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Posts Tagged ‘資本政策詳解’

【資本政策詳解】アイ・ケイ・ケイ

2010年 7月 20日

アイ・ケイ・ケイの株式上場の概要は次の通りです。

アイ・ケイ・ケイは、ゲストハウス・ウェディング形式(注)の挙式・披露宴に関する企画・運営等のサービスの提供を、連結子会社である株式会社極楽は、葬儀に関する企画・運営等のサービスの提供を行っている企業グループです。

公募価格は1,320円、、予想PER5.2という水準での株式公開となりました。

アイ・ケイ・ケイの主な資本政策は (表2)の通りです。

2006年4月30日に極楽を株式交換により100%子会社としています。
2005年10月31日現在、極楽はアイ・ケイ・ケイ不動産が61.0%を直接所有し、当社役員金子和斗志、金子和枝、金子晴美および松本正紀が35.5%を直接所有していました。

アイ・ケイ・ケイ不動産は、2006年3月にアイ・エスへ社名変更しています。同社はそれまでアイ・ケイ・ケイの子会社でしたが、取締役の兼務の解消、取引の解消等により、2006年4月に支配力基準による子会社に該当しないことになりました。なお、アイ・エスは金子和斗志氏、金子晴美氏およびその近親者が100.0%を直接所有しているとのことです。

資本関係だけから見ると、何故アイ・エスが子会社に該当しないのかわかりません。

2006年4月にアイ・ケイ・ケイは、アイ・エスから婚礼事業(主として土地・建物およびこれに関連する借入金)を譲受けるとともにホテル事業を譲渡しており、ホテル利用に関し、少なくとも2008年10月期においてはアイ・ケイ・ケイとアイ・エスは取引を行なっていました(2009年10月期においては開示対象からはずれており、当該期間に取引があるかどうか不明です)。

第三者割当、株式交換比率、ストックオプションの行使価格等は、時価純資産価額に基づき決定されているのが特徴的です。

上場後時点で員金子和斗志氏、金子晴美氏および資産管理会社であるエム・ケイ・パートナーズ合計で2/3の持分を確保する資本政策となっており、昔ながらの伝統的な資本政策と言えます。

従業員に対するインセンティブは従業員持株会とストックオプションによっています。

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】パピレス

2010年 6月 19日

パピレスの株式上場の概要は次の通りです。

パピレスは、創業者である天谷幹夫社長が、富士通株式会社の社外ベンチャー制度を利用し、1995年に設立した、国内出版社約500社から電子書籍をアグリゲーション(収集)し、主に携帯電話、PC等の情報端末利用者(ユーザー)に対し、ディストリビューション(配信)することにより電子書籍の販売を行っている企業です。

公募価格は2,700円、、予想PER13.0という水準での株式公開となりました。

パピレスの主な資本政策は (表2)の通りです。

2005年に資本準備金取り崩しによる欠損金の補填を行なっており、必ずしも順風満帆で来たわけではないことがわかります。

この他2009年6月27日に従業員に対しストックオプションを発行しています。発行数は株式分割希薄化後で普通株式5,000株(内500株失効)、発行価格は2,200円。

株式の発行価額及び行使に際して払込をなすべき金額は、類似会社比準方式により算定した価格を総合的に勘案して決定された、直近(2009年3月)における第三者間の相対取引での価格です。

上場後時点で天谷社長単独で1/3%超の持分を確保する資本政策となっています。従業員に対するインセンティブはストックオプションによっています。

iPadにより、電子書籍の可能性が多くの人により再認識されていることが追い風パピレスのIPOにとって追い風になると思われますが、今後の競争激化が予想され、それがパピレスの業績にどのような影響を与えるのかという点について、有価証券届出書を読んでもよくわかりません。

パピレスの上場は、2009年3月期を直前決算期としているため、届出書の情報は少し古いのです。
パピレスのような技術革新の進み具合が早い業種の属する企業が1年以上も前の決算期を直前期として上場するのはいかがなものでしょう。もう少し待って2010年3月期を直前期としないのは誰の都合なのか、上場のタイミングが良過ぎるだけにうがった見方をしたくなります。

【リンク】

電子書店パピレス

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】ボルテージ

2010年 6月 8日

ボルテージの株式上場の概要は次の通りです。

ボルテージは、1999年設立、有料モバイルコンテンツの企画・制作・開発・運営、モバイルコマースなどを行っている企業です。

公募価格は2,300円、、予想PER10.0という水準での株式公開となりました。エフオーアイ事件直後のマザーズ上場という環境を考えると、まあまあの水準と言えます。

ボルテージの主な資本政策は (表2)の通りです。

この他2008年6月(行使価格1,000円)、2009年9月(行使価格1,100円)、2009年12月(行使価格1,100円)に役員・従業員に対しストックオプションを発行しています。

VC型のIPOにも関わらず、夫婦合わせて50%超を確保している点が特徴的です。

携帯コンテンツに特化している事業構造に若干不安は感じるものの、資本政策はクリーンであり、少なくともエフオーアイのようなことになることはないでしょう(あくまで私見ですので、投資等は自己責任でお願いします)。

【リンク】

株式会社ボルテージ

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】大光

2010年 3月 31日

大光の株式上場の概要は次の通りです。

大光は、1950年設立、外食産業などに対して卸売業を行う「外商事業」および小規模外食業者などに対して小売業を行う「アミカ事業」における業務用食品などの販売を行っている会社です。

公募価格は420円、2010年5月期予想EPSが45.29円なのでPER9.3倍という水準での株式公開となりました。
初値は415円と若干公募価格を下回りました。

大光の主な資本政策は (表2)の通りです。

2009年2月18日に普通株式と普通株式への転換権が付された種類株式が同一の価格で発行されています。

また2007年10月31日に金森勤氏より金森武氏、金森久氏、金森智氏に合計20,000株の株式譲渡及び20,000株の贈与が行われています。譲渡価格は5,500円、移動価格は、類似会社比準価額方式を参考に決定しています。

この直後に発行された新株予約権の行使価格が5,775円との価格差はプレミアムであると目論見書では説明されています。

金森性だけで40%超、従業員持株会と取引先・金融機関等の安定株主と合わせて50%超の持株比率を上場後も確保する資本政策になっています。従業員のインセンティブは、ストックオプション及び従業員持株会によっております。

これもまたJASDAQらしいIPOと言えます。

【リンク】

株式会社大光

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】エスクリ

2010年 3月 2日

エスクリの株式上場の概要は次の通りです。

エスクリは、2003年設立、挙式・披露宴の企画・運営等のブライダル事業をを行っている企業です。

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吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】アニコムホールディングス

2010年 2月 22日

アニコムホールディングスの株式上場の概要は次の通りです。

アニコムホールディングスは、2000年設立、ペット保険専業のアニコム損保など子会社の経営管理ならびにこれに付帯する業務を行っている企業です。

公募価格は2,000円、予想PER41.6倍というま高水準での株式公開となりました。但し直近のエクィティ・ファイナンスが4,000円(株式分割考慮後)で行なわれているので、この価格で引き受けたVC等は大きな含み損を抱えてのIPOとなります。売り出しを行なうのは三井物産1社のみです。三井物産の引受け価格は3,000円(株式分割考慮後)でした。

アニコムホールディングスの主な資本政策は (表2)の通りです。

普通株式と優先株式によりが資金調達を行なっています。優先株式は普通株式への転換権が付されていますが、特に価格差をつけず、普通株式と同じ価格で発行されています。
2005年4月から2006年3月にかけて4回のエクィティ・ファイナンスが行なわれていますが、この1年で価格を150,000円から800,000円まで一気に引き上げているのが特徴的です。

代表取締役社長の奥村氏は潜在株式も含め19.90%の株式しか保有していません。従業員のインセンティブは従業員持株会及びストックオプションによっています。また取引先持株会も設立しています。

アニコムホールディングスの株主資本は次の通りです。
(単位:千円)

決算年月 2008年3月期 2009年3月期
資本金 3,346,225 3,346,225
資本剰余金 3,236,125 3,236,125
利益剰余金 △ 2,302,921 △ 2,444,463

大きな累損を抱えてのIPOとなります。

【リンク】

アニコムホールディングス株式会社

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】ヤーマン

2009年 12月 21日

ヤーマンの株式上場の概要は次の通りです。

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ヤーマンは、1978年設立、家庭用美容健康機器の研究・開発、製造および仕入れ販売、化粧品の仕入れ販売、生活雑貨などの仕入れ販売ならびに先端電子機器の輸入販売を行っている会社です。

公募価格は3,700円、2010年4月期見込みEPSが312.23円なのでPER11.8倍という水準での株式公開となりました。

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ヤーマンの主な資本政策は (表2)の通りです。

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2008年4月30日に山﨑行輝取締役会長から役員・従業員に対し合計14,300株の株式譲渡が行われています。譲渡価格は1,000円、移動価格は、純資産方式により算出した価格を総合的に勘案して決定しています。

翌期(8月29日)に行われた第三者割当増資の価格が4,500円と比較するとかなり安いといえますが、個人間の株式譲渡で役員・従業員のためのインセンティブ目的で行われたものと推察されることから特段問題はないと思われます。

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山崎性だけで50%超の持株比率を上場後も確保する資本政策になっています。僕の言う典型的な相続銘柄です。従業員のインセンティブは現物株によっており、ストックオプションは発行していません。
これもまたJASDAQらしいIPOと言えます。

【リンク】

ヤーマン株式会社

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】エフオーアイ

2009年 11月 13日

エフオーアイの株式上場の概要は次の通りです。

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エフオーアイは、1994年設立、半導体製造装置の要素技術の研究開発・製品開発・製造・販売をを行っている企業です。公募価格は850円、予想PER13.9というまあまあの水準での株式公開となりました。

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エフオーアイの主な資本政策は (表2)の通りです。

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ここ3年以内に非常に多くのVC及び投資会社が資本参加してるのが特徴的です。

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代表取締役社長の奥村氏は潜在株式も含め10.39の株式しか保有していません。従業員のインセンティブは現物株及び
ストックオプションによっています。

典型的なVC型のIPOであると言えます。

この会社の財務諸表を一目見て非常に目を惹くのが売掛金の大きさです。

決算年月 2008年3月期 2009年3月期
売上高(千円) 9,496,817 11,855,960
期末売掛金(千円) 18,211,895 22,895,952

2009年3月期の売掛金残高は2007年度と2008年度の売上の合計を超える大きさです。会社はその理由を「事業等のリスク」で次のように説明しています。

「当社グループが販売する製品は、設置される顧客の生産ラインにより「初号機」と「リピート機」に分類できます。「初号機」は新設量産ライン向けの製品販売であり、当初、良品歩留率が数%からスタートし、目標歩留率を確保するまでのプロセス・インテグレーション期間が長期化することが一般的であります。また、「初号機」を販売する際の売掛金回収は、技術検収完了後の回収が標準であるため、設置完了基準による売上計上から売掛金回収まで概ね1年6ヶ月から2年6ヶ月の期間を要する傾向があります。これに対して、「リピート機」を販売する際の売掛金回収は、一般的に、出荷後60日程度で70~80%の売掛金回収が可能となり、売上計上から売掛金全額の回収が6ヶ月程度で完了する傾向があります。
当社グループは、独自の技術による製品を開発し、自社製品の販売を開始してからの期間も比較的短く、売上高の大半が「初号機」であるため、売掛金回収期間は次の表のとおり長期となっており、売掛金額が売上高に比べて多額であります。」

2008年度のPLに特損として貸倒引当金繰入が579百万円が計上されていることを見ても、この会社のPLを額面通り受け取るのは危険であるように思います。

いずれにしても今の収益構造の下では、成長すればするほど資金繰りがタイトになっていくでしょう。

【リンク】

株式会社エフオーアイ

吉永 資本政策詳解

【資本政策詳解】デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI)

2009年 10月 24日

DWTIの株式上場の概要は次の通りです。

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DWTIは、1999年設立、医薬品の研究開発を行い、一定段階(現在のところ非臨床試験に到達する前の段階を基準)に到達した開発品を製薬会社等にライセンスアウトを実施することによって収益を獲得する創薬事業を展開している会社です。

公募価格は290円、初値315円という水準での株式公開となりました。

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DWTIの主な資本政策は (表2)の通りです。

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典型的なVC型の会社で、マイルストーンがあらかじめ設定されていて、マイルストーンに従い増資が行われているように推察されます。ただし、2008年7月の増資に関しては、その直前の発行価格800円(希薄化考慮後)に対し250円と大きく価値を下げており、想定外であったと思われます。

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代表取締役社長の日高氏は前社長若狭壮行氏逝去を受けて2008年12月26日に常務取締役総務管理部長から社長に就任したもので、それにしてはご自身と親族保有分を合わせて50%超の株式を保有しており、若干奇異な印象を受けます。

公開直前の株式の移動がないことから、事業承継が相当以前に完了していたのかもしれません。従業員のインセンティブはストックオプション及び現物株によっています。従業員持株会は設立されていません。

【リンク】

「IRライブラリー」デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI)

吉永 資本政策詳解 ,

【資本政策詳解】キャンバス

2009年 9月 24日

キャンバスの株式上場の概要は次の通りです。

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キャンバスは、2000年設立、細胞周期に関する基礎研究の成果をもとに、正常細胞に影響が少ない抗ガン剤の研究及び開発を単一事業としてを行っている創薬企業です。

公募価格は2,100円、初値3,730円という水準での株式公開となりました。

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キャンバスの主な資本政策は (表2)の通りです。

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マイルストーンがあらかじめ設定されていて、予定通り増資が行われているように推察されます。具体的には、2005年11月の増資は、米国での臨床試験開始後に行われています。

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代表取締役社長の河邊氏は現物株を持たず、ストックオプションのみを有しています。従業員のインセンティブもストックオプションによっています。

典型的なVC型のIPOです。

武田薬品との共同事業化契約を締結しており、キャンバスと武田薬品は米国市場において共同開発と共同販売を行い、利益を按分する傍ら、コストも応分に負担することになっています。したがって今後も資金調達が会社にとって重要な課題です。

【リンク】

株式会社キャンパス

吉永 資本政策詳解