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2012年のIPO、リーマン前後の水準に迫る

2011年のIPOは37社だった。過去10年間のピークである2006年(188社)に比べ2割弱の水準であったが、前年から14社増えた。さらに新興市場の売買代金が底入れする兆しを見せるなど、投資家の関心は高まりつつある。
(日本経済新聞2012年1月8日1面)

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大阪証券取引所副社長 松本学氏は、日経ヴェリタスのインタビューに答え次のように述べています。

−IPOの増加は続きそうですか。
今年のIPOは50社前後と、昨年実績(37社)から10社以上増えると考えている。リーマン・ショックを挟んだ2008年(49社)の水準に迫る可能性もある。ジャスダック単独でも20~25社と、昨年の16社から大幅増を目指せそうだ」

いちよし証券の宇田川氏も、今年のIPO社数を50社程度とみているとのことで、この辺が目安になりそうです。

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エーザイCFO、アイヴァン・チャン氏

エーザイで財務を担当するアイヴァン・チャン執行役は2013年3月期の連結営業利益について「1000億円と予想している今期並の水準は確保している。
(日本経済新聞2012年1月13日15面)

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「チャン氏は2008年の米MGI買収など経営戦略を担当。昨年6月から経理、財務を担当する執行役に就いた」(前掲紙)

エーザイの組織図を見ると、経営戦略部、財務経理本部があり、チャン氏はこの両方を担当しています。これからのCFOは単なる財務経理屋ではなく価値創造の担い手とならなければいけません。

ディズニーの元CFOゲイリー・ウィルソンはHBR誌のインタビューの中で次のように語っています。

「戦略的なCFOが重視する点は2つある。第1は、会社の戦略目標を達成するために、資金を効率的に投資すること。第2は、最適の資本コストで資金を調達すること。」

M&Aを遂行し、「事業戦略に必要のない資産の売却を進める」(前掲紙)チャン氏は日本ではまだ少数派である戦略的なCFOと言えます。

それにしてもアイヴァン・チャン氏はまだ35歳、代表執行役社長 内藤晴夫氏の長女の配偶者でもあり、将来のCEO候補であるのかも知れません。

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上場企業数、大幅減

国内の証券取引所に上場する企業が昨年1年間で 53社減り、3593社と2001年以来 10年ぶりの低水準となったことが分かった。グ ループ経営の効率を高めるため、 上場子会社を吸収する企業が増加。MBOによる上 場廃止も目立つ。株安が響いて 新規公開は停滞し、新陳代謝がすすまないまま市 場が縮んでいる。
(日本経済新聞2012年1月12日1面)

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「減少の要因は企業がグループ再編を進めたこ と。親会社と子会社が同時に上場する 「親子上場」を解消し、子会社を吸収合併する動 きが相次いでいる」(前掲紙)

「親子上場」の最大の問題点は、子会社の少数株 主と親会社との間の利益相反に あります。その利益相反を解消するために子会社 を吸収合併する又は100%子会社化する というのは正しい方向性であるとは思いますが、 それは親会社と子会社の間にシナジー があり、一体経営することが望ましい場合に限ら れます。

シナジーが認められない場合には、上場を維持し たまま子会社株式を親会社の株主に 現物配当する、いわゆるスピンオフを行う方が株 主価値最大化という点から見ると 望ましいケースも少なくありません。

現物配当は、新会社法が用意してくれたスピンオ フを可能とするための法制度です。 ところが12月9日のエントリー 「セブンイ レブンジャパンをスピンオフー非課税で」でもお話したように、課税上の問題があって、 「適格現物分配」に該当する場合を除き スピンオフは事実上実行不能となっています。

「現物配当による子会社株式の分配に関しては、 我が国では、米国の連邦所得税の場合のように一 定の場合に法人レベル及び株主レベルでの課税繰 延べを認める規定が存在せず、課税当局は、原則 として、法人レベルでは分配対象となる子会社株 式に関する譲渡損益課税がなされ、株主レベルで はみなし配当課税及び譲渡損益課税がなされるも のとして、それぞれ取り扱っている」
(太田洋 「組織再編を用いたM&A・企業グループ再編と課 税」租税研究・2011年10月号161頁)

コングロマリットディスカウントを解消する手法 としても使えるスピンオフという経営ツールが、 課税上の 問題があって実行できないのは極めてゆゆしき事 態であると思われるのですが、これを問題視する 声が 経営者側から聞こえてきません。

株主価値最大化が重要な経営目標であるなら、ス ピンオフは当然に検討されるべき選択肢の一つで あるはずですが、 これが使えないことを不満として経営者側が認識 していないのだとすれば、それ自体日本企業の コーポレート・ ガバナンスの弱さを表していると私は思います。

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オムロン、インド地域本社設立

オムロンはインドに地域本社を設立した。アジア地域(中国を除く)を統括するシンガポールから機能を移管。財務や採用など間接業務を一元的に担い、インドの複雑な法制度に対応する。
(日本経済新聞2012年1月11日11面)

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「これまで海外では、複数の国を統括する拠点に地域本社を設置しており、1ヶ国だけを担当する地域本社はインドが初めて。財務や資金調達、現地採用、税務、IT、インフラ整備などを担当する」(前掲紙)

アジア統括会社はシンガポールと香港に置かれ、香港が中国子会社、シンガポールはそれ以外のアジア子会社を管轄するという形がよく見られますが、オムロンはインド子会社のみを管轄する統括会社をインドに新たに立ち上げるということです。

インドは税務訴訟が多く、しかもそのほとんどが納税者勝訴となると聞いたことがあります。ということは、国側は何でもかんでも訴訟に打って出るということで、これだけ考えてもインドに統括会社を置く必要性があるのかもしれません。

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東北復興需要、雇用創出50万人規模

ゼネコン各社が東日本大震災の復興需要をにらみ、東北地方に人材と先端技術を重点投入する。日本の建設市場は40兆円強とピーク比でほぼ半減したが、東北地区では今後3年で17兆円規模の復興需要が生まれる見通し。
(日本経済新聞2012年1月8日1面)

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「政府は12年度予算案で東日本復興特別会計を新設し、3兆8千億円を計上した。人材派遣大手インテリジェンスの試算では、11~13年度の3年間で復興関連の建設需要は約16兆6千億円。国土交通省は11年度に全国の建設業就業者の1割強に相当する。50万人規模の雇用が創出されると見ている」(前掲紙)

少なからず景気の浮揚効果が期待できますが、一時のバブルで終わらせることなく、ここで次の時代の日本の礎を築くことが極めて重要です。復興が完了した途端消失してしまうような雇用創出では意味がないと、私は思います。

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カテゴリー: マクロ経済 タグ:

パナソニック、JVCケンウッド株売却

JVCケンウッドは5日、筆頭株主のパナソニックが保有する同社株式のほぼ全てを市場で売却すると発表した。パナソニックは2012年3月期に大幅な最終赤字となる見通しで、資産圧縮を目的に保有株の売却を加速する。
(日本経済新聞2012年1月5日9面)

【CFOならこう読む】

「売却は売出方式で実施する。約2442万株を処分し、パナソニックの持株比率は現在の19.28%から1.75%に低下、筆頭株主から第7位株主になる」(前掲紙)

株式売出し(引受人の買取引受による売出し) の概要は次の通りです。
(1) 売出株式の種類および数
普通株式 24,225,400株
(2) 売出人
パナソニック株式会社
(3) 売出価格
未定(日本証券業協会の定める有価証券の引受け等に関する規則第 25 条に規定 される方式により、平成 24 年 1 月 17 日(火)から平成 24 年 1 月 19 日(木)までの 間のいずれかの日(以下「売出価格等決定日」という。)の株式会社東京証券取 引所における普通株式の普通取引の終値(当日に終値のない場合は、その日 に先立つ直近日の終値)に 0.90~1.00 を乗じた価格(1円未満端数切捨て)を仮 条件として、需要状況を勘案した上で決定される。)
(4)売出方法
野村證券株式会社を主幹事会社とする引受団(以下「引受人」という。)が全株 式を買取引受けた上で売出す。 売出しにおける引受人の対価は、売出価格から引受人より売出人に支払われる金 額である引受価額を差し引いた額の総額とする。
(5)申込期間
売出価格等決定日の翌営業日から売出価格等決定日の 2 営業日後の日まで。
(6)受渡期日
売出価格等決定日の 6 営業日後の日。
(7)申込株数単位
100株
(8)本売出しに伴い当社が遂行すべき諸手続に必要な一切の事項の決定については、代表取締役社長に一任する。

株式売却により、パナソニックは、JVCケンウッドとの提携関係を名実ともに解消することになります。

【リンク】

2012年1月5日「 株式の売出しおよび主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」株式会社JVCケウンウッド [PDF]

 

カテゴリー: M&A タグ:

エクソン、東燃ゼネラル石油株式3割売却

米石油最大手エクソンモービルが日本事業を大幅に縮小する。精製子会社東燃ゼネラル石油の株式を東燃ゼネラル自体に買い取らせる方向で最終調整に入っており、月内の合意を目指す。
(日本経済新聞2011年12月27日17面)

【CFOならこう読む】

「エクソンは現在、日本で全額出資のエクソンモービル有限会社が事業展開し、東燃ゼネに50.02%出資ている。このうち30%超分の株式を東燃ゼネに売却する案を同社や金融機関と検討している」(前掲紙)

今更ながら、有限会社を通じて日本での事業展開を行っていることに驚かされます。有限会社を選択しているのは、日本の有限会社が、米国税法上check-the-box規則により、”適格エンティティー”となるので、構成員課税(パススルー課税)を選択できることがその主たる理由と思われます。

「エクソンが日本事業の縮小方針を固めた最大の理由は内需の縮小に歯止めがかからないことだ。
英BPの需要分析によると、日本はガソリンなど石油の消費量が過去10年間で2割近く減少。若者の「クルマ離れ」などで自動車保有台数が伸び悩んでいることが大きい」(前掲紙)

こういう形で外資の日本事業縮小が続くのであれば、それ自体日本経済にとって決してプラスではありません。日本人の仕事を作るという意味合いからも、外資を呼び込めるようなインフラ(税制その他)を整備する必要があると改めて思います。

【リンク】

2012年1月4日「本日の一部報道について」東燃ゼネラル石油株式会社 [PDF]

 

カテゴリー: 税制 タグ:

【お知らせ】年初は1月5日スタートです。

本年もご愛読いただきありがとうございました。2011年の更新は本日で最後になります。

年初は1月5日にスタートします。

来年もCFO Newsをよろしくお願いいたします。

 

カテゴリー: お知らせ タグ:

東証、予想の開示推奨

上場企業による業績予想の開示多様化を検討している東京証券取引所は、社内に収益の計画や目標数値がある場合、従来通り売上高、利益の予想を公表するよう推奨する方針を決めた。
(日本経済新聞2011年12月28日13面)

【CFOならこう読む】

「新しい予想開示は2012年3月期の決算発表から実施する方針。自主的で多様な開示方法を認める。予想に幅を持たせて開示したり、米国企業のように1株当たり利益の予想を公表したりする企業も出てきそうだ。予想を出さない場合に求めていた事前相談や理由の公表なども不要にして、企業の自主性を重視する」(前掲紙)

新しい予想開示の方向性は、今年7月に公表された「「上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書」に従った形で行われます。

報告書の概要は以下の通りです。

「通期の決算発表時に売上高・利益等の所定の項目について特定の値による開示を行うと いう原則的な取扱いにこだわり過ぎると、合理的とは言えない業績予想の開示が行われた り、上場会社に必要以上の負担をかけたりするおそれが高い。そこで、経営者自身の合理 的な評価や見通し等に基づいて、経営成果に係る直接的な予想が示される規格化された開 示の有用性を確認しつつ、上場会社各社の実情に応じて、多様な方法による柔軟な開示を 積極的に行い得るようにすることが望まれる。

✔ 開示内容
・ 予想値に一定の幅が出るケースやすべての項目を予想することが難しいケースについては、
諸外国で、一定の幅を持った表現が使われていたり、開示項目が各社で異なっていたりする
ことが参考となる。
✔ 開示時期
・ 決算発表の時点で業績予想を有していない場合には、投資判断上重要な情報格差を生じさ せないという観点から、その後、合理的な業績予想を有した時点で開示をすることが重要。
✔ 予想対象期間
・ 1年の見通しが難しい場合には、各社の状況に応じた期間を対象として開示する例が参考
となる。
✔ 将来予測情報の提供、補足説明等の充実
・ 売上高・利益以外の経営指標など、様々な将来予測情報を開示することは有用。また、前 提条件や変動可能性等の説明が重要。今後補足説明の重要性は一層高まる。」

予想を出さないことも容認されますが、大幅な財務数値の増減が見込まれる場合、具体的には予算や計画が前期実績と比べ売上高で1割、利益で3割以上増減する場合は、適時開示の義務が生じる、というのが今日のニュースです。

多くの会社において、予算は達成目標と位置付けられています。達成目標ですから、売上高1割増なんていうのは普通に見られます。こんなものを適時開示する必要性は全くないでしょう。東証の方向性は良いと思いますが、詳細なガイドラインがないと実務サイドは相当に混乱すると思います。

年内の更新はこれで終わりにします。2012年が世界中の人々にとって良い年でありますように。

【リンク】

「決算情報の適時開示制度 業績予想開示」

 

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今年の新規上場37銘柄、6割は公募価格下回る

今年に新規上場した37銘柄の直近の株価と公募価格を比べたところ、電子書籍やネット関連が上昇する一方、バイオ関連は下落した銘柄が目立った。欧州の債務問題や円相場の高止まりが長引くなか、主力の輸出関連銘柄を避けた資金の一部が、国内で成長余力の大きそうな銘柄に流入したようだ。
(日本経済新聞2011年12月27日17面)

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今年に新規上場した企業の株価(26日時点、単位%、▲はマイナス)

電子書籍やネット関連銘柄の上昇が目立つ中、ネクソンは公募価格1300円に対し昨日(26日)終値1175円と10%程度下回っています。「「設定価格が割高だったのではないか」(国内証券)との指摘もある」(前掲紙)

とのことですが、2011年12月期予想EPSに対するPERは17.9倍、成長余力を考慮するとそれほど高いとは思えません。

【リンク】

なし

カテゴリー: IPO タグ: