
(日本経済新聞2012年1月19日6面)
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「米国内から米以外の外国銀に送金される利子や配当などの支払いに、原則30%の源泉徴収課税を目指す構想も波紋を広げる。米富裕層による国外への所得移転などを把握し、新たな税収を確保するのが狙いで、2010年成立の外国口座税務に関する法令順守法(FATCA法)に基づく」(前掲紙)
FATCA法の趣旨について、伊藤剛志弁護士がわかりやすく説明しているので、引用します。
「米国連邦法は、米国市民・居住者外国人及び米国法人について、その全世界所得に課税を行うものとしており、これらの者は、米国外で得た所得についても米国で適切に申告・納税しなければならない。米国課税当局が米国外の所得に対して課税を行うためには、米国納税者の米国外の所得に係る正確な情報を得ることが必須である。米国課税当局が米国外の所得に係る情報を入手できないのであれば、米国外の所得を意図的に申告せずに税負担を免れようとする米国納税者が出現するであろう。近時、租税条約に基づく情報交換を通じて、課税当局が海外の所得に係る課税情報を入手できるようになってきているが、かかる情報交換にも限界がある。そのため、米国FATCA法は、米国外金融機関(Foreign Financial Institution: FFI)が米国納税者の口座情報を米国課税当局に直接に提供する仕組みを確保することを通じて、米国課税当局が米国納税者の米国外所得に係る正確な情報を入手できる制度を構築しようとしているのである。
もっとも、米国外金融機関は米国の領土・主権の及ぶ範囲の外に存在するのであり、米国が米国外金融機関に対して米国納税者の口座情報の提供を直接に強制することができるわけではない。そのため、米国FATCA法では、米国企業が米国外金融機関に対して行う一定の支払に対して源泉徴収を行うという不利益を組み合わせることにより、米国外金融機関が米国課税当局に当該口座情報の提供を行うように動機付けている。」(伊藤剛志弁護士「日本の金融機関に重大な影響を与える米国FATCA法」)
FATCA法は、日本の金融機関を含めた米国外金融機関に大きなコスト負担を要求すること等の理由から、日欧などから見直し要求が殺到しており、「米側は近く修正案を示す方向」(前掲紙)
とのことです。
唯我独尊!!
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入学時期の見直しを検討していた東京大学の懇談会が、学部の春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめたことが17日わかった。入学試験は現行通り春に行う。国際化の推進と、入学前の学生に多様な経験を積ませることなどが狙い。中間報告は早期実現を求めており、東大は学内論議を活発化させ最終方針を決める。
(日本経済新聞2012年1月18日1面)
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「中間報告が、他大学の入学時期や企業の採用活動、国家試験の実施時期などの議論に一石を投じるのは確実で既に一部大学に追随の動きがある」(前掲紙)
日本がグローバル化していくためには、大学がグローバル化していくことが必要条件になると思います。いずれにしても、今のようにクラスのほとんどが日本人という大学は、この先、生き残るのが難しいと思います。
ただし、当然のことながら秋入学にすればそれだけで世界中から優秀な学生が大挙して押し寄せてくるということは全くないわけで、真にグローバル化するためには抜本的な改革が必要です。
大学の組織というのも他の日本の組織同様とても内向きですので、自ら変わるということはないように思います。したがって学生や企業がブランド名に惑わされず、大学を厳しく評価することがとても重要です。魅力ある大学に変われた大学が正しく評価されれば、他の大学も変わらざるを得ないでしょう。
東大が変われば他も追随するという時代ではないと思います。
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同社(アップル)の手元資金は現在760億ドル。米政府の現金残高とも肩を並べる水準だ。その強さはどこから来るのか。ヒントは一つの財務指標にある。「キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)」。在庫と売掛金、買掛金を比べ、製品の製造から現金回収にかかる時間を探る指標だ。
(日本経済新聞2012年1月17日1面)
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キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは、資金の効率性を示す指標のひとつで、売掛金と在庫の回転日数から、買掛金の回転日数を差し引いて計算されます。
「2010年度はソニーやパナソニックが約40日だったのに対し、アップルはマイナス20日。「iPhone」や「iPad」は実は製造する20日前には回収を終えていることになる。アップルは製品にこだわるだけではない。商品力を武器に、通信会社などと販売代金を前金で受け取る契約を結ぶ。製造は台湾企業などに委託し、流通段階ではケーブル1本まで、販売情報を常時集めている。開発、製造、調達、流通。さらにはネット上での消費動向を一気通貫で把握し、資金回収を最大化する」(前掲紙)
キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、単純に小さければ小さいほど良いというものではありません。通信会社等との中長期的な関係が重視される場合には、どんなに商品力があっても過度に回収を早めることは関係を悪化させることにもなり兼ねません。また在庫はバッファーであり、タイの洪水のようなリスクに対応するという意味もあるので、全く持たないのが良いというわけではありません。
CCCに限らず、経営指標は全てそうですが、自社の適正値を認識した上で、更なる経営改善に繋げることが必要です。CCCの場合、無駄を排除する経営ツールとして利用されるべきものです。そのためには何が無駄であるのか(必要であるのか)、しっかりと定義される必要があります。
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2011年のIPOは37社だった。過去10年間のピークである2006年(188社)に比べ2割弱の水準であったが、前年から14社増えた。さらに新興市場の売買代金が底入れする兆しを見せるなど、投資家の関心は高まりつつある。
(日本経済新聞2012年1月8日1面)
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大阪証券取引所副社長 松本学氏は、日経ヴェリタスのインタビューに答え次のように述べています。
「−IPOの増加は続きそうですか。
今年のIPOは50社前後と、昨年実績(37社)から10社以上増えると考えている。リーマン・ショックを挟んだ2008年(49社)の水準に迫る可能性もある。ジャスダック単独でも20~25社と、昨年の16社から大幅増を目指せそうだ」
いちよし証券の宇田川氏も、今年のIPO社数を50社程度とみているとのことで、この辺が目安になりそうです。
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エーザイで財務を担当するアイヴァン・チャン執行役は2013年3月期の連結営業利益について「1000億円と予想している今期並の水準は確保している。
(日本経済新聞2012年1月13日15面)
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「チャン氏は2008年の米MGI買収など経営戦略を担当。昨年6月から経理、財務を担当する執行役に就いた」(前掲紙)
エーザイの組織図を見ると、経営戦略部、財務経理本部があり、チャン氏はこの両方を担当しています。これからのCFOは単なる財務経理屋ではなく価値創造の担い手とならなければいけません。
ディズニーの元CFOゲイリー・ウィルソンはHBR誌のインタビューの中で次のように語っています。
「戦略的なCFOが重視する点は2つある。第1は、会社の戦略目標を達成するために、資金を効率的に投資すること。第2は、最適の資本コストで資金を調達すること。」
M&Aを遂行し、「事業戦略に必要のない資産の売却を進める」(前掲紙)チャン氏は日本ではまだ少数派である戦略的なCFOと言えます。
それにしてもアイヴァン・チャン氏はまだ35歳、代表執行役社長 内藤晴夫氏の長女の配偶者でもあり、将来のCEO候補であるのかも知れません。
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国内の証券取引所に上場する企業が昨年1年間で 53社減り、3593社と2001年以来 10年ぶりの低水準となったことが分かった。グ ループ経営の効率を高めるため、 上場子会社を吸収する企業が増加。MBOによる上 場廃止も目立つ。株安が響いて 新規公開は停滞し、新陳代謝がすすまないまま市 場が縮んでいる。
(日本経済新聞2012年1月12日1面)
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「減少の要因は企業がグループ再編を進めたこ と。親会社と子会社が同時に上場する 「親子上場」を解消し、子会社を吸収合併する動 きが相次いでいる」(前掲紙)
「親子上場」の最大の問題点は、子会社の少数株 主と親会社との間の利益相反に あります。その利益相反を解消するために子会社 を吸収合併する又は100%子会社化する というのは正しい方向性であるとは思いますが、 それは親会社と子会社の間にシナジー があり、一体経営することが望ましい場合に限ら れます。
シナジーが認められない場合には、上場を維持し たまま子会社株式を親会社の株主に 現物配当する、いわゆるスピンオフを行う方が株 主価値最大化という点から見ると 望ましいケースも少なくありません。
現物配当は、新会社法が用意してくれたスピンオ フを可能とするための法制度です。 ところが12月9日のエントリー 「セブンイ レブンジャパンをスピンオフー非課税で」でもお話したように、課税上の問題があって、 「適格現物分配」に該当する場合を除き スピンオフは事実上実行不能となっています。
「現物配当による子会社株式の分配に関しては、 我が国では、米国の連邦所得税の場合のように一 定の場合に法人レベル及び株主レベルでの課税繰 延べを認める規定が存在せず、課税当局は、原則 として、法人レベルでは分配対象となる子会社株 式に関する譲渡損益課税がなされ、株主レベルで はみなし配当課税及び譲渡損益課税がなされるも のとして、それぞれ取り扱っている」
(太田洋 「組織再編を用いたM&A・企業グループ再編と課 税」租税研究・2011年10月号161頁)
コングロマリットディスカウントを解消する手法 としても使えるスピンオフという経営ツールが、 課税上の 問題があって実行できないのは極めてゆゆしき事 態であると思われるのですが、これを問題視する 声が 経営者側から聞こえてきません。
株主価値最大化が重要な経営目標であるなら、ス ピンオフは当然に検討されるべき選択肢の一つで あるはずですが、 これが使えないことを不満として経営者側が認識 していないのだとすれば、それ自体日本企業の コーポレート・ ガバナンスの弱さを表していると私は思います。
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オムロンはインドに地域本社を設立した。アジア地域(中国を除く)を統括するシンガポールから機能を移管。財務や採用など間接業務を一元的に担い、インドの複雑な法制度に対応する。
(日本経済新聞2012年1月11日11面)
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「これまで海外では、複数の国を統括する拠点に地域本社を設置しており、1ヶ国だけを担当する地域本社はインドが初めて。財務や資金調達、現地採用、税務、IT、インフラ整備などを担当する」(前掲紙)
アジア統括会社はシンガポールと香港に置かれ、香港が中国子会社、シンガポールはそれ以外のアジア子会社を管轄するという形がよく見られますが、オムロンはインド子会社のみを管轄する統括会社をインドに新たに立ち上げるということです。
インドは税務訴訟が多く、しかもそのほとんどが納税者勝訴となると聞いたことがあります。ということは、国側は何でもかんでも訴訟に打って出るということで、これだけ考えてもインドに統括会社を置く必要性があるのかもしれません。
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