鳩山由紀夫首相が22日午前の衆院予算委員会で、中身は同じなのに巧みに変化があったようにごまかすことを意味する故事成語「朝三暮四」を、命令がころころと変わることを表す「朝令暮改」と勘違いし、質問した自民党の茂木敏充幹事長代理から言葉の由来と正しい意味について「講義」を受ける一幕があった。
(jiji.com 2010年1月22日)
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「朝三暮四は、宋の狙公が飼っていたサルに木の実を「朝三つ、暮れに四つ与える」と告げたところ、サルが不満を示し、狙公が「朝四つ、暮れ三つ」と言い換えるとサルが喜んで受け入れたという故事に由来する」(前掲紙)
この故事には、騙されるサルもアホだというようなニュアンスがこめられています。
ですが、現在価値で考えると、「朝三つ、暮れ四つ」と「朝四つ、暮れ三つ」では異なる、アホだと思ったサルが、実は正しい判断をしている、と私の師匠である井手正介先生が話しておられたのを思い出しました。
割引現在価値の計算の本質は、現在のキャッシュは、将来のキャッシュより価値が高いというところにあります。ですから、「朝三つ、暮れ四つ」より「朝四つ、暮れ三つ」の方が得だというサルの判断は正しいという訳です。
いずれにしても、茂木氏の昨日の質問、
「一次補正の凍結額の4分の1を10年度当初予算案で復活させている」
を朝三暮四で表現するのは、故事の使い方として間違っているように感じます。この場合、朝令暮改で正解でしょう。
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なし
吉永 未整理 資本コスト
サントリーホールディングスと経営統合で大詰めの交渉を進めるキリンホールディングス。社長の加藤壹康はもう一つの仕事に取りかかった。「『金曜会』各社様との持ち合い株式を一部圧縮」。昨年秋、加藤の指示を受けた担当者は文書を手に駆け回った。金曜会はキリンを含む三菱グループ29社の会長・社長会。目的は保有するメンバー企業の株式、数百億円分の大半を3年で売却することだ。
(日本経済新聞2010年1月15日1面)
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「大和総研によると上場企業の株式持ち合い比率は2008年度で8.2%。バブル期の3割弱からは減ってきたが、ここ数年は下げ止まり。今回、解消へ企業の背中を押すのは競争環境の激変だ。利益を生まない資金を塩漬けにしたまま、圧倒的な低コスト体質を備える新興国企業とは戦えない。
(中略)
三菱商事は2009年3月期に保有株式の値下がりや不良債権の償却などで計1800億円の損失を計上。最高益予想からの暗転だった。昨年春CFOとして東京に戻った上田はすぐさま動いた。株式の取得・保有が金額的に十分な見返りを得ていないと判断すれば売却を促す新制度を採用。明確なモノサシで安易な株保有と決別する。対象となる上場企業株は1兆1000億円規模に達し、日本企業で最大級だ」(前掲紙)
むしろ、安易な株保有が許されてきたことに驚きます。これは「資本の無駄遣いは許されない」(前掲紙)
という感覚が、日本の経営者にずっとなかったことの証でもあります。
それは少なくともバブル前までは、日本企業の資金調達が間接金融中心であったことと無縁ではないと思います。カネは銀行から借りられる。だから経営者は金遣いのうまさを競う必要もなかったし、資本コストを考える必要もなかったのです。
1975年に出版された大前研一氏の「企業参謀」という本の中こんなことが書かれています。
”日本の経営者はPL偏重でバランスシートのほうはかなり乱暴に扱ってきたが、今後は金遣いのうまさの真価が問われることになるだろう。だからROCE(Rate of Return on Capital Employed)というような資本効率を測る経営指標が重要になる。資金調達難が慢性化していたアメリカやイギリスでROCEが非常に良く使われる指標になったのは偶然ではない”
日本の現代の問題の多くは、戦後作り上げた体制を現在も後生大事に維持し続けていることから生じています。安易な持ち合い株式も資本コストがゼロの時代に許された遺物であると、僕は思います。
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なし
吉永 コーポレートガバナンス コーポレートガバナンス, 資本コスト
大手商社が、株安による業績への悪影響を避ける目的で保有上場株の圧縮を加速する。三井物産は9月末の時価で5000億円近い保有株(関連会社分を除く)の削減に動くほか、新規の政策保有も原則廃止する。三菱商事も上場株を管理する仕組みを導入、1兆円超に上る保有株を減らす方針。保有株削減は株式市場にも影響を与えそうだ。
(日本経済新聞2009年11月25日16面)
【CFOならこう読む】
「三菱商事が9月末に保有する上場株は連結対象先が時価で約3700億円、取引先など一般上場株が約1兆1000億円。三井物産は連結対象先が2200億円、一般上場株が約4600億円。今回はこうした営業政策上の理由で抱える一般上場株が圧縮対象だ。」
(前掲紙)
こうした方向性は商社に限られません。商社以外の事業会社においても政策投資の意思決定(新規投資、継続保有、売却)を客観的な数値に基づき行うことが求められるようになると思います。”兄弟の契り”的なウェットで説明不能な株式の政策保有を継続することは不可能になると考えるべきです。特にIFRS強制適用後には含み益に頼った経営は出来なくなるのでなおさらです。
「三菱商事は配当と取引上の利益の合計が資本コストを下回る場合などに売却を促す「上場株管理制度」を導入。今月から各営業部門と協議を始めており、その結果を待ち売却候補を選定する。「今後3年ほどかけて新制度を徹底したい」(上田良一常務)。明確な数値基準を示し、安易な新規取得にも歯止めをかける。」(前掲紙)
定量的な評価だけで判断出来ない部分はあるにしても、三菱商事のような定量的な基準を持つことは今後必須になっていくものとCFOは考える必要があるでしょう。
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吉永 投資の意志決定 投資の意志決定, 資本コスト
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