6月の株主総会期限に買収防衛策相次ぎ廃止

上場企業の間で敵対的買収に対する防衛策を廃止する動きが相次いでいる。10日はモスフードと東洋シャッターが廃止を発表した。リーマン・ショック後の海外投資ファンドの退潮や、買収防衛策の存在が市場で否定的に受け取られかねないとの企業の懸念が背景にあるようだ。
(日本経済新聞2010年5月11日13面)

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「防衛策廃止の背景にはTOB(株式公開買い付け)ルールの改正もある。金融商品取引法の改正で、買収企業は買収目的などに関する被買収企業からの質問に回答する義務が生じ、企業は自前で防衛策を設ける必要性が薄れた」(前掲紙)

事前警告型の買収防衛策は、公開買付者に対し株主がTOBに応募するか否かを判断するための十分な情報提供を行なわせることを主たる目的として会社が自主的に導入しているものです。

法改正により、公開買付者による情報提供内容の充実や公開買付対象者に質問権の付与等(質問がある場合には「意見表明報告書」に記載されます。これを受けて公開買付者は質問に対する回答を「対質問回答報告書」に記載して5日以内に提出する義務があります)がなされ、情報提供の強化が図られたため、事前警告型の買収防衛策を維持する意義がうすれている、とい今日の記事は報じているのです。

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