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Archive for the ‘未整理’ Category

自社株買い減少に歯止め

2010年 3月 9日

上場企業の自社株買いの減少に歯止めがかかりつつある。企業が2月に設定した自社株取得枠(予定額、上限)は前年同月比8%減の1011億円と、減少率が1月の42%から大きく減少した。昨年9月は96%減だったが翌月以降は5ヶ月連続で縮小している。業績の底入れが背景にあり、株主への利益配分が平時の状態に戻れば株価を下支えする可能性もある。
(日本経済新聞2010年3月9日3面)

【CFOならこう読む】

「自社株買いは市場で取引される株数を減らし1株当たりの実質価値を高める効果がある。配当と並ぶ株主配分策とされてきたが、金融危機後は銀行や医薬品など自社株買いの常連が内部留保を優先。取得枠の設定が急減した」

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吉永 未整理

一戸当たり床面積の国際比較

2010年 2月 4日

しばしば日本の住宅は他の先進諸国に比べ狭いといわれるが、実は持ち家に関してはそれほど狭いわけではない。日本の場合、賃貸住宅の狭さが他国に比べ際立っている。これは日本で賃貸住宅は単身者や若夫婦向けの供給が主流で子どもを持つファミリー向けの物件となると分譲マンションとの競合で、供給は少ないためである。
(日本経済新聞2010年2月4日23面)

【CFOならこう読む】

今日は取り上げる記事がないなあ、と思いながら何度も新聞の頁をめくっていたら、一戸当たり床面積の国際比較をしているグラフが目にとまりました。

a 一戸あたり床面積国際比較(壁芯換算値)

「2009不動産業統計集 2不動産開発」財団法人不動産流通近代化センター[PDF]

日本の借家の狭さが際立っています。

b 一人あたり住宅床面積

「2009不動産業統計集 2不動産開発」財団法人不動産流通近代化センター[PDF]

特に関東大都市圏の借家の狭さが際立っています。

これって凄いビジネスチャンスなんじゃないでしょうか?

家賃を払っても家は自分のものにならない、なんていうアホな営業トークに乗って家を買う時代は終わっています。
常識的に考えても個人のバランスシートが、借方のほんどが住宅で、貸方はそれ以上の借金、実質債務超過なんてまともじゃないでしょう。

国の財政破綻を心配している場合じゃないですよね。

様々なものが流動化している現代社会において、家を買って住居を固定化することを嫌い借家を選択する人が今後ますます増えていくように思います。

ニーズがあって供給が不足しているなら、そこに大きな商機があるはずです。
国もこの分野にもっと財政を投入して良いように思います。

【リンク】

なし

吉永 マクロ経済, 未整理

朝三暮四

2010年 1月 23日

鳩山由紀夫首相が22日午前の衆院予算委員会で、中身は同じなのに巧みに変化があったようにごまかすことを意味する故事成語「朝三暮四」を、命令がころころと変わることを表す「朝令暮改」と勘違いし、質問した自民党の茂木敏充幹事長代理から言葉の由来と正しい意味について「講義」を受ける一幕があった。
(
jiji.com 2010年1月22日)

【CFOならこう読む】

「朝三暮四は、宋の狙公が飼っていたサルに木の実を「朝三つ、暮れに四つ与える」と告げたところ、サルが不満を示し、狙公が「朝四つ、暮れ三つ」と言い換えるとサルが喜んで受け入れたという故事に由来する」(前掲紙)

この故事には、騙されるサルもアホだというようなニュアンスがこめられています。

ですが、現在価値で考えると、「朝三つ、暮れ四つ」と「朝四つ、暮れ三つ」では異なる、アホだと思ったサルが、実は正しい判断をしている、と私の師匠である井手正介先生が話しておられたのを思い出しました。

割引現在価値の計算の本質は、現在のキャッシュは、将来のキャッシュより価値が高いというところにあります。ですから、「朝三つ、暮れ四つ」より「朝四つ、暮れ三つ」の方が得だというサルの判断は正しいという訳です。

いずれにしても、茂木氏の昨日の質問、

「一次補正の凍結額の4分の1を10年度当初予算案で復活させている」

を朝三暮四で表現するのは、故事の使い方として間違っているように感じます。この場合、朝令暮改で正解でしょう。

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なし

吉永 未整理

三越伊勢丹、傘下の三越7店舗他を分社化

2009年 8月 25日

三越伊勢丹、傘下の三越7店舗他を分社化三越伊勢丹ホールディングスは24日、傘下の三越の地方7店舗を分社化すると正式に発表した。受け皿となる新会社を10月に設立したうえで、2010年4月に札幌店(札幌市)や松山店(松山市)など対象店舗の運営を新会社へと引き継ぐ。地域の実情に合わせた営業体制を作り、経営コストの圧縮につなげる。
NIKKEI NET2009年8月24日

【CFOならこう読む】

地域ごとに店舗経営の独立性を高め、収益の状況に合わせて賃金の水準を変更したり、地域の消費事情に合わせた販売戦略を立てられるようにすることを目的とした再編です。具体的には以下の手順で行なわれます。

1.平成21年10月1日を期して、 伊勢丹から静岡伊勢丹及び新潟伊勢丹に係る経営管理及び営業支援業務の一部を承継して、両社を直接子会社とする。この再編は無対価の吸収分割により行われます。

2.平成22年4月(予定)に、株式会社三越(以下「三越」という。)から札幌・仙台・名古屋・広島・高松・松山・福岡の各地域の百貨店運営事業を承継すべく、地域事業準備会社として弊社直接出資の新会社7社を設立する。

これにより、平成20年10月に三越伊勢丹HDと直接の資本関係となった株式会社ジェイアール西日本伊勢丹(以下「WJRI」という。)、平成21年7月末に株式会社丸井今井から持株会社が事業を譲り受けた株式会社札幌丸井今井(以下「札幌丸井今井」という。)及び株式会社函館丸井今井(以下「函館丸井今井」という。)、並びに株式会社岩田屋(以下「岩田屋」という。)の臨時株主総会における承認を経た上で完全子会社化を予定している岩田屋とあわせ、持株会社の直下に三越、伊勢丹及び地域事業会社等の百貨店事業会社が並列する組織体制が構築される。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより
「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

3.新潟エリアをモデルエリアと位置づけ、先行して両店舗の一体運営化を進め、平成22年4月(予定)には三越新潟店と本吸収分割によって持株会社の直接子会社となる新潟伊勢丹を統合する予定。そのノウハウを活用して札幌と福岡においても一体運営を進める。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより
「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

4.さらに、平成23年4月(予定)には、営業基盤の整備に向けた組織再編の最終形として、全国百貨店で店舗売上高1 位、2 位の三越日本橋本店、伊勢丹本店と、世界有数の商業集積地・銀座の三越銀座店の旗艦3店を中核とした首都圏の各店舗を擁する、三越及び伊勢丹の両社を統合する。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」4ページより
「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」4ページより

「店舗が併存するエリアについては、営業施策で連携をとりつつ、両店舗のブランドの明確化を行ない、それぞれ特色ある店舗としてお客さまのご期待にお応えすることで、両店が提供できる品揃えの質・幅を広げ、地域のお客さまの満足を高めていきます。あわせて、後方部門の統合による物流費・賃借料の削減、共同取組による経費の有効活用など、単店舗では成し得なかった効率的なエリア運営体制を構築していきます。」(プレスリリース)

とのことですが、1+1=2以上の効果を生むことができるのか疑問です。必要なのは事業の統合ではなく、店舗の統合だと僕は思うのですが・・・。

【リンク】

2009年8月24日「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ 」株式会社三越伊勢丹ホールディングス[PDF]

吉永 未整理

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のグループ内再編

2009年 8月 7日

カルチュア・コンビニエンス・クラブが6日発表した2009年4~6月期連結決算の経常利益は前年同期比16%減の29億円だった。連結子会社が減ったことに加え、映像・音楽ソフトのレンタルや販売を手掛ける「TSUTAYA」事業が振るわなかった。
売上高は同17%減の469億円。昨年9月にアイ・エム・ジェイが子会社から持分法適用会社に、今年5月には子会社だったデジタルスケープが連結対象から外れた。両社で計59億円の減収要因。さらに「CDやDVDの販売の落ち込みが大きかった(柴田励司最高執行責任者)。
既存店でのレンタルも同2%減った。4月の子会社との統合に伴う税負担軽減で、純利益は同81%増の35億円だった。

(日本経済新聞 2009年8月7日 14面)

【CFOならこう読む】

「4月の子会社との統合に伴う税負担軽減」というところが気になったので、少し調べてみました。

平成21年4月1日付で、CCCの直接又は間接の完全子会社(完全孫会社等を含む)11社の事業を、株式会社CCC(旧商号:株式会社TSUTAYA)に再編・統合しています。

組織再編の概要は次の通りです。

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 4ページ

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 4ページ

合併対象となる子会社

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 1ページ

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 1ページ

会社分割対象となる子会社

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 3ページ

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 3ページ

事業譲渡・解散の対象となる子会社

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 3ページ

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 3ページ

商号変更の対象となる子会社

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 4ページ

「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」 4ページ

2009年度第1四半期のPL末尾は次のようになっています。

税金等調整前四半期純利益 2,287百万円
法人税、住民税及び事業税 368
法人税等調整額 △1,757
法人税等合計 △1,389
少数株主利益又は少数株主損失 152
四半期純利益 3,524

法人税等調整額は、繰延税金資産の増加によるものです。前期末比で

繰延税金資産(流動)2,281百万円→3,811百万円

と大きく増加しています。

原資は繰越欠損金でしょう。前期末の税効果の注記を見ると繰延税金資産の内訳の中で繰越欠損金が12,842百万円もあります。

これは内訳項目の中で突出して大きな金額です。一方評価性引当額12,734百万円計上されており、繰越欠損金部分に見合う繰延税金資産の資産性を否認しています。

つまり繰越欠損金を抱える子会社単体では将来的に繰越欠損金を使い切るだけの収益性が見込めないため、合併により繰越欠損金を存続会社に引継ぎ、これを使い切ろうということなのです。

では繰越欠損金を抱える子会社とは?

おそらくそのひとつはTSUTAYA STORESホールディングス(及びTSUTAYA STORES)でしょう。

前期末の有報の関係会社の状況に、TSUTAYA STORESホールディングスの債務超過額3,215百万円(TSUTAYA STORESの債務超過額は2,583百万円)と記載されています。

TSUTAYA STORESホールディングスは、もともとユーファクトリーという会社で昨年8月に商号変更するとともに、TSUTAYA STORESの店舗事業に関する権利義務を吸収分割により承継しています。

また、今年1月1日にはヴァージン・メガストアーズ・ジャパンを吸収合併しています。

TSUTAYA STORESをめぐる再編で繰越欠損金がどう引き継がれたか不明ですが、数社の繰越欠損金がこの会社に集約されている可能性もあります。

今回の再編のひとつの理由が、この繰越欠損金の有効利用にあると推測されます。

なお、今年10月1日にホールディングス(カルチュア・コンヒ゛ニエンス・クラフ゛株式会社)と4月1日の再編の存続会社である100%子会社である株式会社CCCを合併することが8月5日に開示されています。

【リンク】

平成21年2 月12日「当社のグループ内組織再編(子会社間の吸収合併、会社分割、 事業譲渡に伴う子会社の解散及び子会社の商号変更等)のお知らせ」カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社[PDF]

吉永 未整理

ソフトバンク・ヤフーの親子上場問題

2009年 3月 2日

ヤフー株に「親子問題」

ヤフーの株価が下げ止まらない。きっかけは19日19時過ぎに発表した親会社ソフトバンクのデータセンター事業に対する買収だ。23日には一時2万4140円まで下げ、2003年10月の東証上場以来の最安値(株式分割考慮後)を更新した。450億円という大型買収について、市場関係者からは「親会社への資金支援ではないか」との観測も出ている。世界同時不況の中でも、ヤフーは09年3月期の純利益が過去最高を更新する見通し。懸念されていた「親子問題」が株価の重しとなってきた。
(日経ヴェリタス2009年3月1日21面)

【CFOならこう読む】

記事では、こ株式譲渡は、CB500億円の繰上償還発生の可能性に伴うソフトバンクの資金需要のために行われたものという見方を紹介しています。

ここまで書いたところで次のニュースが飛び込んできました。

ソフトバンク、CB500億円繰上償還、全保有者が請求権使う。
ソフトバンクは2015年3月末に満期を迎える500億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)を繰り上げ償還する見通しだ。発行条件に繰り上げ条項があり、金融危機などを背景にCBの保有者全員がその権利を行使するようだ。ソフトバンクは手元資金で対応し、有利子負債の圧縮につなげるとみられる。
NIKKEI NET2009年3月2日

どうやら記事の見立ては正しいようです。
ヤフーの余剰キャッシュは、ヤフーの価値創造のために投資されることを期待して株主価値の一部を構成しているのに、それを親会社が費消するということになれば、その部分は株主価値から吹き飛びます。

【4689】ヤフー(株)

【4689】ヤフー(株)

ソフトバンクは、「グーグルを追撃するには、ヤフーがデータセンター事業を持って内製化し、将来の展開に備える必要がある。主要子会社であるヤフーの企業価値を上げることは重要。」と説明しています。

内製化のためのグループ再編であるなら、合併させれば良いのに、と私は思います。

ところで、譲渡代金450億円の内訳は、

「被買収企業の純資産評価額180億円、のれん代60億円、買収によって引き継ぐ税務上の繰越欠損金210億円」                                             (前掲紙)

ということです。

要するに、繰越欠損金をキャッシュに変えるために行われたディールなんですね。

【リンク】

2009年2月19日「次世代インターネット事業の戦略的基盤構築に向けた当社子会社株式のヤフー株式会社への譲渡について」ソフトバンク株式会社

吉永 未整理

BNPパリバに過怠金10億円超

2009年 2月 3日

パリバ不正利益没収へ アーバンコーポ問題で日証協 過怠金10億円超も

日本証券業協会は2日、BNPパリバ証券に対して経営破綻したアーバンコーポレイションとの不適正な取引で得た利益を没収する過怠金処分を科す方向で検討に入った。資本市場や証券業界の信頼を損なう行為の責任は重大だと判断しているため、過怠金の規模は10億円を超え、過去最大となる公算が大きい。
(日本経済新聞2008年2月3日1面)

【CFOならこう読む】

本件については、昨年9月12日、本年1月8日及び1月9日に取り上げています。
以下事件の概要を再掲します。

「7月11日 2010年満期 総額300億円のCBをバリバ向けに発行転換価格 344円(開示日6月26日の終値)資金使途 財務基盤の安定性確保に向けた短期借入金を始めとする債務の返済に使用する予定破綻まで存在が隠されていたスワップ契約の概要
7 月11日 BNP パリバに300 億円を支払う
パリバは手元にあるCBを株式に転換したうえで、市場の売買高の12~18%に相当する株数を市場で売却。
”売却した株数×その日の市場の売買高加重平均株価の90%”に相当する金額を日々アーバンコーポレイションに支払う。
出来高加重平均株価の算定の基礎となる株価に一定の下限を設定」

「実際の調達額は91億円。この契約(スワップ契約)はアーバンコーポが破綻するまで開示されず、300億円の資金を調達できたとみていた一般投資家を含む幅広い市場参加者を欺く行為として批判された。」
(日本経済新聞2009年1月8日4面)

CBとスワップ契約を一体のものとしてみると、MSCBとほぼ同じものになるにも関わらず、この片側のみしか開示しなかったことが東証の適時開示規則に違反している点が特に問題となりました。

金融庁はBNPパリバに対し業務改善命令を発動したものの、課徴金は科していません。
これに対し、日本証券業協会は

「証券業界全体の評価に関る話。きちっと対応したい」(増井喜一郎副会長)

として、厳格な処分を行う方針を明確にしました。

金融庁ではなく、民間の自主規制団体である日本証券業協会が規制機能を発揮するのは望ましい方向であると思います。

「本件CB スワップ組合せ取引により、アーバン社が調達した金額は91 億2559 万8771 円、BNPP グループの収益は11 億7976 万9077 円でした。」
(”BNP パリバ証券会社東京支店 外部検討委員会の調査結果の公表について”より)

過怠金はこの金額を基に決定されるとのことですが、不正利益を没収するだけでは規制としては緩く、罰金も徴収できるよう更なる規制強化が必要であると私は思います。

【リンク】

なし

吉永 未整理

インサイダー規制及び適時開示規定に、軽微基準-子会社解散公表不要に

2009年 1月 29日

小規模子会社の解散 公表不要に 「コマツ処分」機に見直し

金融商品取引法改正に伴う内閣府令の改正で、子会社解散に関するインサイダー規制に軽微基準が新設された。業績などへの影響の小さい小規模子会社なら解散しても規制の対象外となる。東京証券取引所も業務規定を見直し、企業は適時開示せずに済む。インサイダー条項の緩和は珍しい。規制や開示の在り方に一石を投じている。
(日本経済新聞2009年1月29日14面)

【CFOならこう読む】

実務上重要な改正であると思いますので、条文の内容を具体的に書き記しておきます。上が金商法改正に伴う内閣府令の改正、下が東証の上場規定施行規則の改正の内容です。

■有価証券取引等の規制に関する内閣府令の改正-インサイダー取引規制の軽微基準の見直し
52条5-2新設
解散による当該上場会社等の属する企業集団の資産の減少額が当該企業集団の最近    事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれ、当該解散の予定日の属する当該企業集団の事業年度及び翌事業年度の各事業年度においていずれも当該解散による当該企業集団の売上高の減少額が当該企業集団の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満であること。
(2008年12月12日施行)

■有価証券上場規程施行規則-上場会社の適時開示について子会社の解散に係る軽微基準を新設
403条第5号の2新設
(子会社等の決定事実に係る軽微基準)
第403条 規程第403条に規定する投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものとして施行規則で定める基準のうち同条第1号に掲げる事項に係るものは、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定めることとする。ただし、規程第402条第1号qに規定する上場外国会社(当取引所が必要と認める者に限る。)については、当取引所が定めるところによる。

(5)の2 規程第403条第1号fに掲げる事項次のaからdまでに掲げるもののいずれにも該当すること。
a 当該解散による連結会社の資産の額の減少額が直前連結会計年度の末日における連結純資産額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
b 当該解散による連結会社の売上高の減少額が直前連結会計年度の売上高の100分の10に相当する額未満であると見込まれ
ること。
c 当該解散による連結会社の連結経常利益の増加額又は減少額が直前連結会計年度の連結経常利益金額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
d 当該解散による連結会社の連結当期純利益の増加額又は減少額が直前連結会計年度の連結当期純利益金額の100分の30に相当する額未満であると見込まれること。
(2008年12月12日施行)

【リンク】

平成20年12月「平成20年金融商品取引法改正に係る政令案・内閣府令の概要」金融庁総務企画局

「平成20年金融商品取引法等の一部改正に伴う業務規程等の一部改正新旧対照表」

吉永 未整理 ,

上場直後の自社株買い-イデアインターナショナルのケース

2009年 1月 26日

新規株式公開(IPO)から間もない企業に自社株買いなどで株価をテコ入れする動きが目に付く。IPO銘柄は流通する株数が少なく、自社株買いは売買機会の減少につながる可能性もある。だが売買が盛り上がらないため、買い手として登場せざるを得ない事情もあるようだ。
2008年に国内の株式市場に上場した会社は49社。このうち3社が自社株買いを実施。6社が役員や従業員による持ち株会設立や株の保有を発表した。
雑貨販売のイデアインターナショナル(3140)は、08年11月に発行株数の9.3%を上限とする自社株買いを発表した。社長の保有比率が半数近くあるが、「株価があまりに低いと感じたが、通常のIR(投資家向け広報)ではインパクトがない」と判断したという。

(日経ヴェリタス2009年1月25日15面)

【CFOならこう読む】

昨年11月11日に自社株買いを発表した後、一時的に株価は上昇しましたが、その後は公募価格2530円の3~4割といった水準で推移しています。

ところで、イデアインターナショナルは、1月20日に業績の下方修正を発表しています。下方修正に至った理由を会社は次のように開示しています。

売上高につきましては、オーガニックコスメブランド「アグロナチュラ」製品の成分不表示による自主回収、及びそれに伴う生産管理体制の見直しを行ってまいりましたが、年末の需要期に製品の投入が間に合わず、前回発表の業績予想数値を下回る見込みであります。また収益面につきましても、販売管理費を削減したものの、売上高の落ち込みの影響が上回り、営業利益、経常利益とも前回発表の業績予想数値を下回る見込みであります。

年末の需要期に製品の投入が間に合わないという事態が、自社株買い公表時点で全く予想されていなかったのか、仮に相当の確からしさで予想されていたなら、公表した後に自社株買いを行うべきではなかったかとの疑念が生じるところです。

20090126

【リンク】

平成21年1月20日「平成21 年6月期 第2四半期累計期間(非連結)の業績予想の修正並びに第2四半期期末配当予想の修正に関するお知らせ」株式会社イデアインターナショナル[PDF]

吉永 未整理

自社株買いのTOB−アスクルのケース

2009年 1月 24日

アスクル 筆頭株主から自社株買い

アスクルは23日、同社株式の40%を保有する筆頭株主のプラスが株式の一部を売却するのに対応し、自社株のTOBを実施すると発表した。市場で売却された場合の株価への影響を考慮した。発行済株式の25%にあたる1100万株を約180億円で取得する。買付価格は1638円で23日終値を約4%下回る。買付期間は26日ー2月24日、1100万株すべてをプラスが売却した場合、保有比率は約15%に低下する。プラスグループの議決権ベースの保有比率も5割超から約37%に下がる取得した株式の約半分は早期に消却する。
(日本経済新聞2009年1月24日14面)

【CFOならこう読む】

自社株取得の目的をアスクルは次のように説明しています。

当社は、当社株式の流動性及び市場株価への影響を鑑み、プラス株式会社が売却を希望する株式につき自己株式として買い受けることは資本効率の向上及び総合的な利益還元に繋がるものと判断いたしました。本公開買付けによってプラス株式会社の当社株式の所有割合が低下した場合、プラス株式会社の当社株式の所有割合の低下は、当社の経営の自主性及び独立性、並びに購買代理としての中立性をより一層強化し、「ソロエルサービス」を始めとした当社の次世代ビジネスモデルの展開を促進させ、当社事業の成長を加速させるものと期待しております。また、本公開買付けの応募状況に応じて、当社が法人税法上の特定同族会社の対象から外れることにより、将来の事業年度における当社の留保金課税にかかる負担が軽減される可能性があります。

アスクルはプラスの事業部門を引き継ぐ形で発足しましたが、保有比率の低下で、プラスからの独立性が高まることになります。

自社株取得の手法としてTOBを選択した理由及び価格の根拠については次のように説明されています。

自己株式の取得の手法については、株主間の平等性、取引の透明性、市場における取引状況等を総合的に判断し、公開買付けの手法によることが適切であり、本公開買付けの買付価格の決定に際して、基準の明確性及び客観性を重視し、基礎となる当社普通株式の適正な価格として市場株価を重視するべきであると考えました。また、本公開買付けに応募せずに当社株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点に立って、資産の社外流出をできる限り抑えるべく、市場価格より一定のディスカウントで買い付けることが望ましいものと判断いたしました。

自社株取得の手法としては、ToSTNeTによることもできますが、1日の取引数量に制限がある上、例えばToSTNeT-2によった場合は、終値取引でかつ時間優先の仕組みのもとで、他の株主の取引機会を確保されているため、プラスの売却予定株数をすべて買い取ることが保証されません。

TOBの場合も、応募株数が買付上限を超えた場合、按分比例により買付が行われるため、プラスの売却株数が予定を下回る可能性があります。しかし、本件は、ディスカウント価格によりTOBを行うことで、他の株主の応募を回避するという手法がとられています。アスクル側はこれで良いのでしょうが、大株主であるプラス側はディスカウントTOBに応ずることによって株主から訴えられるといったリスクはないのでしょうか? 恐らくない、というのが私の結論です。その理由は次の通りです。

TOBには税務上のメリットがあるからです。ToSTNeTも含め市場取引を行うと、プラスには株式譲渡益が計上されますが、TOBによった場合には、相対での自社株取得になるので、買付価格が1株当たりの資本金等の額を超過する部分はみなし配当となり、この部分は100%益金不算入となります。

したがってTOBによると、プラスの譲渡益課税は大幅に圧縮できるのです。多少のディスカウントを受け入れても、税引後のキャッシュフローは、市場で売却するより多く獲得できるのです。ですからプラスにとってもディスカウントTOBに応じることには経済合理性があるのです。

余談ですが、ディスカウント率の決定の根拠として次のような説明がなされていることに若干目を惹かれました。

当社は、本公開買付けにおける普通株式の買付価格を決定するにあたり、フィナンシャル・アドバイザーであるGCA サヴィアン株式会社より、当社の適正な株式の時価を算定するためには、本公開買付けを決議する取締役会決議直前の株価のみならず一定期間の株価の推移についても勘案すべきとの助言を受けるとともに、平成18 年以降の発行者による株券等の公開買付けにおいて買付価格に付されたディスカウント率は概ね10%以内であるとの助言を受け、これらを総合的に勘案し、買付価格を決定しております。

【リンク】

平成21 年1 月23 日「自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ」アスクル株式会社[PDF]

平成20 年1 月10 日「東証市場を利用した自己株式取得に関するQA集」東京証券取引所[PDF]

吉永 未整理