2011年に新規株式公開した36社の株価をみたところ、3分の2の銘柄で27日終値が上場初値を下回っていることが分かった。
(日経ヴェリタス2012年1月29日26面)
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「最も下落率が大きいのはラクオリア創薬(マイナス)で、上昇率が大きいのは日本管理センター(2.6倍)。買われているのは、業績が安定した一部の銘柄にとどまっている」
(前掲紙)
2011年に新規上場した銘柄のうち初値からの騰落率、上昇率上位5銘柄及び下落率上位5銘柄は次の通りです。

3分の2が初値を上回るようでないと、なかなかIPO数は増えないと思います。
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なし
2011年のIPOは37社だった。過去10年間のピークである2006年(188社)に比べ2割弱の水準であったが、前年から14社増えた。さらに新興市場の売買代金が底入れする兆しを見せるなど、投資家の関心は高まりつつある。
(日本経済新聞2012年1月8日1面)
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大阪証券取引所副社長 松本学氏は、日経ヴェリタスのインタビューに答え次のように述べています。
「−IPOの増加は続きそうですか。
今年のIPOは50社前後と、昨年実績(37社)から10社以上増えると考えている。リーマン・ショックを挟んだ2008年(49社)の水準に迫る可能性もある。ジャスダック単独でも20~25社と、昨年の16社から大幅増を目指せそうだ」
いちよし証券の宇田川氏も、今年のIPO社数を50社程度とみているとのことで、この辺が目安になりそうです。
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なし
今年に新規上場した37銘柄の直近の株価と公募価格を比べたところ、電子書籍やネット関連が上昇する一方、バイオ関連は下落した銘柄が目立った。欧州の債務問題や円相場の高止まりが長引くなか、主力の輸出関連銘柄を避けた資金の一部が、国内で成長余力の大きそうな銘柄に流入したようだ。
(日本経済新聞2011年12月27日17面)
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今年に新規上場した企業の株価(26日時点、単位%、▲はマイナス)

電子書籍やネット関連銘柄の上昇が目立つ中、ネクソンは公募価格1300円に対し昨日(26日)終値1175円と10%程度下回っています。「「設定価格が割高だったのではないか」(国内証券)との指摘もある」(前掲紙)
とのことですが、2011年12月期予想EPSに対するPERは17.9倍、成長余力を考慮するとそれほど高いとは思えません。
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なし
国内株式市場で新規上場に底入れの兆しが出ている。今年は10月末までに25社が上場し、昨年1年間の22社を上回る。スマートフォンや医療・医療関連の
新興企業の上場意欲が強く、今年の年間上場社数は35~40社に達するとの見方が多い。日本経済や株式市場の停滞を象徴していたIPO市場だが、最悪期を脱しつつある。
(日本経済新聞2012年10月13日1面)
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「けん引役は、スマートフォンやSNSなどの成長市場でビジネスを展開する企業だ。手ぶれ防止などの携帯電話用カメラの画像処理ソフトウェアを開発するモルフォなどが上場。28日には電子書籍販売のイーブックイニシアティブジャパンが上場する」
(前掲紙)
直近では、恋愛ゲーム「恋してキャバ嬢」等のSNS(交流サイト)向けゲームを提供するKlabが公募価格1,700円(予想PER14.7倍)、初値3,970円(予想PER34.3倍)と価格面でも最悪期を脱した感があります。
米フェイスブックは、2012年末にIPOを延期するようですが(9月14日英フィナンシャル・タイムズ)、それに合わせる形で来年からさ来年にかけて一気にIPOバブルが膨らむ可能性もあります。バブルはいずれはじけますが、はじけた後も成長を続ける会社がいくつかは残るわけで、だからこそその期待からバブルは膨らむのです。
IPOに向かう企業側は、バブルに踊らせれることなく、長く成長を続ける企業となるべく地道に努力し続けることが肝要であろうと思います。資本政策上、成長シナリオが要求されるのですが、絵に描いた餅は食えません。重要なのは、ビジョンと成長戦略とそれを実現させる経営者の強い意志とリーダーシップです。
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なし
日本企業が香港や韓国など、アジアの証券取引所に上場する動きが目立ってきた。2010年はゼロだったが、2011年は5社前後が上場する見通しだ。高い経済成長が見込める国・地域で知名度や信用力を高め、アジア全域で事業を展開しやすくする狙いがある。
(日本経済新聞2011年7月13日4面)
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最近、アジア市場で上場した主な企業は次の通りです。
| エルピーダメモリ |
2月台湾証券取引所上場 |
120億円調達 |
| SBI ホールディングス |
4月香港証券取引所上場 |
160億円調達 |
| インターネット関連企業のパワーテクノロジー |
8月コスダック上場 |
7~8億円調達 |
「企業が上場市場としてアジアに目を向けるのは、製品やサービスの市場としての魅力が高まったからだ。上場すれば消費者や取引先の間で、知名度や信用力が高まり、事業を円滑に進めやすくなるとみている」(前掲紙)
例えば、SBIホールディングスは、資金使途について次の開示を行っています。
「今回の本件原株募集及び本件第三者割当増資の手取概算額合計上限1,490,400,000香港ドル(約16,281,000,000円)について、国内外の有望な企業への直接投資及びアジアを中心とした成長力のある新興国においてパートナーと共同設立したファンド並びに国内ファンドへの自己投資資金として7,000,000,000円、残額をインターネットを主要チャネルとした金融子会社(関連する事業子会社を含む。)及び海外金融機関への出資又は融資等(子会社を通じた出資又は融資等を含む。)に平成26年3月期までに全額充当する予定です。」
2011年4月8日「HDR(香港預託証券)の発行条件等の決定に関するお知らせ」SBIホールディングス
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2011年4月8日「HDR(香港預託証券)の発行条件等の決定に関するお知らせ」SBIホールディングス
東京証券取引所傘下のプロ向け市場「TOKYO AIM取引所」に上場を予定している創薬ベンチャーのメビオファームは7日、上場時の新株式発行を中止すると発表した。既存株主が売買できるように新規上場は予定通り15日行う。
(日本経済新聞2011年7月8日13面)
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新株式発行の中止の理由を会社は次のように説明しています。
「この度のブックビルディングの期間中、当社の製造に関する事業提携に関する基本合意が締結さ れ、また発行価格の決定前日の平成 23 年7月6日には中国の特定企業に対する当社の技術導出 (ライセンスアウト)に関わる契約が合意に達するに至りました。 これらの事象が発行価格の決定に与える影響を考慮し、当社の現状を適正に反映する形での価格 決定を行う必要があるものとの判断より、この度の新株式発行を中止することといたしました。」
(「新株式発行の中止に関するお知らせ」メビオファーム株式会社 [PDF])
何だかよくわかりませんねぇ。
当座、資金調達の必要性がなくなったということでしょうか?
だったら上場延期すれば良いのに・・・。
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「新株式発行の中止に関するお知らせ」メビオファーム株式会社 [PDF]
スマートフォンなどで使う新しいネットサービス事業を、大学生が相次いで立ち上げている。アイデアさえあれば、資金が少なくても起業できるためだ。大学内で培われた技術を実用化する、いわゆる「大学発ベンチャー」とは異なる学生の起業に、大学や企業、公的機関は収益モデル作りなどで支援する仕組みを広げている。
(日本経済新聞2011年7月6日14面)
【CFOならこう読む】
「広がる大学発ベンチャーの特徴は大半がネットサービスである点。ただスマートフォン向けサービスは無償で提供されることが多く、収益モデル作りが課題だ。このため学生起業家を支援するプログラムも増えている」(前掲紙)
起業家支援よりもずっと大切なことがあります。それはリスクをとってチャレンジする人が尊敬されること。成功したら大きな称賛の声をもって讃えられること。失敗しても何度でもやり直しができること。日本人全員がそんな風に意識を変える必要があります。
出る杭は打たれるという社会では、企業家は決して育ちません。
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なし
2009年6月の開設以来、上場実績がなかった東京証券取引所傘下のプロ向け市場(東証AIM)に、創薬ベンチャーのメビオファーム(東京・港、藤沢忠司社長)が上場申請した(7月15日上場予定)。上場審査を担当する主幹事に名乗りを上げたのはシンガポール系のフィリップ証券。下山均社長(みずほ証券出身)に、1号案件を手掛けた狙いなどを聞いた。
(日経ヴェリタス2011年6月26日15面)
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「−リスクが高いとされる主幹事を引き受けた。
「当社の規模だと、私自ら上場を希望する企業を訪ね、トップと話す余裕がある。例えば私はメビオの社員ほぼ全員を知っている。藤沢社長とも、どれだけ話したか分からないぐらいだ。書面での審査ではなく、直接先方と対話するのでリスクが読みやすい。大手のように数字や報告書だけで判断すると、大丈夫かという議論になりがちだ」
(前掲紙)
2年ほど前に、私はAIMの「指定アドバイザー」について、次のような指摘を行いました(2009年7月9日エントリー「tokyo-aim初年度上場は4、5社」)。
「日本の将来を考えると、重要なのは、中小のベンチャー企業に直接金融の道を開くことです。そういう意味でTOKYO AIMに期待する部分は大きいのですが、それには従来の証券会社とは異なる、ここを専門とする「指定アドバイザー」の存在が絶対に必要ですが、今のところ手を挙げるところはないようです。」
TOKYO AIMの指定アドバイザー一覧は現在のところ次のようになっています。
(TOKYO AIM 指定アドバイザー(J-Nomad)一覧)
不思議なことに、ついこの前まで記載がなかったフィリップ証券の名前がちゃんと載っています。まあそれはさておき、ここに聞いたことがないような証券会社の名前が並ぶようじゃなきゃTOKYO AIMは機能していかないと思います。
もちろん指定アドバイザーの承認審査を厳格に行う必要があるのは言うまでもありません。
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なし
世界の有力企業が初めて株式を公開する場所として香港を選ぶまでになったのは、英語ですべてが完結する利便性に加え、世界の有力な機関投資家が香港に拠点を加え、世界の有力な機関投資家が香港に拠点を構え、企業価値を適切に評価する体制が整っているためと思われる。東京市場は17日も日経平均株価が下落し、第1部の株価純資産倍率(PBR)は1倍ちょうどまで下げたが、そこまで株式に対する信頼が薄い市場にあえて上場したいと考える外国企業はまずないだろう。
(日経ヴェリタス2011年6月19日65面)
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「ちなみに味千ラーメンを展開する重光産業(熊本市)は日本市場を素通りして、中国事業を統括する味千中国ホールディングスを2007年3月に香港取引所に上場した。17日現在の時価総額は1550億円、PERは33.5倍、PBRは5.4倍だ。東京に上場していたら、ここまでの評価は得られただろうか」
(前掲紙)
これだけ読むと、日本では無名の日本企業でも、香港で上場することで高い株価がつくという浮ついた話に聞こえますが、そうではありません。味千は中国にビジネスベースを持つ、中国最大のラーメンチェーンです。
「味千中国ホールディングス」の本社は香港ですが、実質的なチェーン本部の機能を上海に置く現地企業です。同社は重光産業とフランチャイズ契約を結び、中国大陸で味千ラーメンを独占的に出店する権利を与えられている、れっきとした中国企業です。
味千中国の株式の51%は、会長兼CEO(経営最高責任者)の潘慰(デーシー・プーン)氏が持つ。重光産業も株主だが、出資比率は会社名義と重光社長の個人名義の合計で5%に満たない。
重光産業は、フランチャイズ契約に基づいてライセンス料、技術指導料などを受け取っている。その総額は約3億円。味千中国の収益力を考えれば、過小とさえ思える金額だ。このため、一部には「重光産業は商売が下手」「中国での成功は他力本願」などと揶揄する声もある。
しかし、重光社長はこうきっぱりと反論する。
「現地の事情を知らない日本人があれこれ口を出し、利益を吸い上げれば、パートナーにやる気が出るはずがない。反対に、自分よりパートナーの利益を優先して考え、惜しまずにサポートすれば、彼らは必死になって頑張る。努力すればするほどパートナーの手元に利益が残る仕組みにしたからこそ、今日の味千中国があるんです」
(日経ビジネスオンライン2009年1月27日中国に324軒、吉野家よりメジャーな「熊本ラーメン」 重光産業(熊本県熊本市)【前編】)
つまり、中国で成功し大きな成長期待のある中国企業が、香港で上場して高い評価を得ている、ということです。日本で上場できない会社でも香港では簡単に上場できて、しかも高い株価がつく、というようなお話しでは全くありません。
日経ビジネスオンライン2009年1月28日号「中国でのラーメン成功で、日本が再活性化 重光産業(熊本県熊本市)【後編】」では、ラーメン経験どころか飲食店経験もない香港人のパートナーといかに結束を強めていったかが紹介されています。
重光産業が積極的に中国展開を行うことを志向していたわけではなく、味千ラーメンの味に惚れた若い香港企業家の熱意にほだされ、香港進出を許可したのが、味千中国ホールディングスの始まりだったことが書かれています。
日々の仕事を真面目に地道にこなしていくことが、世界進出にまでつながるのですね。現在海外店舗は603店だそうです(味千拉麺)。
そういえばこの会社、「桂花」ラーメンが昨年民事再生法の適用を申請した際、スポンサーとして支援を名乗り出たことを今思い出しました。
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日経ビジネスオンライン2009年1月27日中国に324軒、吉野家よりメジャーな「熊本ラーメン」 重光産業(熊本県熊本市)【前編】
日経ビジネスオンライン2009年1月28日号「中国でのラーメン成功で、日本が再活性化 重光産業(熊本県熊本市)【後編】」
味千拉麺
IPOは市場の活気を測るバロメーターだ。2006年に180社を超えた新規上場はリーマンショック後の2009年、19社に激減。2010年に22社と4年ぶりに増加に転じたものの、初値が公募・売出価格を割り込んだのは9銘柄に上り、新規上場銘柄への関心はなかなか高まらない。
(日経ヴェリタス2011年6月14日4面)
【CFOならこう読む】
「トムソン・ロイターによると、2010年のIPO社数は中国(香港含む)が前年比2.5倍の479社で世界一。2位は米国、3位は韓国で日本は10位に沈んだ」(前掲紙)
昨日、プラダが香港市場で上場し、最大2100億円調達するとのニュースが飛び込んできました。
「同社は12日午後、香港の記者向けにミラノと通信回線を結んで記者会見した。パトリツィオ・ベルテリ最高経営責任者(CEO)は「香港で上場するという我々の判断は、我々がアジア市場をどのように見ているかを示している」と語り、香港上場がアジア重視の表れであることを強調した」
(日経電子版2011年6月13日)
何故、プラダを日本市場に呼び込めないのか。市場関係者は香港やシンガポールに勝つために何をすべきかを真剣に考えるべきです。
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