2020年度目標財政健全化2案

政府・与党が検討している財政健全化法案の原案が20日、分かった。巨額の財政赤字を削減していく新しい数値目標として、自民党政権が「骨太の方針」などで活用してきた国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を採用する案と、欧州連合(EU)が使っている国・地方の財政赤字の国内総生産(GDP)比を目安にした目標の2案を提示。どちらを法案に盛るかなどを巡り、政府は与党との調整に入った。
(日本経済新聞2010年4月21日1面)

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プライマリーバランス案の概要は次の通り。

「新たな借金をせずにその年度の政策経費を賄えるかを見る指標。原案は「2015年度に赤字幅を半減し、2020年度に黒字化する」とした。内閣府の推計によると、2010年度の国・地方の赤字幅は33兆5000億円。これを2015年度までに半減。2020年度までにゼロに持っていく計画になる」(前掲紙)

一方、国・地方の財政赤字のGDP比を使う案の概要は次の通りです。

「2015年度までに赤字幅を約6%以下、2020年度までに3%以下に抑える」という内容。赤字幅が約44兆8000億円でGDP比9.4%と推計される2010年度を基準にすると、2020年度までに改善される財政赤字の幅は約30超円となる」(前掲紙)

4月19日にお話しした確率20%の世界(政府が早期に財政再建策を打ち出し、財政規律が保たれる)
を目指し民主党政権も漸く動き始めました(「2010年04月19日エントリー「日本の長期金利の見通し-河野龍太郎BNPパリバ証券」)。

しかし財政収支黒字化に10年もかかるというのはいかがなものでしょう。「成長・社会保障・財政健全化基本法案」といういかにも選挙を意識した名称から見ても、いま一つ危機感が感じられません。

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