バフェット、ブラック・ショールズ・モデルに異を唱える

バフェットは同モデル(ブラック・ショールズ・モデル)には欠陥があると主張する。期間が数ヶ月単位のオプションなら同モデルは有効だが、バフェットが手がけている期間の長い保険(オプション)契約では、合理的な評価にならないという。
(日経ヴェリタス2011年4月10日56面バフェットからの手紙)

【CFOならこう読む】

「大学でブラック・ショールズ・モデルを、当然の真実として教える現在の慣行を見直す必要があります。さらに言えば、オプション価格の勉強に時間をかける傾向も改めるべきです。」(前掲紙)

私は10年ほど前、数理ファイナンスの専門家である上智の津野先生にお願いして、学部の授業に1年間通わせてもらい、ブラック・ショールズ・モデル理論について懇切丁寧な指導を受けたことがあります。

バフェット氏は、大学でオプション理論を勉強したことがないのでしょう。大学でブラック・ショールズを当然の真実として教えるなんてことはありません。むしろブッラク・ショールズの限界を教えることに時間をかけていると思います。

一番悪いのは、モデルの前提を理解せずに機械的にブラック・ショールズ・モデルやCAPMにパラメータを放り込みその結果を無批判に受け容れることでしょう。専門家にはまずそのモデルを使用することの是非を判断する能力が求められます。そのためには大学なりできちんと勉強することは有意義だと私は思います。

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