棚卸資産回転率ーソニー改善
ソニーやパナソニックの在庫効率が改善している。ソニーの2010年7~9月期の棚卸資産回転率は7.18回と金融危機前(2008年7~9月期)を上回った。パナソニックも改善しており、販売動向を素早く生産に反映させる取り組み奏功している。需要が不透明なクリスマス商戦を控え、在庫管理を一段と徹底していることも背景にある。
(日本経済新聞2010年11月27日13面)
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棚卸資産回転率(回)=年間売上高/棚卸資産(期首・期末平均)で計算される指標で、1年間で在庫が何回転しているかを見る指標です。より少ない在庫で多くの売上をあげることができれば、それだけ効率が良いといえます。
今日の新聞では、棚卸資産回転率を、「棚卸資産の期中平均を売上高で割って算出する」とありますが、これは「売上高を棚卸資産の期中平均で割って算出する」の誤りです。
ソニーの棚卸資産回転率を計算してみましょう。
2010年6月30日 | 2010年9月30日 | |
棚卸資産(百万円 | 748,586 | 917,284 |
2010年第2四半期 | |
純売上高(百万円) | 1,494,434 |
四半期売上高を4倍すると年間売上高に相当します。すなわち
1,494,434×4=5,977,736百万円
第2四半期の期首・期末平均棚卸資産は、
(748,586+917,284)÷2=832,935百万円
となるので、
棚卸資産回転率は、
5,977,736÷832,935=7.176回
となります。
その他の日韓家電各社の2010年7~9月期の棚卸資産回転率は以下の通りです。
サムソン電子 10.99回 パナソニック 8.89 LG電子 8.01 ソニー 7.18 シャープ 6.19 (前掲紙)