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Archive for the ‘税制’ Category

法人税下げ目指す − 古川内閣府副大臣

2010年 2月 27日

内閣府の古川元久副大臣は26日、都内で講演し、法人税率について「できるだけ下げられるのであれば、下げられる方向を目指していきたい」と引き下げを目指す考えを示した。「日本の法人税制は租税特別措置なども多く複雑だ」と語り租特の見直しにも意欲を示した。
(日本経済新聞2010年2月27日1面)

【CFOならこう読む】

パチパチ。
全面的に賛成します。

連立与党内の同意を取り付け、早期の実現をよろしくお願いする次第です。

中小企業の税率引き下げだけでは駄目ですよ。
当然大企業の法人税率30%も引き下げて下さいね。

【リンク】

なし

吉永 税制

内部留保へ課税検討

2010年 2月 18日

鳩山由紀夫首相は17日、首相官邸で記者団に大企業の内部留保への課税、所得税の最高税率引き上げ、証券優遇税制の見直しなどを今後の税制改正で検討する意向を表明した。内部留保への課税検討の背景には民主党の「雇用重視」の考え方がにじむ。だが、安易に導入を進めれば、逆に大企業の海外逃避を招き、日本の雇用が減る恐れが
ある。
(日本経済新聞2010年2月18日3面)

【CFOならこう読む】

内部留保って言ったって、すでに償却資産に投資されている部分を取り崩すことなんて出来ません。そういう基本的なことが鳩山さんや共産党の方々は分かっていないのではないでしょうか?

問題とすべきは、無駄な投資や無目的に積み上げられるキャッシュですが、それをチェックするのは市場の仕事です。市場の規律が働くよう、市場ルールや法制度を変えて行く必要があることを、このブログでも繰り返しお話ししています。

少なくとも首相たるもの、市場を軽視するような発言を慎んでもらいたいものです。

雇用拡大が緊急の課題であることは論を待ちません。
国がやるべきこともたくさんあるとは思います。
しかし、それは増税という方向性ではなく、減税等の施策により外国企業も含め日本を拠点にする企業を増やす方向性が重要だろうと僕は思います。

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なし

吉永 税制 ,

寄付金税制のあり方

2010年 2月 5日

・寄付の水準、米英に比べけた違いに小さく
・現行の所得控除では寄付促進効果不十分
・対象を拡大、年末調整での控除も検討を

(日本経済新聞2010年2月5日25面経済教室山内直人大阪大学教授)

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「古い公共」の担い手は政府・行政であり、主に税収によって公共サービスを提供するため、多様な公共ニーズに機動的に対応するのが難しい。一方「新しい公共」の担い手は非営利組織(NPO)や非政府組織(NGO)などの市民活動団体であり、その活動を支える資源として、寄付やボランティアが重要な役割を演じる。ただ現状では寄付もボランティアも市民活動団体の運営を支えるのに十分とはいえない。国際的にみても、例えば個人所得に対する寄付の割合は、米国や英国と比べけた違いに小さい」(前掲稿)

山内氏は現行制度の改善案として、

1.税制上、所得控除対象となる寄付先の増大
2.所得控除から税額控除への制度変更

を掲げています。

戦後日本は、格差のない社会資本主義的とも言える国家であったのが、政官財一体の計画経済運営が崩壊し、往きつ戻りつしながらも、大勢では市場型資本主義へシフトしています。市場型資本主義においては個々人の「倫理感」が極めて重要です。これがないと“勝つために手段を選ばない“、”勝った人間だけが偉い“といういびつな社会になってしまいます。

信教心を薄い人が大多数の日本では、特にこの傾向が強くなると思います。市場型資本主義が大きな格差を生むのは必然です。「倫理感」は、大きな富を獲得する人にその富を社会に還元することを求めます。そしてそういう人が賞賛され、尊敬される社会でなければなりません。

山内教授はNPOやNGO自身の努力が重要であると論じていますが、それ以前に政治のリーダーシップが求められると思います。

税金を払うことでその資源配分を国家に委ねても良いし、個人が寄付という形で使途まで指図しても良い。いずれを選択するかは個人に任せる、いやむしろ後者がより望ましいというメッセージを政治の側から発する必要があります。

そしてもうひとつ重要なことがあります。それは法人税における寄附金課税をやめることです。有力な寄付者となり得る中小企業のオーナーには、寄附金というと何か悪いことというイメージが刷り込まれている人が多いように感じます。

「寄附金認定」を伝家の宝刀のように使う、今の税務執行のあり方を根本から改める必要があるでしょう。

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なし

吉永 税制

TDKの移転価格申告漏れ、追徴141億円取り消し

2010年 2月 3日

TDKが海外子会社との取引を巡る「移転価格税制」に基づき、2005年6月に東京国税局から約213億円の申告漏れを指摘され、東京国税不服審判所に取り消しを求める審査請求を出していた問題で、不服審判所が約141億円の処分を取り消したことが2日、分かった。地方税や還付加算金を含め約94億円が還付される見込み。TDKが同日発表した
(日本経済新聞2010年2月3日1面)

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本件の経緯は次の通りです。

  1. 2005年6月29日、東京国税局(日本橋税務署)より、1999年3月期から2003年3月期までの5事業年度について、TDK社とTDK社海外子会社との間の取引の価格が独立企業間価格と異なるという当局の判断により、移転価格税制に基づく更正処分の通知を受領。更正の結果による所得増差額は約213億円
  2. 2005年8月26日付、東京国税局に対し異議申立書の提出
  3. 2007年6月29日、京国税局より原処分の一部、30億73百万円を取り消す異議決定書を受領
  4. 2007年6月29日に原処分の取り消しが認められなかった部分の全額の取り消しを求める審査請求書を東京国税不服審判所に対し提出
  5. 2010年2月1日、東京国税不服審判所の裁決書を受領。原処分の一部となる約141億円が取り消され、法人税・地方税及び還付加算金等で約94億円が2010年3月期中に還付される予定

課税庁が納税者に対して行った「更正」や「決定」の処分に対して、納税者が納得できないとき、次のような手段が納税者に認められています。

  1. 税務署長や国税局長に対する異議申立([手続名]税務署長等の処分に不服があるときの異議申立手続
  2. 国税不服審判所に対する審査請求(「不服申立手続等」国税不服審判所
  3. 審査請求に対する国税不服審判所長の裁決があった後の処分に、なお不服があるときは、裁判所に対して訴えを提起(「不服申立手続等」国税不服審判所

このうち、国税不服審判所のあり方に少なからず問題があるとの指摘は従来より各方面からなされているところです。民主党は2009年マニフェストで国税不服審判所の見直しを掲げています。

「国税不服審判のあり方の見直し
納税者の権利を重視し、国税不服審判所のあり方や手続きを見直します。
税が議会制民主主義の根幹であることを考えれば、個別の課税事案に対して納得できない納税者の主張を聞く国税不服審判所は極めて重要な機関です。しかし現状は、この重要な役割を果たすには十分ではありません。特に、その機能を果たすために最も重要な審判官の多くを財務省・国税庁の出身者が占めていることは問題です。
そのほかにも証拠書類の閲覧・謄写が認められていないなどの問題があることから、国税審判のあり方やその手続きについて、納税者の権利を十分に確保することを基本に見直します。」(
民主党制政策集「税制」

今般のTDKのニュースは、国税不服審判所も変わりはじめていることの証左であるのかも知れません。
それにしても裁決までの時間をもう少し短縮できないものでしょうか。

【リンク】

2009年2月1日「移転価格課税に関する国税不服審判所長の裁決書の受領について」TDK株式会社

吉永 税制

2010年税制大綱 – グループ法人間の譲渡損益の繰延べ

2009年 12月 29日

政府は22日夕の臨時閣議で2010年度税制改正大綱を決定した。子ども手当を創設することを念頭に、所得税・住民税の一般扶養控除は15歳以下の年少部分を廃止。一方で社民党などが廃止に反対していた23~69歳の成年部分は現状を維持する。高校生や大学生の子どもがいる世帯を対象にした「特定扶養控除」は、高校無償化とのバランスを取るため、16~18歳の部分を圧縮する。
NIKKEI NET 2009年12月22日

【CFOならこう読む】

今般の税制大綱ではグループに係る税制の導入が予定されています。これにより100%グループ法人間での資産移転の際の譲渡損益 を繰り延べることになります。

具体的には次の通りです。

「イ 100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引等
(イ) 連結法人間取引の損益の調整制度を改組 し、100%グループ内の内国法人間で一定の資産の移転(非適格合併による移転を含みます。)を行ったことにより生ずる譲渡損益を、その資産のそのグループ外への移転等の時に、その移転を行った法人において計上する制度とします。これに伴い、適格事後設立制度を廃止します。
(注)100%グループ内の法人とは、完全支配関係(原則として、発行済株式の全部を直接又は間接に保有する関係)のある法人をいいます。
(ロ) 100%グループ内の法人間の非適格株式交換等を、非適格株式交換等に係る完全子法人等の有する資産の時価評価制度の対象から除外します。
(注)合併等の対価として一定の外国親法人株式が交付されるものを除きます。」

これにより例えば利益を生んでいる資産を黒字会社から赤字会社に移転させることにより、連結納税を導入しなくても損益通算することが可能になります。

上場会社の場合、資産の移動は時価で行われると考えられますが、譲渡側では譲渡損益を繰延べ、譲受側では簿価を引き継いで減価償却を行うようになるものと思われます。

資本に関係する取引等に係る税制についての 勉強会 論点のとりまとめ(「資本に関係する取引等に係る税制についての 勉強会 論点とりまとめ」[PDF])では、譲渡損益調整資産の範囲を連結納税制度と同様(固定資産、土地、有価証券、金銭債権及び繰延資産(売買目的有価証券、帳簿価額1,000万 円に満たない資産を除く))とすることも考えられるとの記載がありましたが、今般の税制大綱からはこの記載が削除されています。

今後この点は検討されるものと思われます。

【リンク】

「平成22 年度税制改正大綱」[PDF]

吉永 税制

2010年税制大綱 – みなし配当の際の譲渡損益

2009年 12月 28日

政府は22日夕の臨時閣議で2010年度税制改正大綱を決定した。子ども手当を創設することを念頭に、所得税・住民税の一般扶養控除は15歳以下の年少部分を廃止。一方で社民党などが廃止に反対していた23~69歳の成年部分は現状を維持する。高校生や大学生の子どもがいる世帯を対象にした「特定扶養控除」は、高校無償化とのバランスを取るため、16~18歳の部分を圧縮する。
NIKKEI NET 2009年12月22日

【CFOならこう読む】

問題が多いとされていたみなし配当の際の譲渡損益について次の改正が予定されています。

「(イ) 100%グループ内の内国法人の株式を発行法人に対して譲渡する等の場合には、その譲渡損益を計上しないこととします。(再掲)
(ロ) 自己株式として取得されることを予定して取得した株式が自己株式として取得された際に生ずるみなし配当については、益金不算入制度(外国子会社配当益金不算入制度を含みます。)を適用しないこととします。
(ハ) 抱合株式については、譲渡損益を計上しないこととします。」

上記はすべて課税の繰延べではない点に留意が必要です。

(ロ) については次のような事例を塞ぐことを目的としているものと思われます。

「オーナーが株式の一部を現金化したいという時に、自己株式として直接買い取ってもらった場合、個人は配当課税の対象となります。ところが、配当課税よりも譲渡所得課税のほうが、所得税は有利な仕組みとなっているんですね。そのために、法人をワンクッション噛ませて、個人が法人に譲渡し、譲渡した先の法人がさらにそれを自己株式として買い取ってもらえば、買い取った法人はさらに受取配当等の益金不算入制度などのメリットが取れるため、オーナーも会社も有利になるというのもあります」
(週刊税務通信 平成21年12月7日 24頁)

資本に関係する取引等に係る税制についての 勉強会  論点のとりまとめ(「資本に関係する取引等に係る税制についての 勉強会 論点とりまとめ」[PDF])では次のように記載されていました。

「抱合せ株式(合併法人が保有する被合併法人株式)については、非適格合併の場合も、譲渡損益を認識しないことが考えられる。 」

若干表現が変わっていますが、趣旨は勉強会と同様です。

TOBにより子会社化し、その後少し時間をおいて、現金対価の合併により少数株主をフリーズアウトすれば、これは当然非適格合併になります。このとき、みなし配当とそれとほぼ同額の株式譲渡損が計上され、みなし配当は益金不算入であるなら、株式譲渡損の分だけ節税メリットがとれることになります。

この改正が国会を通れば、今後このようなスキームは塞がれることになります。

【リンク】

「平成22 年度税制改正大綱」[PDF]

吉永 税制

2010年税制大綱 – 100%グループ内の内国法人間の現物配当も譲渡損益繰延

2009年 12月 26日

政府は22日夕の臨時閣議で2010年度税制改正大綱を決定した。子ども手当を創設することを念頭に、所得税・住民税の一般扶養控除は15歳以下の年少部分を廃止。一方で社民党などが廃止に反対していた23~69歳の成年部分は現状を維持する。高校生や大学生の子どもがいる世帯を対象にした「特定扶養控除」は、高校無償化とのバランスを取るため、16~18歳の部分を圧縮する。
NIKKEI NET 2009年12月22日

【CFOならこう読む】

100%グループ内の法人間の資本関連取引について次の改正が予定されています。

「(イ) 100%グループ内の内国法人間の現物配当(みなし配当を含みます。)について、組織再編税制の一環として位置づけ、譲渡損益の計上を繰り延べる等の措置を講じます。この場合、源泉徴収等を行わないこととします。
(ロ) 100%グループ内の内国法人からの受取配当について益金不算入制度を適用する場合には、負債利子控除を適用しないこととします。
(ハ) 100%グループ内の内国法人の株式を発行法人に対して譲渡する等の場合には、その譲渡損益を計上しないこととします。
(ニ) いわゆる無対価組織再編成について、その処理の方法等を明確化します。」

(イ)についてはこの改正 により、例えば子会社が孫会社株式を親会社に配当することにより、孫会社を子会社化することが可能になります。従来は時価評価して差損益を認識してから配当する必要がありましたが、この改正によりこれが繰り延べられます。

(ロ) は受取配当金の負債利子控除を適用しないということです。負債利子控除の規定は課税所得を借入により株式投資することにより非課税所得に変換するというスキームを塞ぐ趣旨で設けられたということを読んだことがありますが、今の時代借入するのも容易ではなく、規定を設ける意味があまりなくなったということなのかも知れません。

(ハ) については、この改正により減資をして欠損を補填するというようなことがやりやすくなることが考えられます。

(ニ) については、分割型分割で新株の交付を行わない場合の課税の取扱いが法令上規定されておらず、国税庁のウェブサイトで株式の交付はしなくても株主間で利益移転等が無い場合には、株式の交付を省略したものという位置づけで適格分割型分割に該当すると解して差し支えないと整理されています(「吸収分割に当たり、分割承継法人から分割法人に株式の割当てを行わない場合の適格判定(分割型分割)」国税庁)。

これを法令上も手当てしようという趣旨であろうと思われます。

【リンク】

「平成22 年度税制改正大綱」[PDF]

吉永 税制

2010年税制大綱 – 中小企業向け特例措置の大法人の100%子法人に対する適用

2009年 12月 25日

政府は22日夕の臨時閣議で2010年度税制改正大綱を決定した。子ども手当を創設することを念頭に、所得税・住民税の一般扶養控除は15歳以下の年少部分を廃止。一方で社民党などが廃止に反対していた23~69歳の成年部分は現状を維持する。高校生や大学生の子どもがいる世帯を対象にした「特定扶養控除」は、高校無償化とのバランスを取るため、16~18歳の部分を圧縮する。
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NIKKEI NET 2009年12月22日

【CFOならこう読む】

大法人傘下の子法人については、その子法人の資本金等の額に関係なく特例措置の適用を認めないようにするということです。

「資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人に係る次の制度については、資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等の100%子法人には適用しないこととします。
(イ) 軽減税率
(ロ) 特定同族会社の特別税率の不適用
(ハ) 貸倒引当金の法定繰入率
(ニ) 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
(ホ) 欠損金の繰戻しによる還付制度 」

もともとこの特例措置は中小企業のために設けられたものですから、大企業傘下の会社にこれを適用できるのはおかしい、という意見はあちこちから聞かれていました。

ただし100%子法人に限定すると、99%や95%の子会社が次々と誕生するように思います。
連結納税制度も含めて100%に限定するというのは無理があると、私は思います。

【リンク】

「平成22 年度税制改正大綱」[PDF]

吉永 税制

2010年税制大綱 – 連結納税編

2009年 12月 24日

政府は22日夕の臨時閣議で2010年度税制改正大綱を決定した。子ども手当を創設することを念頭に、所得税・住民税の一般扶養控除は15歳以下の年少部分を廃止。一方で社民党などが廃止に反対していた23~69歳の成年部分は現状を維持する。高校生や大学生の子どもがいる世帯を対象にした「特定扶養控除」は、高校無償化とのバランスを取るため、16~18歳の部分を圧縮する。
NIKKEI NET  2009年12月22日

【CFOならこう読む】

法人課税に関しては、グループ内取引等に係る税制、資本に関係する取引等に係る税制が取り上げられています。グループ内取引等に係る税制の中には連結納税制度の見直しが含まれています。

「(イ) 連結納税の開始又は連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子法人のその開始又は加入前に生じた欠損金額を、その個別所得金額を限度として、連結納税制度の下での繰越控除の対象に追加します。
(ロ) 連結納税の承認申請書の提出期限について、その適用しようとする事業年度開始の日の3月前の日(現行6月前の日)とします。
(ハ) 事業年度の中途で連結親法人との間に完全支配関係が生じた場合の連結納税の承認の効力発生日の特例制度について、加入法人のその完全支配関係が生じた日(加入日)以後最初の月次決算日の翌日を効力発生日とすることができる制度に改組します。
(ニ) 連結納税の開始又は連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度について、その開始又は加入後2月以内に連結グループから離脱する法人の有する資産を時価評価の対象から除外します。」

(イ) は19日に説明したようにSRLYルール(連結子法人の繰越欠損金のうち、連結加入前の事業年度において生じた欠損金について、その子会社の所得金額を上限に持ち込むことができる制度)を導入するということです。子法人の繰越欠損金をグループ全体で利用できるのと比べるとメリットは小さいと言えます。

(イ)を除き、2010年10月1日から適用となる旨記載があることにご留意下さい。

【リンク】

「平成22 年度税制改正大綱」[PDF]

吉永 税制

グループ企業への法人税制、税制改正大綱に盛り込まれる

2009年 12月 19日

政府税制調査会は18日、2010年度税制改正に向けた最終案をまとめた。住宅を購入するために、親や祖父母などからもらったお金にかかる贈与税の特例の非課税枠を2010年中は1500万円、2011年中は1000万円に引き上げる。株式投資の配当と譲渡益を非課税にする制度も2012年から設け、年100万円を限度に3年間、総額300万円まで非課税にする。減税中心の税制改正で低迷する日本経済を下支えする。
最終案は同日午後の政府税調の会合で提示された。税調は今後、与党との調整などを経たうえで、22日の税制改正大綱の決定を目指す。

(日本経済新聞009年12月19日1面)

【CFOならこう読む】

連結納税制度の見直しも、大綱の中に盛り込まれるようです。連結納税開始時における子法人の繰越欠損金の持ち込みができるようになるのか
が気になるところです。

「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会」(平成21年7月)ではこの点次のように記載されていました。

「連結納税開始時や連結納税グループへの加入時における子法人の単体欠損金の持込制限を緩和することが考えられる」

緩和とはどういう意味なのかが実務家の間で色々と取りざたされていました。

「持込制限を緩和」とは「廃止」というわけではないですよね。例えば米国のサーリールールを想定してるということになるのでしょうか。

(中略)

「希望ですけれども、アメリカのサーリールールではなく、子会社の単体欠損金の持ち込みが単純に認めてもらえるのであれば非常に連結納税の使い勝手がよくなると
思います。

当然、悪意的な行為は規制するとして、今の環境下ですと子会社が繰越欠損金を持っている企業グループはたくさんあると思いますので、連結納税導入時における繰越欠損金の持ち込み制限の緩和は、非常に影響が大きいと思います。

やはりサーリールールのように欠損を出した当の会社単体の利益の範囲だけで欠損金が使える制度になるとすると、制度改正後も企業の行動はあまり変わらないと思います。
今後そこまで単体で黒字が出せるのかということもありますし、緩和されたとしても本当に連結納税を入れるメリットがあるのかというのは、将来のプランをきちっと描かないとわからないところであるので、ここは緩和じゃなくて抜本的に改正していただきたいというのが、本当に言いたいところですね。」

「SRLYルール:連結子法人の繰越欠損金のうち、連結加入前の事業年度において生じた欠損金について、その子会社の所得金額を上限に持ち込むことができる制度」
(週刊税務通信 平成21年12月7日号)

昨日発表された最終整理案では次のように記載されています。

「連結納税の開始又は連結グループへの加入に伴う資産の時価評価制度の適用対象外となる連結子法人のその開始又は加入前に生じた欠損金額を、その個別所得金額を限度として、連結納税制度の下での繰越控除の対象に追加する」

要するに、SRLYルールということのようですね。

【リンク】

「主要事項・要望項目等に関する最終整理案」[PDF]

吉永 税制