JVC・ケンウッド、3事業会社と合併

経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは、持株会社と傘下の日本ビクターなど3つの事業会社を10月1日付で合併する。合併に向け5月1日付でグループを再編し、
持株会社の社長に不破久温取締役が昇格する。新体制で事業を効率化し、再建を加速させる狙い。合併するのは持株会社と日本ビクター、ケンウッド、車載機器を手がけるJ&Kカーエレクトロニクスの4社。持株会社の河原春朗会長兼社長は5月以降も代表権のある会長にとどまる。

(日本経済新聞2011年4月27日9面)

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2009年10月30日のエントリーで、河原会長は合併の意向を表明していることを取り上げました(2009年10月30日「持株会社下の経営統合→合併-ケンウッド・ビクターのケース」)。

ビクターとケンウッドは、2008年10月1日付で、株式移転により共同持株会社「JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社」を設立し、経営統合しました。これにともない、JVC・ケンウッド・ホールディングスは、同日付で東京証券取引所市場第一部に上場し、非上場の事業会社となった日本ビクターとケンウッドの株式を100%保有する完全親会社となりました。また、両社の共通事業であり、最も大きな統合効果が期待できるカーエレクトロニクス事業において、両社の技術開発、設計、調達、生産および商品企画やマーケティング機能も統合した「J&Kカーエレクトロニクス株式会社」を設立して実質的な独立事業会社とし、JVCケンウッドグループは共同持株会社と3つの事業会社からなるグループ構造となりました。

株式移転により共同持株会社を設立するという形の経営統合は、日本では一般的に用いられています。どちらが売手でどちらが買い手かを明確にせず、ゆるやかに統合して行けるという点で日本的経営になじむとされています。

2009年10月30日のエントリーでも書きましたが、このようなステップは無駄な軋轢を回避するという意味で必要ではあるのですが、JVC・ケンウッドの場合にはいかんせん時間がかかり過ぎているように思います。

トップがリーダーシップを発揮し、スピード感を重視し、多少乱暴であっても速やかに統合を完遂させることが今の時代には必要だと思います。

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