復興税の財源

東日本大震災の復興に必要な財源を確保するため、国民に幅広く負担を求める「復興税」の導入を巡る議論が活発になり始めた。政府は2011年度第2次補正予算案に復興税の創設を盛り込む構え。所得税や消費税、法人税など臨時増税案が出ている。ただ確保できる財源の規模や被災者への配慮などの点で一長一短があるうえ、与野党の隔たりも大きい。
(日本経済新聞2011年4月19日5面)

【CFOならこう読む】

「政府は2次補正で実効税率下げを見送る方向で、競争力維持や空洞化防止に懸念が残る。一方で政策減税の廃止・縮小は断行し、増収分を復興税に充てる案も浮上している」(前掲紙)

それはいけません。課税ベースを広げ、実効税率を引き下げるという税制改革の基本的な方向性を放棄し、課税ベースの拡大だけ残すというのは全く理屈が通らない滅茶苦茶な話です。とここまで書いて新しいニュースが入ってきました。

「政府は18日、東日本大震災の復興財源を確保するため、消費税を早ければ2012年度から3年間限定で3%引き上げ、8%とする方向で検討に入った。国民に幅広く負担を求め、復興を推進するのが狙いだ。被災地の住民については負担増を避けるため、税率引き上げ分の納税額を後から還付する仕組みを整える方向だ。東日本大震災の被害額は、内閣府の試算で最大25兆円に上る。消費税収は1%あたり年間約2・5兆円で、税率の3%引き上げで約7・5兆円を確保でき、3年間で復興に必要な支出の大半を賄えることになる。」
「消費税3%上げ検討、復興財源に3年限定で」2011年4月19日03時02分  読売新聞

この方向性は良いと思います。

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