ベンチャーキャピタル(VC)の出口

ベンチャー企業が株式上場を軸にした成長戦略を見直している。上場しても十分な成長資金を調達できず、上場維持にも多額の費用がかかるためだ。VCなど上場を迫る株主から買い取って経営の自由度を高め、大企業との連携強化などで成長を目指す。ベンチャーの非上場志向が強まれば、VCの経営にも影響しそうだ。
(日本経済新聞2010年11月24日11面)

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「成長資金の供給源だったVCからの「上場」要請は強まるばかり。VCは投資家から集めた資金を10年程度かけて運用する場合が多いが、2000年前後のベンチャーブーム時に設立されたファンドが相次ぎ償還期を迎え、資金回収を急いでいる。

上場はできず、償還期限を迎えたVCの保有株が知らない企業に渡るのも避けたい。一方、VCは「上場してくれ」と圧力をかけてくる。板挟みになったベンチャーがVCの保有株を別の企業に買ってもらうか、自社で買い取り、経営の自由度を高めるのは自然な流れといえる」(前掲紙)

上場を見送るのなら、方向性としては自社株買いか他社に買い取ってもらうかのいずれかになります。

今日の記事の中でいうと、九州大学発のバイオベンチャー、アキュメンバイオファーマは前者、株式をヤフーに売却した携帯電話向け広告のシリウステクノロジー、ジンガ傘下に入ったゲーム開発のウノウ(現ジンガジャパン)は後者を選択したということです。

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