自社株買い、1年8ヶ月ぶり社数増

株価下落の中で自社株買いに踏み切る企業が再び増勢に転じつつある。8月はケーズホールディングスや東海カーボンなど自社株取得枠を設定した企業が96社と1年8ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなった。発表後の株価が上昇する企業は多く、株式市場は一定の評価をしているようだ。ただ自社株買いの規模は全般に小ぶりで、金額ベースで見ると金融危機前の水準をはるかに下回る。ため込んだ資金を使って株主配分の拡充に積極的に動こうという企業はまだ少数派だ。

(日経ヴェリタス2010年9月5日)

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今日は備忘記録です。

「8月の1ヶ月間で日経平均株価は7%以上下落し、東証1部企業の平均のPBRは1倍ぎりぎりの水準まで下がっている。「株式相場の有事」ともいえる状況での自社株買いは、株価テコ入れ効果も小さくない。

ケーズHDやカルチュア・コンビニエンス・クラブなどでは発表日の翌日に株価が大きく上昇。8月30日に自社株買いを発表したUアローズは翌31日、日経平均が325円下げる中で2.7%逆行高した。ナカニシの9月3日終値は発表日当日の株価を8%近く上回る。またホンダがトヨタ自動車の株価を逆転したのも、8月上旬の自社株買いが一因との指摘もある」(前掲紙)